当世入院事情

95歳になる義父、現在は家から車で5分ほどの施設で暮らしています。彼の心臓にはペースメーカーが入っているので、点検のため半年に一度隣接する病院に検査入院することになっているのですが、この入院手続きがいろいろと納得いかないことばかりで、毎回毎回ドハツテンツキですよ、奥さん！！

まず、入院をするには一度施設を「退所」するという格好にしなければならないので、退所手続きの書類を何枚も書かされます。その時点までの施設使用料も支払います（十万円ちょっと）。それから、隣接する病院に行って入院手続き。書類を何枚も書かされます。ペースメーカーの点検自体は5分くらいで終わるので、義父が入所している施設で直接検査してくれるか、「一時外出」扱いで外来診察してくれれば簡単なのに、どうしても一度「退所」→「入院」という手続きを踏まなければできないんだって。意味わかんね。

もっと意味わかんないのが保証金。前の日の午後に手続きして翌日の午前中は退院なので、実質入院期間は半日なのに、入院費とは別に「入院保証金」金五万円也と「入院費用の連帯保証人の署名捺印書類」を提出しなければならないんですよ。カード不可。必ず現金。署名捺印する連帯保証人は「茨城県内に在住の近親者」でお願いしますと言われます。うちの親戚は県内にはいません。すぐに署名捺印してくれる近親者は沖縄に住む私の両親になりますが、「沖縄では遠すぎてちょっと......」と難色を示されました。なんですか？私たちが入院費用を踏み倒した場合、沖縄まで取り立てに行くのはめんどくさいんですか？

だって、入院つっても明日は退院なんだよ？　保証金5万も現金で払ってるんだから踏み倒しようがないでしょうが。「どうしても保証人の署名捺印は必要なんですか？」と訊いたら、「それでは、保証人を省略する代わりに保証金を倍額入金していただきます」と言う。金五万円也の倍額だから金十万円也。も・ち・ろ・ん現金で。当然ながら退院の際には返金してもらうお金だけど、たかだか半日の入院で十万円も担保とられるなんてほんと世知辛いというかなんというか。十万ってちょっとした大金よ。お金のあまりない若い人や一人暮らしのお年寄りや、急病や事故などで突然入院することになった人はどうやって保証人や保証金を工面するんだろう。五万十万、パッと払えて、即座に連帯保証人になってくれる人がそばにいないようじゃ、入院もできないってか。

で、そうやって高い金積んで半日入院して、検査が終わって退院したら、今度は退院手続きです。書類を何枚も書かされて、お金返してもらって、ようやく退院。

退院したらその足で隣接する施設に戻って、そこで改めて施設に再入所するための入所手続きです。書類を何枚も書かされて、「施設利用料の連帯保証人の署名捺印書類」を持ってこいと言われるのです。
また保証人？？？　むきーーーーーーーーーーっ！！！！
毎度毎度この作業が、ほんとうに馬鹿馬鹿しく腹立たしく、イライライライラします。こんなシステム間違ってる！　責任者、出てこーい！

で、明日から、そのひっっじょーーーーーにめんどくさく異様に金のかかる検査入院。イライラしながらあれこれ準備（準備するもののメインは現金なのですが）していたら、病院から電話がありました。

「大変申し訳ないんですが、現在大部屋の病室が全部ふさがっておりまして、個室での入院をお願いしたいと思います」
え〜〜？　
「個室だと1日7250円になりますがご了承ください」
ええ〜〜〜〜〜〜〜〜？？？　
「それから個室入院の場合、保証金の額が倍になりましてじゅうまんえんになりますので、あらかじめご用意ください」
えええ〜〜〜〜〜〜〜〜？？

頼みもしないのにそっち都合で勝手に個室に入れられて、保証金倍額取られて、しかも私たちの場合、連帯保証人省略でさらに倍額収めなきゃいけないから、合計にじゅうまんえん必要ってか？　半日の入院を保証するのににじゅうまんえん出さなきゃいけないんですか？

二十万円というお金、出せないわけじゃないです。ATMでおろせば出せますよ。義父の年金もあるし。でも、このシステムは絶対おかしい。間違ってる。病院も経営難で大変なのかもしれないけどさ。寒々しいことこの上ないですよ。遠回しに「金がないなら入れないよ」って言ってるみたいなもんでしょ。いつから病院ってそんなシビアな場所になったんですか？

こんな調子で、私たちが年取って働けなくなってから体悪くして入院することになったらどうなるんでしょうね。年金もらえるかどうかも怪しいのに。
なにはなくとも現金、それから手続きしてくれる人、費用を保証してくれる連帯保証人がそろっていないと病気しても入院すらできない。ああ、考えれば考えるほど暗い気持ちになるわ。とにかく、健康第一よ。「ピンピン、コロリ」が私の人生の最終目標！！

......切ないねえ。

※義父の入院に関しては↓こんな記事も書いています。
http://d.hatena.ne.jp/tokori/20070801