おとといおいで

スカパーのFoodiesTVで、栗原心平君が「ハナサクショクタク」という番組を始めた。
栗原心平。そう、世界料理本コンテストで見事グランプリを受賞、昨年の紅白歌合戦の審査員もつとめられた栗原はるみ大先生のご子息である。


この心平君は26歳にして妻帯者である。晩婚化が進むこのご時世、彼の結婚は割と早い方だよね。彼が結婚するやいなや、お嫁さんはさっそく「はるみファミリー」として表舞台に登場。はるみ先生がお嫁さんと一緒に料理を作ったり、「うちの味」として栗原家伝来のおせちを伝授したり、はるみ先生がお嫁さんの実家を訪ねていく様子が「すてきレシピ」の中でレポートされた。のみならず心平君みずから「二人の食卓」として新婚家庭向けのレシピ本を出版。心平君の料理番組にも出演している。「栗原家のヨメ」は、早くも「はるみビジネスチーム」の一員として大活躍である。昨今の料理研究家っつーのは、料理だけじゃなくて「家族」も売り物にしなきゃいけないから大変だわよね〜。おちおち離婚もできないや。


さて、その心平君の料理番組を見てみた。お母さんのはるみ先生は激務がたたってか、いっつも鎖骨がくっきり浮き出た激痩せぶりなのに、心平君はお母さんのおいしい料理で幸せに育てられたのか、かなーりふっくらしている。顔も童顔なので、太っている、というより肥満児といった風情。それでも心平君はかなりのおしゃれさんみたいで、お料理中も腕のブレスレットを外さない。太い手首にがっちり食い込んでいて、ものすごく邪魔そうだけど、外さない。よっぽどこだわりのブレスレットらしい。まあ、それはいいんだけどね。


番組を見終わっての結論......
26歳のガキに教わることなんぞないわ!


これといって取り柄のない私ではあるが、それでも20歳から始めた一人暮らし歴が6年、主婦歴が8年、かれこれ15年近くも自分で料理を作り続けているのである。そこそこベテランであるという自負はある。料理は場数と必然である。毎日毎日作り続ける人、作り続ける必然がある人、そういう人が真のプロなんじゃないだろうか。いくら著名な料理研究家が母親であっても、私の目から見れば、心平君はまだまだ、まだまだ。おとといおいで、って感じだった。


でもまあ、小林カツ代さんの息子・ケンタロウ氏は大成したからな(私はケンタロウ氏のレシピは好き)。心平君もこれからだ。しっかり揉まれるように。「ハルラー」のおばさま達って、けっこー意地悪だわよ。