うり、ずんずん

沖縄の弟が仕事の研修で上京してきたので、我が家で一泊。


5つ違いの弟は4年前に結婚し、現在は一児の父。その一人娘が私のたった一人の姪、実家の両親にとってはたった一人の孫である。実家とはいわゆる「スープの冷めない距離」に住んでいるため、弟の奥さんは、やれ法事だやれ会合だやれ選挙だ*1などのイベントにことあるごとにかり出され、毎度毎度かいがいしく「ヨメ」をしてくれている。初孫の顔を見せてやるわ、ヨメさんは働き者だわ、弟一家は実家の両親にはほんとうに頼もしい存在だろう。


ナイチャーと結婚して、実家の煩わしい行事の数々から「イチ抜けた」を決め込んでいる私は、日頃親孝行を弟一家に任せっきりにしているという負い目のような気持ちがあって、まったく頭が上がらない。というわけで、たまに上京してきたときくらいたっぷりもてなしてやろうじゃないか! と行きつけのイタリアンレストランで豪遊させてやり(と言っても、2880円のコースをおごっただけだけど)、奥さんにバッグをプレゼントし、姪っ子にお年玉を包んであげる。とこり姉ちゃん、大奮発である。


翌日、帰りの飛行機まで時間があったので近所のショッピングセンターに出かけて姪っ子へのおみやげを物色する。ブランド物のベビー服をあれこれ見ていて「ほら、これなんかしゃれてるじゃない?」「ほら、これ、すごく似合いそうよ」と弟に見せても、「あ、ダメダメ、フード付きの洋服は何かに引っかけて後ろにすっころんじゃう危険があるからタブー」「こんな風に裾の広がった長いズボンは裾を踏んづけたりなにかに挟んだりしてころんじゃうから危ないんだよね」など細かくダメ出しをされる。いーやー、子供服ひとつ選ぶのも視点が全然違うのね。いろいろ勉強になりました。


「姉ちゃん、子どもはかわいいよ。100%かわいい。笑っているときもかわいいけど眠っているときも怒っているときもかわいい。泣いてる顔がとくにかわいいから、泣き顔が見たくてわざと泣かしてりするんだよね」


こないだまで少年野球の決勝戦で負けて鼻水垂らしながらベソかいていたあの弟、お気に入りのタオルケットがないと絶対に寝付かなかったあの弟、もうすっかり親の顔である。私とは人生の重みが違う感じ。自分がちっとも成長していないような気がする。やっぱり、子どもがいる人生といない人生って、密度が違うんだろうなあ......とシミジミと感慨深かった。もうエラソーに姉ちゃんづらできないわ。


あ、そうそう、弟が今一番気に入っているという沖縄のローカルCM。
瓶仕込みの泡盛をぐるぐるかき回しながら、画面をにらみつけるうちな〜らしく濃い〜顔のオヤヂたち。テンポもよくインパクトも十分。最後に「うり、ずんずん」と首を左右に振るところなんかとてもかわいい。私もすっかり気に入ってしまった。さあ、みなさんご一緒に!「カメカメカメカメ、カメ仕込み!」


CM動画へのリンク
http://www.awamoriya.com/content/cm/wmv/urizun.wmv(ブロードバンド)
http://www.awamoriya.com/content/cm/wmv/urizun_n.wmv(モデム・ISDN

*1:実家の父が地方議員をしているため、選挙や会合などやたら客が多い