レストランクラッシャー

それにしても寒い日が続くなあ。せっかくしまい込んでいた春用コートをまた引っ張り出してきたよ。せっかく花粉症も治まってきて一番気候のいい時期だというのに雨続き。さわやかな五月晴れの日々を満喫したいもんです。

ところで、最近のビックニュース。
私が約二年勤めたカフェレストランがこの11日の日曜日をもって閉店してしまったのです。退院後しばらくは安静にして、体調が回復したらまた張り切って働こう! と思っていた矢先でした。ワタクシ、今週からめでたく失業者です。


オープンしたのが2年前の秋だったので、3年ももたずに撤退ということになります。市内に住むおしゃれ主婦をターゲットにしたこのお店。カフェレストランに雑貨ショップを併設していました。従業員はホールも厨房もほぼ全員が地元の主婦。主婦による主婦のためのお店でした。
つくば市にしては少々高めの値段設定が災いしてか、オープン当初こそ苦戦したものの、様々な販促作戦や経費節減などにみんなで取り組んできただけあって、ここ数ヶ月は右肩あがりに業績が伸びいました。「忙しくて大変だけど、ヒマで退屈よりはいいよね!」と、みんなのモチベーションがあがってきたところだったので、まったく予想外の措置。知らせを聞いたときには思わずハニワ顔になってしまいました。


親会社(大手デパート系レストランチェーン)が決定したことなのだそうですが、親会社の社員は半年に一度くらいしか店にやってこないで、実際の経営はほぼ地元採用の店長さん任せでした。毎月・毎日の売り上げデータだけ見て、ああだこうだと文句をつけてきて、思うように数字がのびないから即閉店というのは、あまりにもビジネスライクというか、無情というか、萎えるなあ。まあ商売なんだから、稼ぎにならないお店をいつまでも続けていてもしょうがないわけですが、従業員・経営者がともに現場で紆余曲折・試行錯誤して、それでもどうにもならなくて「苦渋の決断」を下さざるを得ないという状況ならまだしも、ほとんど顔も出さずにデータのやりとりだけで「ダメだから撤退!」と言われるのはなんとも納得いかない気分です。少しでも売り上げを伸ばそうと、従業員と本社との間の難しい立場ながら、あれこれ工夫したり骨を折ったりしていた店長(店長といっても、私たちと同じようにパート扱い。雀の涙ほどの店長手当がつくだけの待遇だったといいます)が一番気の毒でした。


昨日は閉店後の撤去作業でした。体調は今ひとつながらも、最後に思い出に浸ろうとお手伝いに行ったのですが、プロの手にかかると撤去作業はあっという間。しみじみする間もありませんでした。同僚達も同じ思いだったようで、「なんかあっけないよね〜」と苦笑していました。それより、冷蔵庫に残った使いかけの食材や調味料などの分配にテンションがあがってしまい、しみじみするどころか大きな袋一杯に冷凍切り身魚やらしょうゆや砂糖、はては半分のこった大根やネギまで分けてもらってほくほくでした。主婦魂は感傷を凌駕します。


それにしても、このお店の前に働いていたイタリアンレストランも、オープンして2年足らずで閉店。今度のカフェレストランが3年足らずで閉店。私が勤める店はことごとく短命に終わってしまう。実は私が疫病神だったのかしら? これからはレストランクラッシャー・とこりと呼んでください。
不採算店舗をはやいとこ清算したいと思っている経営者のみなさん、私を雇えばさくっとつぶしてあげるわよ。