親指だけじゃ、感じない

さてさて、楽しかった北部九州お大尽旅行であるが、今回の旅行は、私のケータイスキルはショボすぎる! なんとかせねば! ということを痛感した旅でもあった。


出発が早朝だったり、電車移動の時間が長かったり、相手が車を運転していたり、仕事中だったりと、直に電話をかけるのが難しい状況だったので、今回お世話になった方々との連絡手段はほとんどケータイメールだった。


で、ワタクシ、このケータイメールが非常に苦手なのである。


普段あまり外出せず、家ではブロードバンドで常時接続なので、私宛のメールは95%はパソコンメール。受信するのも返信するのもパソコンだ。パソコン歴も早8年。タイピングのスピードにはそこそこ自信がある。急ぎのメールなら、ものの1分もあればちゃっちゃとタイプして即送信することができる。相手の負担にならない程度に、短く簡潔で、(笑)や、・゜・(ノд`)・゜・や、( ´・ω・`) ショボーン
 など、ユーモア(?)の精神も忘れず、必要とあらばweb情報のURLをコピーしたりして、情報満載のハートフルメールを打つことだってできるのである。ホントだってば。


しかーし! キーボードのタイピングはベテランでも、小さな文字盤のボタンをピコピコいじりながら入力するケータイスキルがいつまで経っても上達しない。ローマ字入力のパソコンと違って、ケータイの入力は50音である。だいたい私は、小学校低学年で覚える「50音表」の順番がいまだにあやふやなのである。「は行」と「た行」、どっちが先か? ととっさに聞かれると、いちいち「あ、か、さ、た、な、は、ま、や......」とアタマからカウントしないと答えられない。「今日はいい天気でよかったですね♪」と一行入力するのにも、「か、き、きょう、は、いい、お、た、ち、つ、てんき、たちつて、で、や、ゆ、よかった、で、さ、し、す、ね......」とつぶやきながらの作業になるのである。キーボードなら10秒もかからないタイピングに1分以上かかる。



しかも、私の場合、ケータイで送受信するメールというのは、
「いまどの辺にいるの?」
「これから電話していい?」
「もう電車に乗った?」
「あと何分くらいかかる?」
などなど、緊急性の高いものばかりである。


「いまどの辺にいるの?」


というメールが入ってきて、
「い、ま......、し......ぶ(濁点は時間がかかる)......や、の、ハチ公(カタカナ変換も時間がかかる)......前......に、い、ま、す」
なんてしどろもどろのメールを打っている間に、返信を待っている相手はしびれを切らしてしまうだろう。


昨日の地震の直後にも、広島に住む友人から
「震度5だってね! 家族のみなさん、大丈夫だった?怖くなかった?」

とメールが入ったのだけど、心配してるだろうからすぐに返信しなければ! と焦れば焦るほど入力に時間がかかり、結局
「だいじょうぶ。ありがとう」
という味もそっけもない文面で返信してしまった。自己嫌悪。


これが日頃慣れ親しんでいるキーボード入力なら
「わざわざ心配してくれてありがと♪ おかげさまでこちらは全然大丈夫です。震度5なんて日常茶飯事。もう慣れちゃったよ(笑)」
てな具合にフレンドリーな返信ができるのに! 私、もっといいヤツなのに!


今回の旅行で私が送信したメールも
「1138の電車にのりました。筑前前原で博多行きに連絡する電車です。よろしくお願いいたします」
「わかりました」
てな具合に、必要最小限の用件だけの、味も素っ気もないメールばかりであった。しかも、その無味乾燥なメールですら、入力して送信するまでに何分もかかるんである。絵文字や顔文字などの高等技術なぞ問題外。ボキャ貧の小学生のような文章のメール一本送信するのに、肩は凝るし、目はしょぼしょぼするしで実に消耗する。ほとほと疲れたよ。


ほんとは
「お会いするのが楽しみです〜♪ o(^-^)o ワクワク」
「せっかくの旅行なのに雨だよ......・゜・(ノд`)・゜・」
「電車、ちょっと遅れそう......( ´・ω・`) ショボーン
とか、表情つけたいのにさ! まあ、さすがにo(^-^)o ワクワク は使わないか......


ワタクシのリアルお友達に伝言です。私のケータイメールは、遅くて短くて無愛想です。
以上の事情を鑑みて、私からケータイメールを受信する場合は、ひとつ寛容に受け止めていただけるとありがたいです。


きくところによると、最近の大学生などは、レポートや論文などもケータイから送ったりするらしい。キーボード入力がまどろっこしくて、キーボード入力をケータイ入力に変換するソフトもあるのだとか。さらにさらに、中高年のケータイユーザーは、パソコンスキルはまったくなくても、ケータイメールならさっさか打てるという人も少なくない。今年70になる私の叔父などは、離れて暮らしている孫たちと日になんどもケータイメールをやりとりしてコミュニケーションを育んでいる。


今や、メールと言えばケータイなんだなあ。パソコンメールはもう古い。オバサン、完璧に時代の波に乗り遅れているよ......・゜・(ノд`)・゜・(←ここぞとばかりに使ってみる)


昔は「驚速」「特打」などのキーボード入力の練習ソフトがあったけど(今でもあるんだろうけど)、誰かケータイ入力の練習ソフトを開発してくれないだろうか。親指でピコピコ打つ、たどたどしい私のケータイスキルじゃ、あふれる私の思いは伝えられないの。感じないわっ!