最後の5(ファイブ)が押せなかったテレフォン

白い炎

ここんとこ、ビミョーに懐メロモードに入っていて、家にいる間はずーっと「青春歌年鑑」シリーズを聴いている。チャカポコしたシンセドラムが前面に出た薄っぺらいアレンジ、起承転結はっきりしているメロディー、シンプルな歌詞、いいねえ、昭和だねえ。なによりもいいのが、どの曲も平均4分前後でぴしゃっと終わることだ。一曲の長さはこれくらいでいいよ。最近の曲はどれもこれも長すぎる!


ところで、今朝、掃除をしながら聴いていたのは85年版。この中に「白い炎」という曲が入っている。まだセーラー服姿も初々しかった初代ミス・マガジン、斎藤由貴のヒット曲である。


いやあ、この頃の斎藤由貴はほんとうにかわいかった。下半身がどっしりした、いまでは珍しくなった純日本体型で、後れ毛を効果的に残したポニーテール。女優としての演技力もなかなかのもので、持ち歌を歌うときも、決して上手ではなかったけれど抜群の表現力があった。後になって尾崎豊〜川崎真世とドロドロの愛憎劇を演じることになろうとは誰も思わなかった時代である。


それはともかく、「白い炎」の中にこんな歌詞がある

最後の5(ファイブ)が 押せなかったテレフォン
燃える胸は 熱い痛みです

この場合「最後の5が」「押せなかった」のは、逡巡と躊躇の結果なんだろうけど、私、意味合いはまったくちがうけど、この曲と同じように「電話番号の最後の数字を押せなくて非常に焦る」、という夢を、もうずーーーーっと長い間、一ヶ月に一回の割合で見るんですよ。


シチュエーションはその時によって違うけど、刃物を持った人殺しに執拗に追いかけられているとか、自分の目の前で家が火事になっているとか、瀕死の重病人が私に助けを求めているとか、非常に切迫した状態であるということが共通している。


恐怖と焦りでガクガク震えて、汗びっしょりになりながら、とにかく受話器を取る。そして、助けを求めるべく電話をかけようとするんだけど、なぜか最後のボタンがどうしても押せない。どうしても末尾の番号が思い出せないとか、指が震えてボタンを押し間違えるとか、あるいはせっかく最後まで押せても回線が話し中とか、最近はケータイの電池が切れて電話がかけられない、メモリダイアルが探せない、などの新バージョンも登場した。とにかく、あと一歩というところで、なんどもなんどもかけ直さなければなるのだ。かけ直している間に事態はいよいよ逼迫してきて、にっちもさっちもいかなくなって、パニックになる......という、ひじょーにリアルな夢。たいてい「もうダメだ〜〜!!!」と叫び声をあげそうになって、ハッと我に返る。もちろん目覚めは最悪である。


物心ついたころから、同じような夢を何度も見るので、これは心のどこかにトラウマがあったりするんじゃないか、あるいは、深層心理になにか性的コンプレックスを抱えているんじゃないかと思ったりする。夢診断とか深層心理診断など、その辺の専門書・サイトで調べればすぐわかるんだろうけど、ああいうのってたいてい「性的欲求不満」で片づけられてしまうんだよねえ。


とにかく、この夢、見るたびに精根尽き果て、寿命が縮む思いである。催眠療法かなにかで、この夢を見ずに済む方法はないものだろうか。誰か、その筋に詳しい人、この夢の意味を教えてくれないでしょうか。できれば「性的欲求不満」以外の回答きぼーん。同じような夢を見る人もいるかなあ?


てなことを書いてうちに、BGMは1983年版に変わりました。いまは杉山清貴とオメガとライブの「サマー・サスピション」がかかっています。杉山清貴、どうしているんだろうか。3,4年前、伊東温泉の花火大会で営業していたという噂を聞いたが本当だろうか。カルロス・トシキはどうしているだろうか。1986オメガトライブには、ピンキーとキラーズパンチョ加賀美そっくりの陽気なオッサンがいたけど、彼はどうしているだろうか。