自転車で5分

男友達から電話。4月1日付けで仙台に転勤になるという。え〜〜〜っ! マジ? 
「そうなんだよ。急な話でさ。今、引っ越しの手続きとか、新居探し、仕事の引き継ぎでバタバタしていてなにがなんだかわかんないよ」


ううう、ほんとにカイシャって怖いところだわ。彼はつくば在住10年になる。長年慣れ親しんできた街、友人、仕事、すべてリセットして未知の街へ行け、それも来月から! という有無を言わさぬ命令。10年という月日の重み、せっかく根っこをおろした土地の重みというものを全く無視している。そんなに簡単に頭切り替えられないってば! 将棋の駒じゃないんだからね! 別れを惜しむ時間くらいちょうだいよ。


私たちがつくばのマンションに引っ越してからは、彼とは自転車5分のご近所づきあいだった。きんぴらたくさん作ったからお裾分け、出張でおみやげ買ってきたから届けに行くね、等々、なんだかんだと行き来していた。


そうそう頻繁に会って遊んでいるわけじゃなかったけど、すぐ近くに友達が住んでいる、会おうと思えばいつでも会える距離に彼がいる、というほんわかとした安心感は常にあった。この距離が失われてしまうのはとても寂しい。


今夜は、彼を囲んでのプチ送別会。彼は、いままでベランダで育てていたハーブの鉢植えを私たちに譲ってくれるという。


ありがとう。大事に育てるからね。新しい街での幸運を祈っています。