ご開帳

ところで、うちのオットは8年くらい前にいきなりジャズに目覚め、CDを買い集めて聴くだけでは飽きたらず、「オレは牛久のコルトレーンになるんだ!」 と息巻いて、ヒトコトの相談もなしに新品のサックスを買ってきたことがあったんである。最初のうちはたいした熱中ぶりで、食事の時以外はマウスピースをくわえて「音を出す練習」をしたり、「初めてのサックス」という教練ビデオを熱心に見たりしていたけど、いつまでたっても「ドレミファソラシド」も出せず、いつの間にかマウスピースもくわえなくなり、練習の時間が少なくなり、そのうちサックスはケースにしまいっぱなしになっていった。

たまに意地悪して「コルトレーンくん、最近調子はどうだい?」と聞くと、「うるさいなあ!」と、マジで機嫌が悪くなるので、サックスのことはオットの黒歴史として封印し、なるべく話題にしないようにしていたのである。

昨日、「スウィングガールズ」観ながら、そういえば、オットのあのサックス、どうしたかなあ......と思っていたら、今日、バイトから帰ると、くだんのサックスが8年ぶりにご開帳され、オットが布で手入れをしていた。そして、
「7時からヤマハの教室行ってくるから」とケースを抱えて出かけていった。スウィングガールズ観てサックス熱再燃である。なんて短絡的なヤツ。

教室から帰ってきたオットに「どうだったのよ、コルトレーンくん?」と聞いたら、先生に「サックスを始めようと思ったきっかけは?」と聞かれたそうで、「いやあ、まさか『昨日スウィングガールズ観たもんで』なんて言えないじゃん? 汗かいたよ」とのこと。なんで言えないんだよ〜見栄っ張りだな。なら私が言ってあげよう。


みなさーん、私のオットは「スウィングガールズ」観てサックスを始めようとしている超お調子者ですよ〜。笑っちゃいますね〜


久しぶりにサックスにふれたオット、「やっぱ、ちゃんとした先生に教わらないと才能は開花しないね。今日一日でずいぶん上達したよ。よーし、来年はノバホールで発表会だ!」と浮かれまくっている。ちなみに本日の成果は「ソラシド」の音が出せるようになったことらしい。がんがれ、つくばのコルトレーン