インド人の好きなモノ

週末は、一時帰国していたワシントンDC在住の友人・じゅんちゃんがインド人のダンナ連れで泊まりがけで遊びに来ていた。


夜の8時につくばに到着して翌朝の7時には成田に向かうという、ごくごく短い滞在だったけど、
夜遅くまでアメリカの最近のワイドショーネタや、スミソニアンで働いているじゅんちゃんの職場の話を聞いたりして、楽しく過ごした。


彼女の話には「イタリア人の同僚が」「ベトナム人の友人が」「コリアンの知人が」と多種多様の人種・国籍の人々が登場する。DCやNYで暮らしている人にとってはごく当たり前の日常なんだろうけど、そういう話題を聞いているだけでも、自分がすごくインターナショナルな人間になったようで気分がよかった。


英語半分、日本語半分で会話が進むうち*1に、自分がとても流暢に英語が話せるかのような錯覚に陥り、相づちが「a〜ha」「wow!」「oh! really?」等々、小粋なイングリッシュ混じりになっていく私。「〜っぽく」しゃべるのってけっこう得意なのよね。大阪行った時はイントネーションが関西になるし、広島に行くと「そうなんよ、じゃけんね〜」とかすぐ伝染するし。ただし、一人前なのは相づちだけで、じゅんちゃんがダンナと交わしている英語の会話は、正直ほとんど聞き取れなかった。私っておしゃべり好きだし、雰囲気に飲まれやすいし、物まねも上手だから、日常会話くらいすぐマスターできそうなんだけどなあ。どうしていつまでもいつまでも初心者レベルなんでしょう?←根気と努力が足りないからです。


インド人のダンナ、Mr.バラーは、自他共に認める食いしん坊。「今回の旅は、おいしいモノがたくさん食べられてとても楽しかった! 今までの人生で最高の旅だった!」といたく感激の様子。
「日本の食べ物は気に入った?」
「とてもグレートだったよ! 何を食べてもうまい!」
「今回の旅行で一番おいしかった食べ物はなんだった?」
「そうだなあ......肉まんかな?」
「肉まん? それは和食じゃないよ、中華だよ。アメリカにも肉まんは食べられるでしょ? 世界中どこに行っても中華料理店はあるんだし」
......と、訝っていたら、そばで聞いていたじゅんちゃんが
「違うのよ、彼が気に入ったのは、日本のコンビニで売っているあのコンビニ肉まんなのよ。ピザ味とかカレー味とか、たくさんバリエーションがあるじゃない? ああやってアレンジされた肉まんにハマっちゃったらしいのよね。ああいう肉まんはチャイナタウンにもないから」


なるほどね〜。オリジナルをアレンジするのは日本人得意だもんな。


「そのほかに気に入った食べ物は?」
「そうだなあ、伊豆の温泉旅館の朝食に出た魚の料理かな?」


魚の料理?
じゅんちゃんが言うには、そこで出た食事は温泉卵があって、海苔があって、みそ汁があって〜という、典型的な旅館ご飯だったそうだが、そのお膳に載っていた鰯の目刺しがMr.バラーはいたくお気に召したようで、頭から尻尾までバリバリ食べていたそうだ。


オランダ人の友人・ダニエルがもっとも気に入った和食は「TAKOYAKI」と「OKONOMIYAKI」だったし、Mr.バラーが気に入ったのは「コンビニ肉まん」と「目刺し」。
外国人に紹介する和食っつったら寿司とか天ぷらが定番だけど、彼らのツボは実は私たちが全然予想していない箇所に潜んでいるのかもしれない。


日本の食べ物はなんでもおいしかったというMr.バラーだったが、たったひとつだけ、「これはアメリカの方がうまかった」と言っていた食べ物があった。それは、ドーナッツ。ミスタードーナツフレンチクルーラーハニーディップも、アメリカの巨大ドーナッツチェーン、クリスピー・クリーム・ドーナッツにはかなわないらしい。今度アメリカに行ったらぜひ食べてみよう。


ちなみに、その夜、私がじゅんちゃん&Mr.バラーのために作った料理は

  • スキレットで蒸して作った豚バラ肉の雲白肉(ウンパイロー)
  • 大根と干し貝柱・桜エビのスープ
  • パプリカとシーフード、トマトのマリネ
  • パエリヤ
  • レアチーズケーキ
  • カスタードプリン

という支離滅裂なメニュー。話題も食卓もインターナショナルだった。

*1:じゅんちゃんがインド人のダンナと話す時は英語、私たちにダンナが言ったことを通訳するときは日本語