ポジティブワールドへようこそ!

こんなことを書くとのろけと思われるかもしれないけれど、私のオットはエライ。何がエライって、日々の生活や目先の欲望に流されず、常に向上心を持って生活を律し、目標に向かってたゆまぬ努力を続けるところがエライ。あまり器用なタイプではないので、その努力がかなり遠回りをしているようだけど、緊張感をもったそのライフスタイルは、だらしな人間の私から見ればまるで修行僧のように見えます。結婚以来10年間、一つ屋根の下に暮らしていながらどうしてこうもライフスタイルが違うのかといまだに不思議でたまりません。


オットの一日は、まず朝起きたらゴミ拾い兼散歩から始まります。その後、朝刊チェック(テレビ欄は見ない)、朝食の準備が整うまではDVDを使ったオーディオ講座で某資格取得の勉強。電車の中でもぼーっとしてたり居眠りしてたりということはほとんどなく、「行きの電車で講座のテキスト○ページまですすめる、帰りの電車で文書作成」とノルマを決めて着実にこなす。夕食を食べ終わった後、テレビを見ながらダラダラ過ごすということもなく、仕事や勉強、そして趣味のアルトサックスの練習と、常になにかこちょこちょと作業や仕事をしています。


朝起きたらまずPCを立ち上げてアンテナやmixiをチェックしてメール読んだり書いたり日記読んだり書いたり、ネットに飽きたらテレビ見て、本も雑誌も常に拾い読み、とばし読み。新聞はテレビ欄と三面記事しか読まなくて、バイトと炊事洗濯以外は「やらなきゃいけないこと」仕事を極力作らないようにして、ひたすらのほほんと過ごしている私と比べてこの差はいったい何?


聞けば、オットは昔から「計画をたてる」のが大好きで、小学生の頃、夏休みになるともらう「一日のけいかくひょう」という円グラフを嬉々としてして作成し、「らじおたいそう」「ごはん」「しゅくだい」「あそび」「いえのてつだい」などなど、15分、30分ごとに細かく項目分けして実践していたそうです。大人になってからは計画魔に拍車がかかり、たとえば、新しい本を買うと、最初に総ページ数を確認して「一日40ページずつ読めば2週間で読み終わる」と計画をたて、その通りに読み進んだりするのです。「退屈なので途中でやめた」とか「おもしろくて夢中になってしまい夜更かしして一気に読んだ」などいうイレギュラーなことはしないのです。


オット曰く「世間の人々がよく『暇つぶし』という言葉の意味がわからない。だって、つぶさなきゃならない暇な時間なんてないから」だそうである。
うへえ、まいりました。



そんな風に明確なビジョンを持って日々精進しているオットからすると、私のようにただひたすらのんべんだらりんと過ごしている人間が不思議でしょうがないらしい。こないだ、「とこり、これ、読んでごらん。おもしろいよ」と一冊の本を渡されました。


3週間続ければ一生が変わる―あなたを変える101の英知
ロビン・シャーマ著/3週間続ければ一生が変わる

ワタクシ、この手の本を読むのは初めてです。なんかさー、「これであなたも成功する!」とか「なりたい自分になれる方法!」とか「あなたを変える黄金のルール」とかいうタイトルを見るだけで鼻息荒くてやたら目をキラキラさせてて、前向きでポジティブでアグレッシブで、どうにもこうにも暑苦しいじゃないですか〜。私のようにやる気と根気をお母さんのおなかの中においてきた私にとってはそのキラキラ具合、暑苦しさがどうにもこうにも気恥ずかしいのよね〜。


しかし、オットに言わせると自己啓発本の世界は玉石混淆でくだらないモノも多いけど、なかには「なるほど!」と思わせるモノもあって、自分に気合いを入れたり新しいことを始めるきっかけにするにはちょうどいいんだそうです。


で、読みましたよ。人生を変えるためのポジティブ本を。著者のロビン・シャーマという人は「リーダーシップ、エリート・パフォーマンス、自己発見に関する世界最高の権威の一人」なんだそうで、ジャック・ウェルチクリントン元大統領、なんかにも教えをたれたりしているポジティブシンキング界の大スターらしいです。
ジャックさんはこの本の中でこんなことを言っています。

私はなんどとなく見ていますが、活躍している成績優秀な男女は財布にしまった小さなゴールカードを持ち歩いていて、一日のくつろげる時間になるとそれを取り出し、おさらいしています。カードには、大切な人生のゴールがいくつか書いてあり、いつまでにそれを達成するかも書かれています。個人的なものであれ、スピリチュアルなものであれ、最優先事項を再確認するという訓練は、賢明な方法です。

