北の宿のショパン

のだめ以来、にわかクラシック熱が高まりっぱなしの我が家。最近はNHK教育で放送されている「スーパーピアノレッスン」にハマっていて、毎週録画して見ている。


私の耳はいつまでたってもちっとも肥えなくて(肥えるのは体重ばっかりだ)、指揮者の良し悪し、演奏家の優劣なんてどんなにCDを聞き比べても全然区別つかないのだけど、この番組のように、プロの演奏家が楽譜のひとつひとつを丁寧に解読しながら指導していく様を見ていると、「なるほど、音楽ってこういう風に作っていくのか」「解釈とはこういうことか」等々、いろいろと目から鱗が落ちる思いがする。文学部の学生だった頃「解釈と鑑賞」という雑誌をよく使ったけど、ひとつの作品に対する「解釈」「鑑賞」そして「「表現」ということについて、久しぶりに思いを巡らせたりしている今日この頃。


......なんて、しかつめらしく考えているのもつかの間、先週のレッスンの課題はショパンのピアノ協奏曲の第1楽章だったのだけど、一緒に見ていたオットが、


「この曲のピアノパートの出だしって、都はるみじゃない?」


と言い出した。そ、そういえば......。私も聴いている間中、ずっと「どっかで聴いたことのあるメロディだなあ」と思っていたのだけど、あれだよ、「北の宿から」だよ。
♪あなた変わりはないですか〜ひごと寒さがつのります〜 の、あの部分だよ。


そうやっていったん思いこむと、ショパンのどこを切り取っても都はるみ節がこだましてしまってもうダメ。ピアノの詩人のショパン、切ない悲恋のショパン、革命の遠き憧れショパン、そんな物憂いイメージが一気に場末の赤提灯である。オンナゴコロのみーれんーでーしょおー、である。


あまりに気になったので「ショパン ピアノ協奏曲 北の宿から 似」でググったら(そんなしょーもないことググんなよ......)、作曲の小林亜星は、このピアノ協奏曲にヒントを得て「北の国から」を作ったという説を発見。どーりで似てるはずだわ。小林亜星って、自作をパクったとして服部克久を訴えたりしてたくせに、恐れおおくもショパン様ををパクっていたとは......。*1


ちなみに、モーツァルトのオペラ「魔笛」の中のタミーノのアリア「なんと美しい絵姿」は、世界中のサヨクのテーマ曲「インターナショナル」にクリソツだと思うのですがいかがでしょう?

*1:MIDIで確認されたい方はこちら→http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/pianoconcerto1-1.mid