朝の号泣タイム

八月のクリスマス [DVD]

八月のクリスマス [DVD]


朝起きてテレビをつけたら、CSで「八月のクリスマス」が始まって5分くらいのところだった。朝ご飯の準備しなきゃなあとか、洗濯機回さなきゃとか、てゆーか、今観なくていいじゃん、私、DVD持ってるんだし......とか思いながらも、ついつい最後まで観てしまい、朝っぱらからぼろぼろ泣いて鼻水が止まらなくなってしまった。

主人公が後に遺される父親のためにビデオデッキの操作を教えるところ、友人たちが集まって記念写真を撮るところ、女の子が飲み屋のトイレの鏡を怒ったように見つめて涙を流すところ、そして、最後、自分で自分の記念写真を撮るところ......一つ一つのシーンが優しくて、静かで、切なくて、美しい。どこで切り取ってもキラキラしている。

この映画、もう十回以上は観ているけど、初めて観たときの感動がちっとも色あせない。私が韓国という国と韓国映画にハマったきっかけになった映画で、いままで観た韓国映画の中で、いや、いままでに観た映画の中でも最高に好きな作品だ。

いつだったか、オットにみせて「すっごくよかったから! 傑作だから!」と感動を分かち合おうとしたら、「退屈。この半分の長さでいいよ」と切って捨てられて、マジ切れしそうになったことがある。そーよね! おめーなんかのがさつな神経じゃ、この映画の良さはわかんないわよね!

この映画以降、けっこうな数の韓国映画を観たけれど、ホ・ジノ監督というのは韓国映画の中でも異色なんだなあと思うようになった。号泣したり、絶叫したり、派手なアクションシーンがあったり、「歴史の痛み」や甘いラブロマンスや、イ・ジョンジェ様のセクシーなボディ(笑)もいいけれど、やっぱり私は、「八月のクリスマス」の世界が一番好きだ。

ただ一つ、この映画の欠点をあげるとするならば、最後の最後、エンドロールのところで、いきなりハン・ソッキュが朗々と歌うあまったるーーーーいラブソングが流れるところ。あれはかなり興ざめである。いらんっちゅーねん!

あと、「アジョッシ」と「オッパ」の字幕の訳ね。「アジョッシ(おじさん)」「オッパ(お兄さん)」って訳されているけど、この呼び方じゃ、韓国特有の呼称だとわからない観客は混乱するんじゃないだろうか。私も最初観たときは「へ? この主人公って、妹何人いるの?」って思ったもん。


最近知ったんだけど、この映画、山崎まさよし主演で日本でリメイクされるらしい。ちょっと、かなり、ものすごおおく不安なんですけど......この映画は私の宝物なんだから、変な風にいじくり回さないで欲しいわ。