王妃の立候補

ホリエモン自民党の「刺客」として立候補――なんてニュースを聞いて、うわ、ありきたりの展開過ぎてじんましんが出そう......とか思っていたんだけど、このサイトでもなんどか話題にした*1料理研究家界のマリー・アントワネット藤野真紀子さんが立候補というニュースにはさすがにびっくらこいた。まままま、まじっすか?


藤野さんのダンナは前回の参院選で自民公認で立候補するも、次点で落選。しばらくたってから、同じ選挙区の議員が汚職かなんかでつかまって、繰り上げで議席を確保した。「からくも当選」というヤツだ。選挙戦の時も、マダム・真紀子の知名度をフルに活用しまくっていたし、マダムも自身のHPで盛んに宣伝していたので、ダンナの当選は半分くらいマダムの力だろう。


ダンナ以上に人気があるマダムなら、いっそマダムを立候補させちゃえ! という流れになるのは納得できなくもないけど、まさか彼女が受けるとは思わなかった。マダムと政治......全然似合ってないよ! 私、言ったじゃない。料理研究家はしがない主婦に夢を与える仕事なのよ、って。政治の世界なんて、超ドロドロじゃんよ。しかも今回みたいな立候補の流れは、もう全然エレガンスじゃないっす。


マダムはさ、いつもきれえ〜なカッコしてもらって、美しいお部屋で、美しい食器に囲まれて、これまた美しく甘く豪華なお菓子を作っている、そのお姿が好きなのに! なんでいまさら、あんなナマグササの極地みたいな国会に乗り出すんだろう。しかも、今回の扱いって知名度一発、まるっきりタレント候補じゃん。なんか、超がっかり......


料理研究家は政治家になるな、とか、ナンにも知らないシロートのくせに出しゃばるな、とか、そんなことを思っているわけではないけど、おそらくは、なんの下地も準備もないままで、あわてて担ぎ出されて、そのまま当選したとしても、それで満足な議員活動が出来るとは思えないし、彼女のもっとも素晴らしい才能であるところの料理研究家の仕事も沙汰やみになってしまうのではないかと思うと、いかにも残念だ。


料理の世界から政治の世界に打って出るなら、小林カツ代さんなんか最適だと思っていたんだけど。彼女は、地味ながら、阪神大震災で飼い主を亡くした動物たちを保護する活動や、アフガニスタンの復興と女性や子どもの自立を支援する活動を熱心に続けているし、あまり知られていないが、「九条の会」の賛同人に名前を連ねていたりもする。現在脚光を浴びている料理研究家のなかでは、一番ポリシーを持って発言している人だ。多少のドロドロやうさんくささもはねのけてしまう肝っ玉の太さも感じる。彼女なら立候補しても、全然驚かないんだけど。やっぱ、活動がサヨク的だとダメなのかしら。せっかく覚悟を決めて立候補しても、支持母体が弱小だったら落っこちゃうもんなあ......


その点、マダム藤野は、これはもう絶対当選するように周りがぜーんぶお膳立てしてくれるし、なんといってもコイズミが後ろ盾についてるんだもね。さすが王妃。負け戦はしないわよ。ああ〜、がっかりだ〜。