配偶者と同業者

森進一・森昌子夫妻が離婚秒読み。


C型肝炎で入院という大変な時期に、離婚騒ぎか。60を目前にして、大病、さらに離婚じゃ、そうとうダメージ大きいだろうなあ。気の毒だ。逆に言えば、森昌子の「別れたい」という意志は、夫の病状回復を待てないほど深刻だということだろう。


前妻の大原麗子*1とは対照的に「良妻賢母型」に見えた森昌子。たまに芸能ニュースなどで見かける分には、自分は控えめに、ダンナを立てて......という典型的な内助の功タイプだと思っていた。現役の歌手だった頃から、言動も控えめでルックスも地味。物静かでどこか薄幸そうな顔立ちからは、夫に反抗したり、家庭を捨てて仕事に生きる、といったような押しの強さは感じられなかっただけに、今回の離婚はかなり意外。


マスコミ各社にあてたファックスの中で

「(ジョイントコンサートの)ステージ活動の中で、極度の緊張から体調を壊してしまったこともありました。おそらく、その頃から、もののとらえ方、感じ方、考え方の違いが大きくなり、お互いの信頼関係が薄れてしまったのだろうと思います」

とあったのが印象的だった。


長い間、穏やかな結婚生活を送っていた夫婦が、同業者として同じ舞台に立つようになってから突然亀裂が入ってしまう。なんか、わかるような気がする。
家庭人としてはならなんの問題もなかったのに、いざビジネスパートナーとなると、家庭での顔とは全く違う仕事の顔が見えてくる。仕事の進め方、金銭感覚、スタッフや部下と接する時の態度、特に森進一・森昌子夫妻の場合は、それぞれプロの歌手として第一線を張ってきたキャリアがある。「これだけはゆずれない」「ここは妥協できない」というような、自分なりの仕事のスタイルがあるはずだ。家庭内でなら譲れたことも、プロとしては譲れないという場面もあっただろうし、家庭内の関係をビジネスの場に持ち込んで欲しくないという気持ちも当然あっただろう。


私とオットは結婚して8年、さほどベタベタ・ラブラブカップルというわけではないけど、不思議なことに結婚以来ケンカらしいケンカをほとんどしたことがない。超ザッパーな私とコマネズミのように几帳面なオット、正反対の性格の2人だけど、家庭内でのらりくらりと暮らしている分にはさほど深刻な亀裂は入らない。トラブルの元である嫁姑問題や子どもがいないというのも、ケンカにならない要因だろう。


ただ、私とオットがビジネスパートナーになったら、こうはいかないだろうなあいう予感はある。家庭内ではごまかせる性格の齟齬も、ビジネスの場ではそうはいかない。皿洗いの順番や家計簿の付け方、掃除の優先順位などのドメスティックな事柄ならば、「ま、いっか」「ったくもうしょうがないなあ」で済ませることはできても、第三者も多く関わってくるビジネスの場になると、「なんでそうなるの!」「いい加減にしろよ!」「私には私のやり方があるの!」などなど、お互いの欠点をを厳しく指摘しあい、ミスを責め、白黒はっきりさせなければならない場面が容易に想像できるのだ。私は、そんな重苦しい緊張感を夫婦間に持ち込むのはごめんである。夫婦でいるときくらい、そんな、ヘンに緊張したくないよ。「ビジネスも家庭も一緒で、より絆が深まりました」という場合ももちろんあるだろうけど、たいていの場合、トラブルのタネが増えるばかりでそうとうストレス溜まるんじゃないかなあ。


仕事上でケンカになった場合、単なるビジネスパートナーなら、いったん家に帰って距離を置いてクールダウンすることもできるけど、夫婦で一緒に仕事をしているとなると、クールダウンの隙間もなくなる。仕事でのトラブルがそのまま家庭のトラブルに直結するわけで、うまく歯車がかみ合えばいいけど、いったん関係がきしみ始めると、崩壊まではあっという間だろうなあという気がする。


私のオットは現在自宅で開業しているが、そのうち仕事が増えてスタッフが必要になる場合でも、一緒に組んで仕事をするのだけはやめておこうと固く心に誓う私である。私が誓うまでもなく、オットも絶対に私とは組まないと思うけど。


金銭的な面から見ると、夫婦がビジネスパートナーとして組むのは、これ以上安上がりなことはないんだけどね。丸儲けだしさ。桑田佳祐原由子夫妻とか、山下達郎竹内まりや夫妻とか、おいしいよなあ。あとユーミン夫妻とかさ。


なにはともあれ、森進一・森昌子夫妻の今後から目が離せない私である。しかし、和田アキ子はどこにでも首をつっこむなあ。いったいナニサマ?? マジ、uzeeeeeeeee!!

*1:ちなみに私のオットは、森進一と大原麗子が元夫婦だったということを今日初めて知った