大風呂敷な夜

昨日はオットの34回目の誕生日でした。
2年前の誕生日はうっかりど忘れして、「今日は何にも作りたくない気分なんだよね。ファミレスでちゃっちゃとすまそうよ」と提案してしまった大チョンボをして以来、ゆめゆめ忘れることのないように、手帳とケータイとPCのカレンダーにしっかり記録してあったので、今年も無事にこの日を迎えることができました。


プレゼントはなににしようかと一ヶ月くらい前からオットの言動を細かくチェックして、これだ!とあたりをつけた商品をネットで注文し、ちょうど誕生日の当日に届くように手配しました。さらに誕生日ですから、当然ちょっとオサレなレストランでうっとりディナータイムよね♪ と、近所のフレンチレストランのコースを2名分予約。まさに至れり尽くせり。なんてけなげなツマなんでしょう。私が男なら私と結婚したい。


で、誕生日当日。バイトから帰ってくると、注文しておいたプレゼントがちょうど配達された直後でした。「はっぴばすで〜!じゃじゃじゃーん!」ともったいぶって渡すと、「やった!これ、ほしかったんだよ〜。ありがとう!」
と、とても喜んでくれました。そりゃあもう、何日も前から準備していたもの。よしよしもっと喜べ、もっと感謝しろ。


「それだけじゃないのよ。バースデーディナーを予約してあるの。おフレンチよ。さ、お風呂入ってめかし込んででかけましょ」とオットをせき立て、私は先月ジャスコで買ったスペシャルマックスおしゃれワンピース、オットは普段着より1.5ランクくらいアップしたシャツとスラックスに着替えて、ぱりっとした格好で二人で車に乗り込みました。


週の中日だったせいか、予約しておいたレストランはほぼ私たちの貸し切り状態。キャンドル揺らめく店内には静かにジャズが流れ、アーバン〜な雰囲気で夫婦水入らずのアニバーサリーを祝福しています。一瞬ここは代官山ですか?と錯覚してしまいそうになるくらい……いや、それはさすがに無理か。錯覚するとしても柏くらいか。それはともかく、前菜、一口パスタ、肉or魚のメイン、デザートの盛り合わせ、簡単な内容のメニューながらも、盛り付けは美しく、ボリュームはたっぷり。ちょっと奮発してお高いおワインなんぞも飲んじゃったりして(私だけ。オットは運転手だから水)、いやあ極楽極楽、セブンイレブンいい気分♪とすっかりご満悦で食後のコーヒーを飲み終えました。


「今日はごちそうになっちゃっていいの?」
「あーら、もちろんよ。お誕生日じゃない。それに私もバイト始めたしね。ここはどーんとお任せなさいね、おほほ」
とにっこり笑って、伝票を持って、レジへ。
「おいしかったわ、ごちそうさま。おいくらかしら?」
と、その店のマダムに挨拶しつつ、金額を確かめ、おしゃれバックからおしゃれ財布を取り出します。







財布忘れた……






一気に現実に引き戻されます。あわてふためいて、レジの前でこれがハンカチでしょー、これがケータイでしょー、これが手帳でしょ、と次々に手荷物を積み上げて確認しましたが、頼みの綱の財布はどこにもありません。
「お代はまた次回で結構ですよ」とマダムは気の毒そうに言ってくれたのですが、
「いいや、そういうわけには!!」と血相変えてオットのところに行き、
「いま有り金いくらある?」と所持金全部出させ、さらに車の中にあった高速料金用の小銭もひっつかんで持っていって、ギリギリ請求金額に足りました。はあ、汗かいた。


家に帰って、オットから「思い出深い誕生日をありがとう。今夜のディナーは一生忘れないよ」とシミジミ礼を言われました。これで来年の誕生日までしつこくいびられるんだろうなあ。うううう一生の不覚。みなさん、ここぞという晩のディナーの前には所持品のチェックをすることをおすすめしますよ。


http://www.rakuten.co.jp/furoshikiya/413027/561453/
↑ちなみに今年私がオットにプレゼントしたうちの一つがこの商品。「大風呂敷を広げてはいけません」という神のお告げだったのか。