a divorce

久しぶりに友人から「会いたいんだけど」という電話があった。筆まめ、メールまめだった彼女からの連絡が途絶えて半年以上。いったいどうしちゃったんだろう......と気にかけていた矢先のことである。


会って話を聞いた。今年の初めに離婚したとのこと。突然のことに思わず声を失う。
話を聞けば聞くほど、こういう決断に至るまでの彼女の心労が察せられて、下手にあいづちもうてなかった。


彼女の夫だった人とは何度も一緒に遊んだ。ずいぶんよくしてもらった。彼女も彼も、とてもいい人で、私は2人とも大好きだったので、こういう結果になってしまったことがたまらなく残念だ。


彼女は、今まで住んでいた街を離れて、別の街で新しい生活を始めた。家具や日用品、衣服など、生活に必要なあれこれを揃えなければならないのだけど、買い物をしたり、諸々の手続きをしたり、という雑事をすることがとてもキツかった、と言っていた。今はもう、ずいぶん落ち着いたけど。だから、こうやって連絡しようと思ったの、と、彼女は笑う。これからのことを考えると不安だらけだけど、でも、一年後には「ほんとうにあのときはキツかったよ〜」と振り返って笑えるようになっている。絶対そうなる、そう思って、いま頑張っているんだ。


本当に大変だったね。それしか言えなかった。差し出がましいことは言いたくないし、したくない。彼女も、周りにあれこれ気を遣われるとかえって疲れるだろう。でもでも、ほんとうにほんとうに困ったことがあったら、いつでもSOSを送信して欲しい。遠慮せずに。力になることができるのなら、それは私にとって、とてもうれしいことだから。


疲れている人、弱っている人にむやみに「頑張れ」というのは御法度なのだとか。彼女が今までずいぶん無理して頑張ってきたことも知っている。これ以上頑張れ、というのは、所詮、傍観者の傲慢なのかもしれないけど、でも、いまはほんとうに「頑張れ」という言葉しか思いつかない。彼女には言わずに、心の中で強く思う。頑張れ。頑張れ。応援してるから。