計画食卓

今夜の夕食の献立です。


おからの炒り煮には、おととい金目鯛の煮付けを作ったときに出た煮汁を再利用した。
最初に、テフロン加工のフライパンでおからをから煎りし、パラパラにしておく。千切りにしたニンジンと油揚げ、戻した干し椎茸を雪平鍋に入れて金目鯛の煮汁をひたひたに注ぎ、落としぶたをしてさっと煮る。その後煮汁ごと先ほどから煎りしたおからと合わせ、汁気がなくなるまで炒り煮する。仕上げにたっぷりのアサツキ。金目鯛のうま味がたっぷりしみこんで甘辛く煮上がったおからは白いご飯にむちゃくちゃ合う。おからは300gで80円。たっぷりできたので2,3日分の常備菜になる。


続いて豚汁。
豚コマを鍋で炒めて、出てきた脂で野菜を炒める。野菜が透き通ってきたら、椎茸の戻し汁を加えて蓋をして、野菜が柔らかくなるまで煮込み、メークイーンにようやく竹串が通るようになったくらいで味噌を溶き入れる。味がなじむまでとろ火でコトコト煮込む。この時、コチュジャンを大さじ1くらい入れると、ほのかにニンニクの香りとピリ辛風味がついてウマイ。仕上げに小口切りにした長ネギとごま油(これは頑張っていいものを使う)をたらーり。コチュジャンとごま油を入れることによってエスニック調な味わいになる。翌日以降は、すこし発酵が進んで酸っぱくなったくらいのキムチを足して半熟卵を落としてキムチチゲに。冷やご飯を入れてキムチクッパにしてもよし、うどんを入れてキムチうどんにしてもよし。


コールスローサラダ。
一個50円で買ってきたキャベツとニンジンをフードプロセッサーの千切りスライサーでががーっと千切りにして、小さじ1の塩(これはいいものを使う)でもみもみして重しをしておいておく。30分くらい経ったら水があがってくるので、かるく絞って、千切りにしたハムと混ぜ、コールスロードレッシング(今回は市販品)で和える。塩もみして水切りした野菜は、時間が経っても水っぽくなることがないので、多めに作って2,3日持たせることもできる。今回は無精してフードプロセッサーを使ったので、思い切ってキャベツ一個分、ニンジン1本分を千切りにしてボウル一杯のコールスローサラダができあがった。サンドイッチの具にしたり、おつけもの代わりの箸休めにもいい。薄く銀杏切りにしたリンゴを加えてもおいしい。


以上、長々と調理過程を書いたけど、結局、今日の夕食って、決して豪華じゃないし、「アイディア料理」でもない、かなり地味目のお総菜ばかりである。でも「今日はアタマ使って料理しつくしたぜ!」という達成感のある食卓だったのだ。煮魚の煮汁を再利用しておからを炒り煮にしたり、しいたけの戻し汁で出汁をとって豚汁を作ったり、間に合わせの材料ではあるけれど、どれも無駄なくきちんと料理したし、しかも、翌日の朝ご飯、昼ご飯までつながりを持たせることができた。段取りもよかったし、お金もかかっていないし、今日の私はちょっとエライかも。


豪華な材料を使って手のかかった「ごちそう」を作るのも楽しいけど、手元にある材料をフル活用して「使い回しのきくおかず」をパパッと作ることができると、「ふふっ、私もだてに主婦やってないわね」という自信がつく。和洋中、多種多様なレパートリーを誇るよりも、おから、きんぴら、おひたし、切り干し大根、というような、どうってことない料理をきちんとおいしくできる方がうれしい。


急にこんなコトを書きたくなったのは、最近愛読している「ミソジノジスイ」の影響なのかも。確固とした哲学と合理性に満ち溢れた、シンプルで上質な食生活。実に身が引き締まる思いです。尊敬しちゃう。とは言え、私も厨房に立って10数年。そこそこベテランよ。ミソジさんには負けられない。明日もアタマ使ってがんばろ。