「更新」される災害

オットから聞いた話。

オットの仕事で関わりのある徳島県の企業が先日の台風23号で大きな被害を受けたので、些少なりとも力になれれば、と郵便局で義援金振り込みの手続きに行ってきた。

窓口で振り込み用紙を記入し、入金しようとしたところ、職員が「手数料70円になります」と言う。
「あの、この義援金の場合は手数料はかからないはずですが」と申し出ると、
「あ、それは新潟地震の場合ですよね?」
と言う。
「いえ、郵便貯金のHPで調べました。台風23号義援金にも手数料はかからないはずです」
「あ、そうなんですか? ちょっと待っててください。いま確認しますから」
と窓口の職員は奥に引っ込み、同僚・上司たちと「台風23号義援金ってまだやってるの?」
「手数料はどうなってんの?」と首っ引きでああだこうだ検討しはじめ、オットは10分以上待たされた。

最終的には「すみませんでした。お客様のおっしゃるとおり、台風の方もまだ手数料はいりませんから」
ということになって、無事振り込みをすませることができたとのこと。

オットは帰ってきてから、
「今はどのテレビ見ても地震報道ばっかりでさ、もう台風のことなんて誰も思い出しもしないけど、
考えてみたら、まだ一ヶ月もたっていないんだよね、あの台風から。あの時もたくさんの人が死んだし、被災したんだよ。郵便貯金のHPみて初めて知ったんだけど、阪神淡路大震災義援金の受付もまだ継続中だったんだ*1。僕らにとってはテレビや新聞で報道されることだけが事実で、あとのことはもうなかったことのように忘れてしまうけど、台風も地震も、当事者にとってはまだまだ全然過去の事じゃないんだよなあ」
感慨深げにつぶやいていた。

昨日は台風、今日は地震イラクの人質、野球選手と女子アナの結婚、お笑い芸人の暴行事件、etc......etc......

次から次へと押し寄せる情報の渦に乗り遅れまいと必死にしがみついて、泣いたり怒ったり、さかしげに論評めいたこと言ったりして、それでなにかをわかったような気になって悦に入っているけど、実はなんにもわかっていない私。結局は「気分」なのか。