てのひらがえし

こないだからメディアはこぞってライブドアのニュースばかり。
この3日間で4200億円の損失だという。4200億円って。つい先週まで起業家の星、成功者のシンボル、時代の寵児として隆盛を極めていたホリエモン。たった数日でここまでダメージを受けるとは......。物心ついてから芸能人や政治家、財界人など、まあいろんな人間の栄枯盛衰を見てきたけど、ここまで極端なのは初めて見た。祇園精舎の鐘てぐわんぐわん鳴っているよ。成功ってなんだろね、名誉ってなんだろね、お金ってなんだろうね。


関連会社の副社長が自殺(?)したり、上場も廃止されるっぽいし、経団連入会は「ミスだった」とか言われてしまうし、この数日でこれでもかこれでもかと「てのひらがえし」の雨あられ。とくにフジサンケイグループはさぞかし溜飲を下げたことだろう。さっそく提携解消に動き出しているとのこと。


しかし......ほんと、嫌われていたのね、ホリエモン
やれセレブだ勝ち組だヒルズ族だなんて持ち上げておいて、いちどつまづくとみんな後ろ足で砂かけるようにして去っていく。去っていくばかりか安全地帯からの悪口雑言の数々。ワイドショーやニュースでは、「いかにして成り上がったか」「ホリエモン、こんなに悪いヤツだった!」「砂上の楼閣ライブドア」トーン一色だ。「たいした苦労もせずにあぶく銭つかみやがってこのヤロー」「ちょーし乗ってるんじゃねーよ」「いい気味だ」「ザマミロ!」という鬱屈した思いがここぞとばかりに噴出した感じ。ほんの一週間前には考えられなかった光景だ。


それにしてもねえ......。
私もホリエモンは大嫌いだけど、メディアや世論のあまりにも露骨なてのひらがえしには、なにかしら空恐ろしさを感じずにはいられない。見ていていたたまれなくなってくる。


なんか、最近の世の中って、称賛も嫌悪も、感動も悪意も、なにもかもが極端だ。怖い。