NHKスペシャル「アシュケナージ 自由へのコンサート 〜独裁者と芸術家たち〜 」

今年9月、世界的なピアニスト・指揮者であるウラディーミル・アシュケナージ氏(67歳)が、NHK交響楽団音楽監督に就任する。番組は、芸術家アシュケナージが訴える芸術家にとっての「自由」を、スターリン独裁政権下の様々な音楽家・映画監督・詩人の人生に触れながら、彼自身の演奏によって綴る音楽ドキュメンタリー。
 アシュケナージは、スターリンの時代、旧ソビエトゴーリキー市に生まれ、幼少の頃からピアニストとして才能を発揮、チャイコフスキー・コンクールで優勝した。以後、彼の人生は、ソビエト国家に奉仕することが期待された。演奏活動の自由を求めて、彼は1963年、国外に出ることを決意し、イギリスに移民申請した。以後26年間、祖国に戻ることはなかった。アシュケナージは、昨年スターリン没後50年を機に、1年かけて、世界各国で「独裁者と芸術家たち」というテーマのもと、政治的圧力の下で、ある時は屈伏し、ある時は弾圧を受けながらも芸術を守った人々の作品を演奏・指揮した。そのツアーの最後を締めくくったのは、祖国モスクワの地だった・・・。
 番組では、アシュケナージの語りと演奏により、詩人・マンデリシュターム、アンナ・アフマートワ、映画監督・エイゼンシュテイン、作曲家・ショスタコーヴィチらの作品を紹介、面従腹背で作った芸術と彼らが精魂を傾けて作った作品の相違を浮き彫りにしながら、全体主義社会の下で芸術が守ろうとした「自由」の意味を伝えてゆく。


先日id:tokori:20040904の「ロシアアバンギャルド絵本展」とシンクロして、「自由な芸術」、「芸術と国家」ということについて、とても考えさせられた。アシュケナージという人は気骨のある芸術家だなあと尊敬。もうちょっときちんと感想を書きたい。再放送は9月15日(水)午前0:40〜1:32。