アーキグラム展

久しぶりの水戸芸術館で、アーキグラム展を鑑賞。
オットに誘われるまま、なーんの予備知識もなく見に行ったわけなんだけど、これがえらいおもしろかった。米ソの宇宙開発戦争華やかなりし時代、科学は万能と思えた時代、アカルイミライに建築はどうあるべきか? どんなことができるのか? と集まった気鋭の建築家たちの、ちょっとイっちゃった作品群(実際に竣工された建築物はないけど)。


街に四本の足が生えていて自由に移動でき、必要とあらば他の「四本足都市」と結合してどんどん大きくなれる昆虫都市とか、移動サーカスならぬ移動都市とか、モンテカルロの海岸に壮大な地下都市を造るとか*1、かなり誇大妄想気味な「夢のプロジェクト」の草案のあれこれ。


若き建築家たちは、これらの作品にいったい何を託していたのだろう。人類が初めて月に降り立った歴史的な瞬間を目の当たりにして、「すげえ、すげえ、未来はワンダフル! こんなこともあんなことも、なんでもできちゃうぞ!」とワクワク感いっぱいの、少年のような好奇心と想像力の産物なのか、それともこれから訪れるであろう消費社会の爛熟・腐敗を予見した、皮肉に満ちたパロディなのか。


いずれにせよ、専門知識と夢とお遊び感覚、アナーキズムが渾然一体となった、濃厚な作品ばかりだった。教養めいた知識は何一つ持ち合わせていない私だけど、作品群が発していた異様な高揚感はすごく伝わったし、なによりビジュアル的にすごくかっこよかったZE!

「現代音楽を楽しもう」

アーキグラム展の前に、やはり水戸芸術館コンサートホールでサックス奏者・須川展也による「現代音楽を楽しもう」コンサート。......うーん、「楽しむ」には少々きつかったっす。現代美術はまだしも、現代音楽になじむのは難しい。超絶技巧を駆使して数々の難曲を華麗に演奏しまくる須川氏を目の前にしながらも、迫り来る睡魔に、「これもアートよ、教養よ!」と必死に自分を鼓舞してなんとかついていった。やっぱ、音楽は歌える方がいい。一度聴いたら覚えられて、口ずさめる方がいいなあ。

*1:これはかなり現実的に話が動いたららしい