ケータイ艱難辛苦

ついに！　とうとう！　いよいよ！　長年お世話になってきたウィルコムに別れを告げ、auの携帯電話を買った私たちなのでした。

あれ？　しばらくウィルコムでいくって、ここに書いてあったじゃない？と怪訝に思われる方もいるでしょうね。「マンションでは携帯電話の電波は入らないよ」と言ったり、登山中の連絡手段の確保のためにアマチュア無線の免許をとったり、いろいろ抵抗していたオットが、最近夢中になって読んでいるこの本で、

ドキュメント 道迷い遭難

山中での連絡手段や現在地把握がいかに重要か、装備や準備を怠ったためにいかに悲惨な目にあったかという事例を山のように目にして、ガクブル状態だったのに加え、たまたま目にしたこの機種が、アウトドア・登山向きということでいきなりオットのハートをわしづかみ。「やっぱ、ケータイ便利だよね。PHSは山ではほんとに使いもんにならないからな。それに比べてこのケータイいいよね。電子コンパスついているしスタンドアロンGPSだし防水だし、山ではきっと役に立つだろうな。やっぱケータイ必須だよな。よし、ケータイにしよう！」という流れになったのでした。え？　こんなにあっさりと？　いや、うれしいけどさ。なんのためにアマチュア無線の免許を取ったんだろうか......。ま、いいや。

というわけで、ここ2週間は、あちこちのケータイショップでカタログをたくさんもらってきて、キャリアや機種や料金プランを検討していたのですが、いーやー、ワタクシ、こんなに頭を使ったのは大学受験以来、というくらい悩みに悩み、考えに考えましたよ。
なんですか、この複雑怪奇な料金プランの数々。家族割とか誰でも割とかシンプルプランとかフルサポートプラントかダブル定額とかダブル定額ライトとかワイドサポートとか、この割引とこのサービスは併用できるとかできないとか、サービスはこのプランに入っていただくことが条件とか、料金プランラインナップを読めば読むほど「むきーーーーーーー」ってなります。
だれだって「一番安い料金で少しでも長い時間通信ができるお得なプラン」を求めているはずなのに、ケータイの世界はそんな単純ではないのです。数学の「順列・組み合わせ」みたいに、この割引とこのサービス、使う時間帯は夜か昼か、主な通話相手は家族か友達か、固定電話へはかけるのか、ネットはどの程度使用するのか、あらゆる条件に応じて幾通りにも変化するプランの数々。つ、ついていけません。で、結局一番安いのはどれなのよ？　......と、ショップのお姉さんに聞いてみても、お姉さんもすべてのプランを完璧に把握しているわけではないようで、なんとなく頼りない受け答え。そうよね、日々刻々と移り変わるケータイ業界、新しい機種やプランが次から次へと現れては消えるんだもの、ショップの人もついていけないよね〜。

世界に数あるワインの産地や品種、味や値段などに精通し、客のニーズに合わせて最高のワインを提示するワインソムリエという資格がありますが、今のニッポンにほんとうに必要とされているのは、ユーザーの使用状況や年齢、経済状況に応じて、最適なプランをさっさかさーと提示していくれる「ケータイソムリエ」ではなかろうか。とにかくこの2週間、寝ても覚めてもケータイとケータイプランのことばかり考えていて、ただでさえひどい肩こりがますますひどくなり、目の奥は痛むし偏頭痛はおきるし寝不足だし、カラダはボロボロです。あまりにもめんどくさいので、「もういいよ！　いままでのウィルコムで！」と口走りそうになりましたよ。

料金プランだけではなく、機種選びも難航しました。一日に20回くらい価格ドットコムにアクセスして、リサーチしまくった結果、私が選んだ機種はこれ。今年の春モデルですが、人気が高く、つくば市内のすべてのauショップに電話して在庫を確認してもどこもとっくに売り切れ状態。オークションでもプレミア価格で取引されているような状態だったのであきらめていたのですが、たまたまバイト先のお使いで出かけた土浦のスーパーの中のちっちゃな混合ショップに奇跡的に1台残っていました。

オットは「山で便利そうだから」という理由だけでこれ。ユーザーズレビューとか読むと、かなりビミョーな感じだけど、もともとオットは待ち受け専門、メールやネットはパソコン中心なので、電話機としての機能はあまり求めていないんだそうです。いいのかしらね。

で、めでたく、先日auで契約をすませて、手元にはきらりーんと輝くケータイが。今までのPHSに比べたら100倍くらいのハイスペックだけど、使用している人間のスペックがロースペックなので、初期設定が大変で死にそうです。いつでもどこでも分厚い取扱説明書を持ち歩いて必死にお勉強。ケータイを買うまでは機種やプランで悩み、買ってからは初期設定で悩み、かれこれ一週間くらい慢性的な寝不足です。ウィルコムの頃は平和だったなあ......うううアタマが痛い......。

旧PHSと新ケータイ　どっちもチカチカの原色です。だって、なくしたときに見つけやすいでしょ？