最悪の編集

テレビ朝日「シュリ」の放送があったので、中盤、イ・バンヒの正体が明かされる当たりから観ていた。この映画は私が韓国映画にハマり始めたきっかけのハン・ソッキュ出世作で、私も公開当時に胸をときめかせて観たものだ。あまり好きなタイプの話ではないけれど、とても思い入れがある映画なのだ。しかし、このテレビ版「シュリ」、そのあまりにも無神経な編集に呆れ果てた。怒り心頭・怒髪天である。


ストーリーの流れを全く無視してブチブチとCMで中断。肝心なシーンは前後のつながりを考えずに即カット。アフレコは俳優に完全に負けているし、なにより驚いたのが、あの美しい済州島でのラストシーンが丸ごとカットされてしまったこと。どうやらテレビ版「シュリ」は、ハン・ソッキュが恋人からのセーターをシミジミ見つめるシーンで終わり、ということになってしまったらしい。


エンドロールもエンディング曲もまったくないまま、ノー天気な次週予告が入り、いくらなんでもこれはありえないだろ〜!と信じられない思いで見続けていたら、次の番組の「世界の車窓から」が始まり、ほんとうにこれで終わってしまったんだとわかった。 


いやあ、これはもはや編集とかカットの域を超えて改竄だ。テレビ版の制作に関わった人間は、「シュリ」という映画に、まったく、なんの思い入れもなかったんだろうなあ。でなければ、あんなに無神経な編集ができるはずがない。監督が観ていたら絶対怒るよ。ひどい。ひどすぎる。観なければよかった。