高い酒

「中西議員「一生酒は飲まない」
http://www.sponichi.co.jp/society/kiji/2005/03/12/05.html


憲政史上始まって以来の、現職国会議員の現行犯逮捕。しかも、罪状はあろうことか「強制わいせつ罪」。


たいして酒は強くなかったのに、許容範囲以上の酒量で気持ちが大きくなっていた上に、もともとスケベなオヤヂだったのだろう。いままで表沙汰になっていないだけで、内輪の酒宴ではセクハラまがいのおふざけは日常茶飯事だったんだろうなあ。最初に釈明した「客引きの女性だと思った」という発言にも、客引きだったら、いきなり抱きついて乳揉んでもいいのかよ! それって女性差別・職業差別じゃないか! とつっこまれ、さらに墓穴を掘っていた。


もちろん、中西議員のしたことは、国会議員として、というより一社会人としてあってはならない恥ずべき行為だとは思うけど、顔面蒼白、目はうつろ、茫然自失を絵に描いたように憔悴しきった昨夜の記者会見の様子を見ていたら、なんともいたたまれない気持ちになってしまった。


確かに彼の行為は赦されるべき事ではない。議員辞職は当然だ。しかし、今回の事件で彼が失ったもの、これから支払わなければならない代償は、あまりにも大きい。議員としてはもちろんのこと、彼の今後の人生もある意味ここで断ち切られたようなもんだろう。


前日までは「センセイ、センセイ」とちやほやされ、お付きの者がついてまわり、地域のリーダー、若手ホープとして華やかな議員人生を邁進してきた彼。周囲の人々もさんざん持ち上げてきたことだろう。


これから、彼の周りには誰もいなくなるだろう。いままで築き上げてきた実績、名声、富が一瞬にして失われる。しかも、これから長い間「エロ議員」と後ろ指さされる屈辱に甘んじなければならない。


昨夜の会見で取材陣から
「これからも酒は続けますか」
「政界復帰はあるのか」
などの質問を受けて、
「もう酒は一生飲みません」
「いまは今後の進路について考えられるような状況じゃないです」
と苦しげに答える様子をみていると、ヒトゴトながら、この人、首でもつるんじゃないかと心配になるくらいだった。


酒は飲んでも飲まれるな、とはいうものの、いやいや、べらぼうに高い酒になってしまったなあ。悪いことしているヤツは他にもたーーーくさんいるだろうに、よりによって現行犯逮捕。笑うに笑えない。あまりにも大きな代償である。被害者の女性も災難だったが、議員の妻子も実に気の毒だ。


しかしなあ、彼が所属する自民党には、あのエロ拓という先輩もいる。彼も復帰を狙っているらしいし、中西議員も反省しているのも最初のうちだけ、案外しれっと立候補したりして。