解脱への道

子連れの友達を家に招いたり、一緒にお茶やランチする機会があるのですが、子どもにとって大人同士果てしないおしゃべりというのは当然ながら退屈きわまりないわけで、すぐに集中力がとぎれてもぞもぞし始めるんですよね。私自身が子どもの頃は、お人形などのおもちゃや絵本を与えられてご機嫌取られるか、母に「おとなしくしてなさいっ!」とか「外で遊んでらっしゃい!」など、シャラップ系に怒られて、それでも幼児の集中力は1時間と持たず、子ども連れでのおでかけはなかなか長居ができなかったものです。しかし、最近の子どもにはとりあえずDSを与えておけば、もう最強なんですね。「静かにしなさい」とか「おとなしくしてなさい」なんて一言も言わなくても、何時間でも、それこそ「もう帰るよ、ゲームはやめなさい」と促されるまで黙々とすさまじい集中力でゲームに没頭しています。子連れママたちの共通の苦労は「いかにしてゲームを切り上げさせるか」のようです。


私は今までゲームとはほとんど無縁で過ごしてきたので、小さな子どもが押し黙って小さな画面に向かって一心不乱にゲームに没頭している姿には正直言って違和感があったし、「これって情操教育的にはどうなんでしょ?」とも思っていました。


でも、こないだ友人からDSを借りて「太鼓の廃人」になりかけてから、つくづくとその麻薬的な魅力を思い知りました。オトナの私ですらこんなに取り憑かれてしまうんだもの、子どもにとってはそりゃあもうどんなおもちゃで遊ぶよりゲームで遊んでいた方がはるかに楽しいでしょうよ。


でも子どもの場合はまだいいのです。「ゲームの時間はおしまい!」とストップをかけてくれるオトナがいるから。私のように、家で過ごす時間が長く、しかもガミガミうるさく言う家族もいないシチュエーションだと、その気になれば起きている間中ノンストップでゲーム三昧なんてことも可能なんですよね。ゲーム中毒ってオトナになってからの方が重症なんだそうですが、ほんとにそうだろうなーと思います。ただでさえのぼせやすく、依存傾向が強い私のことです。中毒になるのはあっという間なんだろうなあと思います。しかも、ゲーム産業というのはよくしたもので、新作やら新機種やらバージョンアップやらレベルアップなどで、絶対にゲームから離れられないようにあの手この手で私たちを誘惑し続けるのです。こんなの、ハマるなっていうほうが無理ですわ。


まあ、私にも最低限の理性は残っているし、オトナとしてのプライドもありますから、今日は心を鬼にして朝の30分だけドンドコやって、あとは電源を切って袋に入れて手の届かないところにおいて、それでも家にいると暇に任せてドンドコやってしまいそうな気がしたので、無理矢理用事を作って外出していました。それほど強い意志がないと、ゲームの魔力からは逃れられないんですよ。怖い怖い。


みなさんは、自分や自分の家族がゲームにハマったときに、どんなふうにして切り上げているんでしょうか? マジ知りたい。


というわけで、廃人になる前にDSは友人に返却しようかと思っています。返す前に名残を惜しんで心ゆくまでドコドンやんなきゃ。