昭和は遠くなりにけり

やっとこさつくばエクスプレスに初乗車して上京。いや〜、早いね、快速なんか、新幹線みたいに早い。耳がつーんとするもん。車窓の風景が延々と田園ばかりなのも新幹線みたい。つくば〜北千住〜渋谷と乗り継いだんだけど、渋谷までドアtoドアで1時間半だった。これまで使っていた高速バスは、上りに2時間以上かかっていたので、すくなくとも1時間は時間の短縮になる。地下鉄に接続しているというのもうれしい。乗り心地は非常に快適。窓が大きく、走りはなめらか。ただ、車内広告に萌えのイラスト使ったヲタ系が多かったのがちと気になる。「秋葉原電気街新生オープン! コスプレ喫茶もできるよ!」なんてポスター貼ってあるんだもん。まあ、アキバ直結だからね。もうすでに「おたくエクスプレス」なんて陰口叩いてる人もいるらしい(笑)。


渋谷で見てきたのは
リンダリンダリンダ」と「ヒトラー最期の12日間」の2本。すごい組み合わせだな、しかし。


リンダリンダリンダ」は、「スゥイング・ガールズ」的青春スポコメディかなーと予想していたんだけど、えらくあっさりと、淡々としていて、拍子抜けするくらい。主人公達はそれぞれに屈託を抱えていて、「スゥイング・ガールズ」みたいにあっけらかんとしたノリではなく、頭のシンまで熱くなっていない感じでなかなかビターな味わい。しかし、その分、高校時代のどうしようもない閉塞感、倦怠感が伝わってきて、非モテ系で、退屈な高校生活を送っていた私などはかなり共感してしまった。そうよねー、青春て、退屈で、うじうじしてるものよねー。


文化祭でのステージに向けて練習している場面で、1人の少女が
「きっと、こういうのって、忘れないよね。ステージに立ったときは、きっと夢中で、あっという間に過ぎちゃって、きっと忘れちゃう。でも、こうやって、みんなで集まって練習していることとか、こうやってしゃべっていることとかは、ずっといつまでも覚えているんだろうね」
というセリフがあったのが面白かった。ふつう、こういうコトって、オトナになってから言うコトじゃないだろうか。青春のまっただ中にいながら、すでに「青春時代を回顧している私」を俯瞰して見ている。どっかで「青春」を演じているという意識があるのかも。そうよね、そうそう完全燃焼できないわよね。あのとき完全燃焼できなかった、完全燃焼したかった、という悔いが、ホントの青春の思い出なのかもしれない。


あと、ちょっとショックだったのが、物語の初盤、ステージで演奏する曲を選んでいる場面。
プリンセス・プリンセス、ボウイ、ユニコーンジッタリンジン......知らないなあ......」
というセリフ。このラインナップ、ワタクシ世代なんか、ひっじょーにツボなんですけど、そうですか、知りませんか。そうか、へたすりゃまだ生まれてないもんな。ああ、昭和は遠くなりにけり。


韓国人留学生のボーカル役でぺ・ドゥナが出ていたけど、この子、もう24歳なのに、高校生の役にすんなりとけ込んでいた。制服似合いすぎ。天性の「少女」だ。ドゥナちゃん、大好き♪