CDラックの煩悩

CD・DVDラックを整理していてつくづく思う。私の音楽生活って、CD買う〜ちょっと聴く〜放置〜処分、というルーティンワークになっているなあって。ここ数年、「これが私の愛蔵盤!」と確信を持って言えるほど熱心に聴きこんだCDっていったいどれくらいあるだろう。


レコードだったときは、まだガキだったから、そんなにバカスカ買えなかったし、買うとなればそれはほんとーーーに大好きなアーティストの作品、映画だった。買ったソフトはそれこそすり切れるまでとことん聴いたもんだよなあ。ランダムとかシャッフルなんて聴き方はもちろんしなくて、ちゃんと「A面」の一曲目から順番に聴いて、ちゃんと「B面」にひっくり返したりして、それなりにきちんと集中して聴いたもんだよ。もちろん、ライナーノートは熟読。いまは、「A面」と「B面」のカラーの違いとか、曲順で表れるコンセプトとか、まったく無視。ライナーノートも最初にちょこっと目を通すだけ。歌詞はおろか曲名すら覚えないこともしばしば。


初めてCDを見たときの感激を今でも鮮烈に覚えている。信じられないくらいスリムで、軽くて、虹色にキラキラ輝いていて、耳が洗われるようなクリアーな音質。わあ〜これがCDか〜、うれしいなあ、すてきだなあ、持っているレコードを全部CDに切り替えることができたらどんなにスリムで便利になることだろうか、と胸をわくわくさせたものだ。


そして、20年後。あの頃夢見ていたように、今私の手持ちのオーディオソフトは全てCDもしくはDVD。確かに便利でコンパクトになった。スペースはスリムになったけど、生活はちっともスリムにならない。


いまはもう大人だから、あの頃よりはお財布にも多少余裕がある。CDやDVDを買うのにもそんなに躊躇しなくて済むので、ソフトの数はどんどん増えていく。一回聴いてそれっきりというソフトも少なくない。いつもいつも、大して聴きもしない、観もしないオーディオソフト類の整理に頭を悩ませる日々。


持っているソフトの数は増えたけど、自分の中の音楽の比重は反比例してどんどん減少しているような気がする。音楽や映画に接するときの緊張感が摩耗してきている。だめだね、心の贅肉は落とさなきゃ。しっかり筋肉つけなきゃ。これからは、CDもDVDも本も雑誌も、ほんとに大事な作品、好きな作品だけを慎重に探して、大事に鑑賞して、残すようにしよう。これが来年に向けての私の抱負、かな?