宇宙に通じる窓

悟りの窓

京都でのスケッチをもうちょっと。
写真は鷹峰山宝樹林源光庵の「悟りの窓」。円型に「禅と円通」を表す。悟りの窓の右側には四角い「迷いの窓」があり、これは人の生涯を象徴し、「生老病死」「四苦八苦」を表している。

紅葉が美しい源光庵は、貞和2年(1364)に臨済宗の寺として創建されたが、元禄7年(1694)に曹洞宗に改められた。本堂には釈迦牟尼仏と霊芝観音が安置されている。廊下の血天井伏見城の遺構で、戦死者の霊を供養している。堂内には「悟りの窓」と名づけられた丸窓と、「迷いの窓」と名づけられた角窓がある。どちらも大きな窓で、前者は禅と円通を、後者は生死病死と四苦八苦を表しているという。窓の向こうには美しい庭が広がり、楓が多い。こじんまりとした佇まいに禅刹らしい厳粛な気配が漂っている。

JR東海「そうだ、京都行こう」スポット情報より
http://kyoto.jr-central.co.jp/kyoto.nsf/spot/sp_genkouan

まご兄は昔からこの庵のこの窓がたいそう好きだったそうで、いつものエロギャグ炸裂のおちゃらけおじさんとは思えないほど哲学的な顔でこの窓に対峙し、長い間瞑想にふけっていた。

この「悟りの窓」は数年前のJR東海「そうだ、京都、行こう」のポスターにもなったらしく、入り口のところにはその時のポスターが貼ってあった。
そのポスターにあしらわれた写真は、紅葉が美しく切り取られた円い「悟りの窓」。その横に
「私は、宇宙を、
友人は、人生を、
考えていたのでした。

紅葉が教えてくれたのは季節だけではありませんでした」

というキャッチコピー。誰だか知らないけど、さすがプロのコピーライター、なかなかうまいこと言うわね。

で、私バージョンに変換すると
「まご兄は、宇宙を、
私は、この後、どこで何を食べようか
と、考えていたのでした。」

となる。
いつまでたっても雑念だらけの罪深いワタクシであります。いやでも、実に心休まる、すてきなお寺だった。この次ここを訪れるときは、この忌まわしい雑念・煩悩を振り払い、清々しい気持ちでこの窓に向かいたいものである。