最後の訴え

イラクの日本人青年拘束事件は最悪の結果を迎えてしまった。
錯綜する情報に振り回されたご家族には致命的なダメージになってしまっただろう。謹んでお悔やみ申し上げたい。
と、同時に、彼を無惨に殺害したテロリストの残忍で卑劣な犯行に激しい怒りを感じる。こんなことを繰り返していったいどうなるというのか。誰の共感も得られないまま孤立し、より先鋭的に、過激になって、自滅するだけではないか。

この青年が殺された事件を、単に「軽率だったから」とこの青年の個人的な責任にのみ帰する人もいるだろうけど、ほんとうにそうだろうか?

なるほど、彼は軽率で無知だった。あなたは賢くて慎重だから、無法地帯のイラクに無計画に入国するようなミスは犯さないだろう。

しかし、彼は単に「無鉄砲な旅行者」という理由だけで殺されたのだろうか? 彼が殺されたのは「日本人」だったからなのではないのか?

彼と私たちが等しく背負っている「日本人」という記号が、いまイラクでどのような意味を持っているのか、もう一度考え直すべきなのでは? 

id:hinakiukさん経由で知った、9月にテロリストに拘束され、殺害された英国人人質の最後の訴え。ぜひ読んで欲しい。

http://d.hatena.ne.jp/hinakiuk/20040923#p1

彼の言葉は英国だけではなく、「同盟国」である日本の私たちにも向けられているはずだ。