英会話、瀕死のひとこと

昨日の夕方のことなんですけどね。チャリに乗って夕食の買い物に出かけたですよ。
買い物済ませて、外出たら小雨がぱらついてましたよ。おお、久しぶりのお湿りだ、これで少しは涼しくなるわねえ、と思いながら、本降りにならないうちにと急いでチャリをこぎ出しました。


スーパーから我が家まではつくば名物・ペデストリアンデッキで一直線。ノンストップで5分ほど。この遊歩道、いつもは快適そのものなんだけど、今日は雨で路面が濡れていんです。そして、路面のタイルの溝にチャリのタイヤが挟まって......


ガッシャーーーン!!


とものすごい音がして、地面にたたきつけられた私。いや〜〜〜、私、1.5秒ほど、宙に舞いました。まるでチャップリンの映画のように見事にこけましたよ。骨盤と左腕を強打、一瞬めまいがして、起きあがれなくなりました。


道行く人がナニゴトかと集まってきてたちまち黒山の人だかり。近くのテナントビルを工事していたおっちゃんが、「こりゃあ、救急車だなあ」と言っているのが微かに聞こえました。いや、確かにすごく痛いけど、救急車ってほどではないと思われ......意識あるし......。


すると、だれかが私の手を取って
「オー、ワタシハ、ドクターノスチューデント、ハートビート、チェックネ」と言いながら、脈を取っているようです。首の下にセカンドバッグを置いて気道を確保(?)しています。薄目を明けてみると、ひげを生やしたインド人風の青年。多分筑波大の留学生。


私「オーケーオーケー、アイムオーライ、ノープロブレム」
留学生「ノーノーノー ユーマスト ゴートゥー ホスピタル」
私「ノーーー! アイムオーケー ボーン イズ ノーマル」(骨は折れていないと言いたかった)
留学生「ウェアーイズ ユア ホーム? エニバディ ゼア?」
私「ジャスト ニヤバイ フロムヒヤー、アイム コーリング マイハズバン、ヒー ウィル カム スーン」(と言いながらケータイでオットを呼び出す)


オットが事故現場にたどり着くまでの数分間、そのインド人医学生、けがの度合いや、気分は悪いかとか、この道は滑って非常に危険だとか、いろいろ話しかけます。多分、私が1人で心細くならないように気を遣っているのでしょう。


ところが、なまじ英語で返答したため、英語OKと思ったらしく、会話は英語オンリーに。
私はあちこち強打した痛みに耐えながら、極貧のボキャブラリーで英文を構築するのがかなりつらい。えーと、えーと、腰が痛いって英語でなんて言うんだっけ? 「ウエストエック」でいいのかな? 「血の気が引いていないから骨折の心配はないと思う」ってどう言うの? 血の気? ブラッドフィーリング? ひっかき傷ってどう言うの? スクラッチ
 

見知らぬ外国人医学生の親切を心底ありがたく思いながら、思わぬシチューエーションで自分の英会話能力のなさを痛感し、ケガの痛みとは違う、別の冷や汗が出たのでした。英語、ダメー!


転んだ直後は痛みのあまり息もできないほどでしたが、派手にすっころんだわりに、たいしたダメージはなかったようで、骨盤と左腕に青あざと擦り傷が出来た程度。オットが到着する頃にはなんとか立ち上がって歩けるようになりました。


「サンキュー ユアカインドネス アンド ヘルプネス アイムオーライ、ノープロブレム エブリシングオーケー」
オットが到着するまで私に傘を差し掛けながら待っていてくれた彼にお礼を言うと
彼は
「私ノ家、ココカラ10分、異常アッタラ、カモナマイハウス、処置シマース」
というようなことを言ってくれました(英語で)。ほんとにサンキューです。ユーはベリー親切。


しかしまあ、いろんな意味で疲れましたよ。
ここが家の近所だったからよかったけど、ほんの数分間の会話だけでこんなにしどろもどろなんだもん、言葉の通じない外国で事故や気がに巻き込まれたらほんと困るだろうなあ。ヘタすりゃ命に関わるぞ。今度海外に行くときは、せめてTOEICで600点取ってからにしよう。せめて最低限の自己防衛英語くらいは身につけておかなければ、「つくばのマーサ・スチュアート」の名が廃るわ!*1


しかし、いまはこうやってのんきに日記書いたりしているけど、こういうケガってちょっと時間が経ったくらいに深刻な症状が出たりするのよね。自分では気づいてなかったけど、実は打ち所が悪くて、今夜寝ている間にぽっくり逝っちゃうかも? そうすると、今書いてるこの文章が「とこりの絶筆」になるわけか。葬式で読まれたりするわけか。それはまずいな、せめてもう少し格調高くまとめておこう。とりあえず、辞世の句でも先取りして。


花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき 
それにつけても 金の欲しさよ

いや〜、この下の句は、上に何を持ってきてもピタッとはまるね! スバラシイ!
というわけで、みなさん、生きていたらまた会いましょう。

*1:言ってみただけよ〜。id:kababaさん、つっこまないように