マスヒロがいっぱい

バイト先のレストランで、「ご満足頂けたでしょうか?」というアンケートを始めた。

  • お店の雰囲気は―― とてもよい よい ふつう 悪い とても悪い
  • 料理の味は―― とてもよい よい ふつう 悪い とても悪い
  • 接客態度は―― とてもよい よい ふつう 悪い とても悪い
  • 値段は―― とてもよい よい ふつう 悪い とても悪い
  • その他、お気づきの点、ご意見・ご要望

てな感じね。
おかげさまで、これまでの集計結果によれば、お客様の満足度はかなり高いらしく、「とてもおいしかった。ごちそうさま」「今度は友達を連れてきます」「味も雰囲気も最高でした!」などの好意的な意見が大半。ありがたいことである。

今日、これまでに回収したアンケート用紙をファイリングしていたら、こんな回答があった。

  • お気づきの点、ご意見・ご要望

料理のquality(なぜかここだけ英語)も店の雰囲気も、つくばにしては上出来の方だと思います。

......ふーん、そりゃどうも。
いや、ありがたい評価なんだろうけど、なんか、素直に喜べなかった。
店で働いている私たちにしてみれば「つくばにしては上出来の店を作ろう」なんてつもりは全然ないんだけどなあ。まあ、バイトの私がああだこうだいう筋合いのコトじゃないことはわかっているんだけど。


学生の頃、グルメで有名だった先輩と創作和食の店に飲みに行って、酒にも肴にもうるさかったその先輩が、突き出しの白和えを一口食べて
「うん、これは上手だね」
と言ったのを聞いて
「はあ? あんたナニサマ?」
と、なぜか私がカチンと来たことを思い出した。なーにが「上手だね」だよ。あんた、これと同じもの作ったことあるんかい? あんたはこの白和えを作った料理人の先生かい?


最近は一億総評論家というか、ニッポン中至る所プチ山本益博だらけで、普段はスナック菓子とコーラを主食にしているようなハナタレ小僧ですら、いっちょまえに「あのラーメン屋は、オレ、認めるよ」などと「評論」かましてくれたりする。一日中厨房に立ちっぱなしで働いている料理人にしてみれば、「おめーに認めてもらわんくてもいいわ!」てな気分にもなるんじゃないだろうか。


かく言う私も人のことは言えない。この日記でもけっこう食べ物やレストランのこと書くけど、「つくばにしては上出来」と同じようなこと、けっこう言ってるしなあ。


そりゃあ、客の忌憚のない意見がいい店を作っていくんだし、きちんと金を払って食事をしている以上、店に対してああだこうだ言うのは客として当然の権利。店もそういう意見を求めている。しかし、店側にしてみれば「あんたに何がわかるんだよ!」と、片腹痛い意見というのもけっこうあるだろうな。


「評価」するのもけっこうだけど、評価するならするで、それなりの謙虚さがあらまほしいことよ......と自戒を込めて思ったのでした。作っているのも食べているのも、同じ人間なんだからね。