あしあとコワイ

前回書いた「34歳小太り女性」の記事が、はてなでたくさんブックマークされてび〜っくり。やっぱ一番ホットな話題だからねえ。サイト開設10年近くになりますが、今回史上最高アクセスを更新しました。普段弱小でこそこそやってるんで、こんなにたくさんのアクセスがあるとどうにもこうにも居心地悪くて平常心じゃいられなかったわ。たかだか5000くらいのアクセスですらこんなに空恐ろしいのに一日万単位のアクセスがあるアルファブロガーとかどんだけ〜。


で、コメント欄やブクマコメントを読んでて思ったのが、みなさんこの事件に対する興味関心よりも、「もし自分が何らかの事件に巻き込まれて、ネットでの自分がが晒されることになったらヤバイよ!」という潜在的な不安を持っているんだなあということ。なんらかのきっかけで世間に「人物評価」をされるようなことになったら、ネットにはいくらでもツールが転がっているんだもんね。


たとえば、なにかセンセーショナルな事件が起きたとして、もし自分が当事者(被害者でも加害者でも)になった場合、ちょっと前なら「人となり」を説明するツールっていうのは、卒業文集や卒業アルバムの写真、職場・学校・近所の人の評判くらいだったのが、今じゃブログの記事やコメント、ネットショッピング履歴、オークション履歴、公開フォトアルバムの画像、mixiだったら参加しているコミュニティの数・ジャンル、交友関係、CDやDVDのネットレンタル履歴・レビュー履歴、最近はtwitterの登場で1日1日の行動記録や所在地まで逐一記録されています。ネットで自分の「履歴書」を日々更新してるみたいなもんです。どれもこれも全部自分の意志で開示している情報だからあとでほじくり返されても文句は言えないわよね。


もちろんみんなそれなりに用心してるだろうから、容易に個人特定ができないような工夫はしているだろうけど、ちょっとネットに詳しい人がその気になって検索すれば、あっという間に本人バレしちゃうだろうし「へっへっへ〜。これから超凶悪犯罪やっちゃうもんね〜」と画策しているヤツならいざ知らず、たいていの人は善男善女だから無邪気に自己開示してますよね。てゆうか、自己開示したくてネットやってるようなもんだから。もちろん私もそう。


ネットにぺたぺたつけた足跡をあとからほじくり返されても「ヒトサマに知られて困るようなことはなにもないから平気だよ」と言える人がどれだけいるんだろう。私だって、不特定多数の人に向けたブログなどでは反社会的なことはしていないつもりけど、Amazon楽天での買い物履歴なんか調べられたら買っているのは料理関係ばっかりだし、ヤフオクの履歴を調べられたらクソの役にも立たなかったダイエットグッズが山のように掘り返されて、「自分の容姿にコンプレックスを持っていた割に食への欲求は捨てられない人格障害者」という評価が成り立つし、趣味の作品やコレクションを写真で公開すれば「○○に異様に執着」「異常な自己顕示欲」、ほんのちょっとのストレス発散のつもりで書いた家族や職場に対するグチが「実生活への大きな不満」に置き換えることだってできるし、ちょっと強い口調で世相にいちゃもんつけてみれば、さっきのダイエットグッズの買い物履歴と合体して「容姿のコンプレックスが社会に対する憎悪へ転換」になっちゃうかも。買い物履歴やDVDや読書のレビュー、SNSのコミュニティから伺える興味関心の方向性だって、深読みしようと思えばいくらだってその中から「異常性」をすくい取ることはできるわけでしょ? 叩くつもりで探せばいくらでもネタは転がっています。ちょっとのスキやアラで「こんなヤツ、○○して(されて)当然」になるのなんてあっという間。


便利だし、実生活よりずっと簡単にコミュニケーションがとれる。ネットの登場で生活は格段に楽しくなったけど、ネット利用の割合が多くなればなるほど、自分という人間が「いつでも誰からも検索可能なデータ」になっているんだなあということを実感した次第。


というわけで、みなさん、気をつけましょう!......ってなにを? どうやって?