歌姫の野望

「昼寝」「ダイエット」「食べ歩き」の他に「オペラ鑑賞」という趣味が加わった最近のワタクシ。
ラ・トラヴィアータ(椿姫)」で生オペラデビューを果たし、こないだはプリンセス美智子と一緒にモーツァルトの「魔笛」を鑑賞。最近は無印良品これを購入し、お風呂の中でもオペラ三昧。ここ数日はイタリアオペラばっかり聴いているので、心なしか発音も巻き舌にナッテーラ!ボナセーラ!


で、毎日毎日CDを聴いているうちに次第にこんなことを思うようになったのです。


「私にも歌えるんじゃないか?」


だって、ほら、お風呂の中でほどよくエコーを効かせながら歌い上げる私の「ハバネラ」、自分で言うのもナンだけどかなり絶品。私が聴いているCD「カルメン」のプリマドンナマリア・カラスですが、実力はかなり伯仲しています。いやむしろ、情熱と迫力はカラスに引けを取っていません。唯一の弱点は私が日本語しかできないため、全ての歌詞が「ラララ〜」になってしまうことだけです。


そうよ、私って実はすんごく才能あるのかも。小・中学校の音楽の時間にはいつも「声が大きくていいね」と褒められたし、合唱コンクールの時はいつも最前列だったし、琉球放送の「歌でヨーイ 卓でドン」*1に出たこともあったわ。その時は審査員の陰謀で惜しくも優勝は逃したけどさ。


そもそもうちの両親は芸術分野にはまったく理解がなかったからピアノも習わせてくれなかったのよね。もっと早いうちに誰かが私の才能に気づいて専門的なレッスンを受けさせてくれていれば、今頃私はおパリかおミラノ在住。各国のオペラ座をまたにかけて活躍する世界的プリマドンナになっていたかもしれないのに! 佐藤しのぶもシャルロット・チャーチも裸足で逃げ出してたかもしれないのに! 世界のオザワとタメグチの仲だったかもしれないのに!


いや、過去を悔やむのはもうよそう。これからは前進あるのみ。そう、私、声楽を始めよう。幼い頃踏みにじられた才能の芽を今こそ咲かせるのだ!


さいわい、ヴァイオリンやピアノのレッスンと違って、歌のレッスンには設備投資はさほどかかりません。楽器の練習は騒音が気になるため練習場所の確保に苦労するそうですが、幸い私には「風呂場」という最高のパーソナルスタジオが完備されています。さらにさらに、ボイストレーニングと声楽を教えている声楽家の友人もいるのです。彼女についてせっせとレッスンを重ねて、年に一回はおパリやおミラノあたりに声楽留学して(ついでに食べ歩きやお買い物もして)精進を重ねれば、遅咲きの大輪の腹、じゃなかったバラ、「日本のマリア・カラス」として華々しくデビューを飾れるはず。名声はあっと今に世界にとどろき、「主婦とオペラ歌手とを軽やかに両立・つくばが生んだ歌姫〜プリマとこり」というキャッチフレーズで「NHKスタジオパークからこんにちは」にも「徹子の部屋」にも出ちゃおう。「はなまるカフェ」に出るときのおめざはさーたーあんだぎーで決まりね。オットは私の衣装係兼マネージャー。


というわけで、私、春になったら声楽のレッスンを始めることに決めました。善は急げ。ああ、こうして目をつぶると、シャンデリアきらめく大ホール、フリルたっぷりのドレスを身にまとい、金銀宝石をきらめかせ、満員の聴衆に婉然と微笑みながら、高らかに熱唱する自分の姿が浮かんできます。来年の今頃はつくばノバホールで初リサイタル。再来年はNHKホール、その次の年はカーネギーホールです。


この日記を読んでくださっている方々には特別に1割引でチケットを売ってあげてもよくってよ。
そのときの半券はきちんと保管しておいてね。あとでヤフオクでどどーんと値上がりするからね。


......ここまで書いて、「なんか、前にも同じようなことを書いたような気がするなあ......」とログを探ってみたら、去年の6月にこんなこと書いていました。http://d.hatena.ne.jp/tokori/20050621


なんか空しくなってきました。これからお風呂に入って、一人でカルメン歌います。そうよ、私は孤独な歌姫......よよよよ........。
誰か、今度一緒にカラオケ行きませんか? 聴いてよ脳内プリマの歌声を。

*1:当時琉球放送の人気アナウンサーだった柳卓が司会していたちびっこ歌合戦番組