因果応報

おとそ気分も抜けて、世間はすっかり通常モード!......と、思っていたら公立学校はまだ冬休みなんだってね。なんだよ〜ずいぶん休むんだなあ。もっと勉強しろ、勉強を! 休んでばっかりいるから学力低下して世界の笑いモノになるんだぞ! なーんて、ヒマ主婦の私に言われたかないだろうけど。


冬休み中なので、バイト先のイタリアン・レストランにも親子連れの客が多い。今日1番テーブルに座ったのは、祖父母・両親・5歳くらいの女の子で来店した5人連れ。孫娘を中心にして目を細めたおじいちゃん・おばあちゃん、女の子が話すおしゃまなおしゃべりに一喜一憂、たびたびどっと華やかな笑い声がおこり、楽しそうに食事をしていた。


私がそのテーブルの担当をしていたんだけど、料理を出したり皿を下げに行ったりするたびに、話題の中心になっているその女の子が、じーーーっと私の顔を見ているのだ。1番テーブルを離れて別のテーブルを廻っているときも、視線で追っているのがわかる。頬にチクチク刺さる、5歳の少女の熱いまなざし。


あらまあワタクシの美貌ときたら、こんな幼い子の目を釘付けにするほどの粘着力があるのねっ。きっとあの子は「きれえなおねいちゃんだなあ。私もおおきくなったらあんなきれいなオトナの女になれるように頑張ろう」と固く誓っているに違いないわ。うふふ。と、かなり強気に解釈して、彼女の熱い視線に「よしよし、君のいいたいことはわかっているからね。あなたも早く成長して私みたいになりなさい」と優しく視線でメッセージを飛ばしておいた。


1番テーブルの家族の食事が終わり、おじいちゃんが伝票を持ってレジに進む。私はレジに入り、計算を済ませ、精一杯の愛想笑いで
「ありがとうございました♪」とあいさつすると、孫娘の手を引いたおばあちゃんが
「とってもおいしい料理でしたよ。ごちそうさま。それから、この子があなたになにかいいたいことがあるんですって」
と言う。
「あらら、なにかしら? 私にお話ってなあに?」
腰をかがめて、女の子に視線を合わせてにっこりほほえむ私。
女の子はもじもじしながら、
「あのね〜、だれかににてる〜」
と言う。
「え? 私、誰かに似てるの? わあ、誰に似てるのかな?」
と興味津々で身を乗り出して聞いてみると、急に恥ずかしがってなかなか答えない。
おじいちゃんもおばあちゃんもにこにこしながら、
「ほらほら、さっきからずーっと言ってたじゃない。ちゃんと教えてあげなさいよ」
「ね? このお姉ちゃん、誰かに似てるんだよね」
と女の子をせっつくと、彼女はようやく答えた。


「うんとねー、うーんと、谷亮子!!



ガ━━(゜Д゜;)━━━ン


ヤ   ワ   ラ   か   よ  !!


愛想笑いが凍り付くのがわかりましたね。
ポンキッキガチャピンに似てると言われたときよりショックでした。
ここここ、その他いろんな場所でさんざんネタにしてきた、あのヤワラ。巡り巡ってこんな場面で仕返しされるとは......。因果応報とはこのことか。


てゆうか! 
じぇんじぇん似てねーよ! どこ見てんだよ、このガキ! 


私に会ったことのある人、証言してください。私、ヤワラには似てませんよね?ね?ね?