相談にのるということ

誰かの相談にのるということは、その誰かの話を黙って聴いてやるということだ。さもなくば、「どう思う?」と訊ねられて、「さあ、わからない」と答えることだ。気が利いた言葉の一つも投げかけてやろうと思った刹那、僕はもう当事者ではなくただの傍観者に成り下がってしまう。

「れんらくちょう」3/10更新分

胸にずきんと来る言葉。私も、「どう思う?」と訊かれると、賢しげに、「心のこもった」「親身な」「温かい」「適切なアドバイス」を言おうと、あれこれ言葉を探してしまう。その時点で、目の前の相手はすうーーっと消えていき、「親身になって相談に乗ってあげる、優しい私」を演出しているだけの、ただの野次馬になってしまう。


「さあ、わからない」という言葉が、訊ねた相手に冷たく響かないように、静かに、誠実に話を聞いてあげよう。そして、ずっと味方でいてあげよう。