あなたの見解が聞きたい

スマトラ沖大津波災害に際して、世界各国の著名人が続々と義援金を供出している。ゴジラ松井は5000万円。す、すごいなあ。まあ、松井の年収にすればどうってことない金額なのだろうけど、金があればあるだけがっちり握って、しぶちんになっていくのが人間の性。なかなかできることじゃありませんよ、5000万ぽーんと出すなんて。で、世界一お金持ちの国の大統領は100万円を寄付したそうで......。いや、こーゆーのは額の問題じゃありませんよ、要は気持ちですから!気持ち!


それにしても思うのが、デヴィ夫人のこと。
数年前のバリ島でのテロ事件の時も思ったけど、彼女の第二の祖国・インドネシアがなんらかの危機に瀕したときに、彼女がインドネシアについてなにか積極的に発言し、行動したというニュースを私は聞いたことがない。


くっだらないバラエティ番組に「ご意見番」よろしくしゃしゃり出て、愚にもつかないことばかりしゃべっているけど、この未曾有の大災害に直面しているインドネシアのために、スカルノ元大統領の夫人であった彼女はなにかアクションを起こしているのだろうか? スカルノの威光の下で巨万の富を得て、世界各国に豪勢な住居を構え、きらびやかな衣装を身にまとって、しかもその贅沢さをひとに見せびらかすことで「デヴィ夫人」としてのブランドを確立したのも、贅沢三昧できるのも、すべてスカルノの、ひいては(彼に搾取されていた)インドネシアの人々のおかげじゃないのさ。こーゆー時にこそ積極的にマスコミに露出して第二の祖国救済のために奔走しなくちゃいけないんじゃないの? 


「あなたを『世界のデヴィ』にしてくれたインドネシアが大変な災害に見舞われています。あなたはインドネシアのためになにをするつもりですか? なにをしましたか?」


「ハワイでお正月を迎える芸能人」にマイクを向けて「ご家族と一緒ですか?」「ハワイではどなたとお会いになるんですか?」とか、どーでもいいことばかり根掘り葉掘り聞きたがる芸能レポーターたちもさ、肝心なときに肝心な人にマイクを向けないんだもん。私はデヴィの見解が聞きたいのよ。


それから、もうひとつ。
先週の「行列ができる相談所」で芸能活動を再開した島田紳助。彼の「お詫び会見」を私も見たけど、いったい誰に対する「お詫び」なのかさっぱりわからなかった。紳助がテレビに出ないことで「お詫び」されなきゃいけないほど迷惑を被った視聴者なんていないだろ、と。紳助がほんとうに許しを請わなければいけないのは彼に殴られた被害者の女性でしょう。彼女には発言の場所は与えられず、紳助だけが「お詫び会見」できるっていうのもヘンじゃない? 泣いて謝ればそれで免罪されるの? 


まあ、紳助のことはいい。吉本興業という巨大組織の論理にがんじがらめになって、彼もつらい部分があるだろう。こんなに早い復帰も、あるいは彼の本意ではなかったかもしれない。


私が不審に思うのは、「行列ができる法律相談所」に「相談員」として名を連ねている弁護士連中の態度である。これは紳助の一方的な傷害致傷、刑事事件である。しかも被害者との和解も成立しないうちに一方的な「お詫び会見」によって、きわめてあいまいな形で事件そのものがうやむやにされそうになっている。そういう理不尽な状況を目の当たりにして、事件の当事者が司会をしている番組に「弁護士」として出演していることになんら矛盾を感じていないんだろうか? 目に見えない圧力によって被害者の声がかき消される状況に彼等の職業倫理はなんの痛痒も感じず、相変わらず番組内でバカを言って呵々大笑できるものなのだろうか? 高視聴率番組に出演して、弁護士としての知名度があがれば、タレント活動ができればそれでOKなのだろうか?


彼等が出演しているのはただのバラエティ番組ではない。「行列のできる法律相談所」である。自分の仕事に対するポリシーを発揮できる格好の事例じゃないだろうか。事件についてなんのコメントもしないなんて、ヘンだよ。


特に「法律の母」「女性の味方」をキャッチフレーズにし、内閣府男女共同参画会議のメンバーもつとめているという住田裕子弁護士。今回の事件に対する、彼女の見解をぜひ聞きたい。どうして誰も聞かないの??