ペットボトルと猪苗代湖と怒りとサブスリー

ランニングを始めて10ヶ月。「月間100km以上走る!」という自分ノルマを厳格に守り、雨の日も風の日も気温36度の日も湿度70%の日も、倦まずたゆまずせっせと走ってきた私。満を持して挑んだ先週日曜日のレースでついに達成しましたよ!サブスリー(3時間切り)!! 

......ハーフマラソンだけどね。
22km弱の距離を2時間54分。惨憺たるタイムです。1km走るのに8分17秒もかかってるって正直どうなのよ。夏バテ気味で体調不調だったことに加えて、大会当日はすごく暑くて、運営がごたごたしていてロクに給水ステーションもなく、予想外の「心臓破りの坂」もあったりするけっこうなハードコースだった......いろんな要因が複合的に重なったんだと思うけど、それでも納得いきません。だって、どんどんタイム落ちてるんだもん。パフォーマンスが低下してるんだもん。


だって、私、ずーーーーっと頑張ってトレーニングしてきたんだよ?! 「流した汗は裏切らない」って言うからそれを信じてずーーーーっと頑張ってきたのに、こないだまで出来ていたことが出来なくなっているってどういうこと??上達するどころかどんどん運動能力が低下していくってどういうことよ?? 運動能力がへっぽこなのはわかってるけど、へっぽこはへっぽこなりに努力が報われないのは凹むわ〜。


でもまあ、オリンピックを目指しているわけじゃあるまいし、走り始めた当初は「メタボ解消」「心地よく汗をかきたい」というシンプルな動機だったわけだし、そういう意味ではゆっくりではありますが、目標は達成されています。なんといっても服のサイズがLからMになったからね! この私が「Mサイズ、ありますか?」と店員に聞く日が来るとは!!秋になれば、涼しくなれば、きっと調子も戻ってくるさ。そう信じて11月のつくばマラソンでフル完走に向けて頑張ろう!


――こんなにきつくて悔しい思いをしたのに「また頑張ろう!」って思えるなんてケナゲじゃないか私。ランニングがぐーだらこの上なかった私をここまで成長させてくれたのね。やっぱり走り始めてよかった。


ところで、一緒に参加したラン友・ketketさんも書いていますが、今回の「猪苗代湖畔ハーフマラソン大会」、第一回目の大会ということもあるのでしょうが、私のようなビギナーランナーでもはっきりわかるような不手際が目立ちました。開会式には自治体のおえらいさんは誰も来てないし、式次第はぐだぐだ、選手宣誓で「○○クン、○○さん、ご結婚おめでとう♪ これからは二人三脚で人生という長いレースを走ってください」なんていう思いっきり内輪のメッセージがあって参加者はポカーン。○○クン&○○さんって誰よ? ぐだぐだなまま開会式が終わったら5分も経たないうちに「さあ、スタートです!」なんて言うもんだから慌てましたよ。


レースが始まってからも、交通規制が全然されていなくてジェットスキーを積んだ大型車とすれ違いながら走らなきゃいけなかったり、5kmや10km部門では誘導ミスがあって2,3km余計に走らされたりしたのだとか。もちろん記録も取れず。致命的なのは給水ステーションに水が全然ないこと。かわりに黒糖まんじゅうとバナナがあったけど、水もないのにそんなの食べられないわよ〜。折り返しを過ぎたあたりから、暑さと水不足でへばっているランナーが続出。幸い私はボトルポーチにペットボトルを入れて走っていたのですが、70代くらいのおじいさんランナーがいかにも苦しそうにぜえぜえ近づいてきたので「一口いかがですか?」って分けてあげたら、「助かります! 全部飲んじゃっていいですか?」と言われ、「いや、全部飲まれるとちょっと困っちゃうんで少し残しといてください」なんてやりとりをしつつ、ゴールまでに3名くらいのランナーに臨時で給水してあげました。まあ、ひどいタイムでしか走れなかったけど、ささやかながら人助けは出来たってことでよしとしましょう。


やっとこさゴールして、ketketさんと合流して「なんかぐだぐだな大会だったよね」なんて話し合っていたのですが、コースの景観はまさに絶景で、雲ひとつない青空と猪苗代湖の水面に磐梯山の美しい稜線が映え、まるで絵のようでした。水が少ないという情報を聞いたのか、コース周辺の住民の方々が自分ちの庭からホースで給水してくれたし、ボランティアの女子高校生たちは暑い中必死に頑張っていたし、水が足りなくても運営がぐだぐだでも、それはそれとしていい想い出だよね〜なんて思っていたのですが、こちらで大会レポを読むと、そりゃあもうみなさんドハツテンツキのご様子。


そりゃあ、この日のレースでいい記録を出すために真面目に練習積んで、エントリー料・交通費・宿泊費を払って挑んだわけですから、抗議したくなるのはよくわかるのですが、その「怒りのレポート」が積み重なっていくスピードがハンパじゃなくて驚きます。私はこの大会以前に2回レースに参加して、2回ともとってもいい大会で満足だったのですが、「ステキな大会でした!サイコーです!」っていうレポートはそんなにあがってこないんですよね。


たとえば4月に沖縄で行われた「あやはし海中ロードレース」
そんなに有名な大会ではないけれど、沖縄県外からもたくさんのランナーが参加していて、規模としては今回の猪苗代のレースよりずっと大きい大会だったはずですが、レポート数はわずか5つ。5つとも好意的な評価ですが、運営側としては「反応薄いなあ」とちょっとがっかりしちゃうような数じゃないかしら?


それから、6月に行われた「嬬恋高原キャベツマラソン」
これはものすごくハードな坂道が続く厳しいコースでしたが、地元スタッフの熱意がヒシヒシと感じられる運営で、今思い出しても心が温まる素晴らしい大会でした。こちらの大会レポートは大会から2ヶ月経過した時点で68。


で、今回の「猪苗代湖畔ハーフマラソン大会」
大会からわずか2日しか経っておらず、しかも、参加者はあやはしや嬬恋よりはるかに少ないはずなのに、その数なんと81! 異様な量とスピードです。平均評価は40点台と前代未聞の最低水準。「よかったです!ありがとう!」と思ったときよりも「アッタマ来たぞ!ふざけんな!」と思ったときの方が表現のパワーが沸くんでしょうか? ネットってクレーム文化なのね。怖くなったわ。


主催者に対する怒り・批判の言葉が並ぶレポートの中で、心に残ったのがこの方の「怒り」のレポート

きちんと抗議をすることも大事だと思うけど、もう少し寛容になろうよ。みんな「楽しむ」ために走ってるんでしょ? お金を払って「楽しませてもらう」んじゃないでしょ? 猪苗代湖磐梯山、心地よい汗、それでいいじゃない。なんか、ここまで酷評されてると逆に情がわいてきた。私、来年も参加するぞ。主催者のみなさん、めげずに頑張れ!


......でも、熱中症で倒れる人が出なくてホントよかった。来年は最低給水だけはお願いします。そして、ランナーのみなさん、暑い時期のレースではペットボトル持って走りましょう。私はこれ使ってます。揺れなくて便利よ〜。


それにしてもこのサイト、ブログというよりレース出場記録帳みたいになってるな。いかんいかん、もっと書かなきゃ。