3連チャン

HARUKO

週末は上京し、映画を3本連続で見るというハードスケジュール。ホントは、1本か2本にとどめておいて、あとはのんびり買い物したりおサレなカフェでお茶したり......と、有閑マダムチックに過ごしたかったのだけど、都心の猛暑にすっかりバテバテんになり、映画館に避難。夏の娯楽はゆったり涼しく映画で決まりね。
で、何を観たかというと、

在日1世の母と、母を見つめフィルムに収め続けた2世の息子、彼ら在日コリアンをとりまく家族、時代、世相を描いたドキュメンタリー。生きるためなら警察も刑務所もヤクザにも臆することなく、ただがむしゃらに働き、生き抜いてきた1世の母、母の激しさに圧倒され、反発し、とまどう2世の息子、その子どもたちの3世。彼らの、息づかいも、涙も、汗も、血も、とてもとても濃い。熱い。何事も相対化して、クールに、淡泊でいることがかっこいいと思いがちな私に「なりふりかまわず」「がむしゃらに」時には「みっともなく」生きることの大切さを教えてくれるようだた。この日は上映最終日だったので、上映終了後に監督とプロデューサーとのトークショーがあった。8月にお台場で再演されるそうだ。またぜひ観にいこうと思う。

北欧モノの映画って大好きだ。画面も音楽もとてもシンプル。すべてが柔らかく清潔で、そして、芯のほうで、どうしても溶けない根雪のような固い孤独感が漂う。人口密度が低く、一年の大半を雪に囲まれて生きていると、どうしても、自分の中の深い孤独と向き合わなくてはならなくなるのかな。優しくて寂しい映画だった。泣いた。

村上龍の原作小説を私はリアルタイムで読んでいて、しかも当時、作品中の主人公たちと同じ17歳だったこともあり、とても思い入れが深い。今でも好きな小説のベスト5に入ってる。映画は、軽快でスピード感があって、原作のはじけた感じを出すことには成功していたと思うけど、そのスピード感が徒になって上滑りしている印象。原作を読んでいなかったらもっと楽しめたかもしれない。夏休みで、しかも渋谷ということもあり、観客には10代〜20代前半の「ナウなヤング」が大半を占めていたけど、彼らに「バリケード封鎖」のような、1969年という時代のコンテクストがどれほど伝わっているのかちょっと疑問。主役の妻夫木聡は「ジョゼと虎と魚たち」に続いてここでも好演。ちっともタイプじゃないけど、とてもいい俳優だと思う。