へ? ゴールカード? ゴールドカードじゃなくて?
「大切な人生のゴール」を書くのか。それを持ち歩いて折に触れて眺めてイメージトレーニングするのか。それで人生が変わるのか。よし、私もやってみよう! 私の目下の目標は......うーん、いまんとこ、「あと5㎏やせる」「親知らずを抜く」くらいしか思いつかないなあ。

自分の環境を、よく、しっかり見てください。あなたの考えることは、あなたがつきあう人々、読む本、話すことば、日々の物質的環境によって形づくられます。
 あなたは職場でネガティブな人々と時間を過ごしていますか? だとしたら彼らはやがてあなたをネガティブで皮肉な人間にしてしまうでしょう。
 あなたは家で暴力的なテレビ番組やくだらないビデオを見ていますか? だとしたらあなたの心は落ち着きをなくし、ざわついたものになってしまうでしょう。 
 あなたの職場は、明るくて、カラフルで、インスピレーションを与えてくれますか? これから何週間か、あなたの職場環境と住環境を向上させる対策を講じてください。考え方、感じ方、振る舞い方が改善されたことが、すぐにわかるでしょう。

すみません、くだらないテレビ番組、見てます。お友達は私と同じようにネガティブで皮肉屋が多いです。職場は暗くて暑くて狭いレストランの厨房です。特にインスピレーションは与えられません。友達変えて職場を変えなきゃいけないのか!

で、このポジティブ本は、人生を変えるためのポジティブ施策のひとつとして「理想の隣人リスト」を作ることを提唱している。

私が自己認識の探求とともにやってきたことのひとつに、となりに住んでもらいたい人たちのリスト作り、というのがあります。過去と現在の人々で、たまにたずねていっしょにお茶を飲んだり、笑いあったりしたいものだと思っています。「理想の隣人」のリストを作ることによって、あなたはもっとも尊敬する人々の価値や人柄の多くとつながりができるでしょう。そうなれば、あなたは人間としての自分自身についてさらに多くのことを発見できます。
 私のリストに載っている何人かをあげておきましょう。

  1. ノーマン・ヴィンセント・ピール......「積極的考え方の力―ポジティブ思考が人生を変える」の著者
  2. ヘンリー・デイヴィッド・ソロー......アメリカの偉大な哲学者で、私のお気に入りの一冊、「森の生活」の著者
  3. ビリー・ホリデイ......偉大なジャズシンガー
  4. ネルソン・マンデラ......自由の戦士
  5. マザー・テレサ......尊敬を集めている人道主義

いや、リストを作るのは勝手だけど、果たしてマンデラマザー・テレサが、そう簡単に「一緒にお茶を飲んだり笑いあったり」してくれるかどうかはビミョーだと思うけど......。しかし、ビリー・ホリデイマザー・テレサとご近所づきあいできる界隈というのもなんだかシュール。しかし、常に向上心をもって自己を律して前向きに生きていく人々は、私のようにくだらないつっこみをいれたりしないんだろうなあ。


というわけで、私も「理想の隣人リスト」をつくってみました。こーゆー隣人に囲まれていたら、私のだらけきった生活もきっとキラキラでポジティブでワンダフルなものに劇的に変化するに違いないわ!


「とこりの理想の隣人リスト」

  1. 上沼恵美子......日本の著名な女性司会者。歯に衣着せぬ物言いとゲストの絶妙なトークが魅力。ぜひとも一緒にお茶を飲みながら「芸能界裏話」を聞いてみたい。ダイエットリバウンド後についても語り合いたい。
  2. 田村淳......ロンドンブーツ1号2号というお笑いコンビの一人。ケータイやメールを駆使したえげつないドッキリをしかけることで有名。ぜひとも一緒にお茶を飲みながら人を陥れるメール術の奥義を伝授してもらいたい。
  3. デーブ・スペクター......日本のワイドショーなどで活躍するタレント。ぜひとも一緒にお茶を飲みながら各番組で披露するイニシャル・トークを暴露してもらいたい。
  4. 渡辺みどり......いつも奇妙な帽子をかぶってテレビに出てくる皇室ジャーナリスト。ぜひとも一緒にお茶を飲みながら、やんごとなき方々のお噂などを語りあいたい。
  5. 渡辺淳一......「失楽園」「愛の流刑地」などのヒット作で知られる日本の作家。ぜひとも一緒にお茶を飲みながら(お茶じゃなくてワインかも)その恋愛観について語り合いたい。ついでに私をモデルにして小説一本書いてもらいたい。お茶に呼んだら川島なお美もついてきそうなのがちょっとイヤかも。


なんか、ますますダメ人間になるような悪寒......