究極のグルメ旅

7月もはや中旬。みなさまにおかれましては、楽しい夏休みの旅行を計画されている頃ではないでしょうか。ガソリン高騰の折、今年の旅行傾向は「安・近・短」、国内旅行は自動車よりも鉄道を使った旅行が多くなるとか。かくいうワタクシも、この夏、スペシャルでサプライズでスリリングな旅行を計画しています。場所は伊豆、期間は一週間の一人旅。旅行のテーマはズバリ......




断食




です。


以前から週末プチ断食とか野菜ジュース断食などには興味があり、自分でジュース断食を試してみたこともありましたが、自宅での断食は雑音(主に食べ物の誘惑)が多い上、断食が終わってから食べ始める回復食(断食よりもむしろこっちの方が重要)への移行が難しく、挫折することが多いのだとか。私自身、断食中のフラストレーションを解消するかのように食べまくってしまい、ダイエット効果は全くありませんでした。


「痩せたい」というよりも、自分の嗜好や体質を少しでも改善したいというのが今回の旅行の大きな目的。年中「太った痩せた」と一喜一憂して、あれこれダイエット法を試してみても、基本的な生活習慣と「太るものが好き」という嗜好を変えなければ根本的な解決にはなりません。きれいな空気と静かな環境の中で、摂取過剰気味の食生活を一回リセットして、体内に蓄積された疲労や老廃物をスッキリと排出したいのです。断食をすると味覚が鋭敏になり、素材本来の味をしっかり味わうことが出来るようになるため、よりシンプルな素材や調理法の食事へと嗜好が変わっていくそうです。さらに断食のデトックス作用は、アトピーにも効果があるとされています。私は幼い頃からのアトピー体質。これが改善されるのならありがたい。


デトックス作用やダイエット効果など断食本来の効果を期待するのなら、最低でも一週間は必要になるそうです。「週末プチ断食」ならいざ知らず、一週間も自己流で断食するのは危険です。きちんとした専門家についてもらって、外部との雑音からなるべく遮断された状態で、ゆったりとリラックスしながら断食に集中するための環境が必要です。そうした環境や設備をそろえた断食専門施設が全国には数多くあり、私の旅行の目的地もそのような断食専門施設のひとつなのです。


リゾートホテルのようなおしゃれ系や毎朝座禅を組まされるような修行系、「大地の声を聞きましょう!」的スピリチュアル系など、いろいろな特色を持った施設がありますが、私はなるべく近くで、医療や栄養の専門家がいて、できれば整体やマッサージなどの施術をしてもらえるところ、という基準で選びました。普通の主婦が一週間も家を空けるといろいろと差し障りがあるでしょうが、うちには子どもはいないし、バイトの休みも取れたし、オットはちょうどその時期出張で東北に行っています。まさにグッドタイミング。


新鮮な海の幸が豊富な伊豆まで出かけて、お刺身も食べず温泉も入らず、3日も断食して仕上げにお粥すすって帰ってくるなんて、贅沢なんだかショボいんだかわからない旅ですが、より快適に軽快な身体になるための一週間なら、海の幸も温泉も我慢します。グルメな旅ならいつでも出来るしね。
一週間の滞在とは言っても、全く固形物を摂らない断食は3日間。断食が終わったら重湯やお粥などの回復食から徐々に普通食に移行するためにさらに3日間かかるそうです。聞くところによると、断食の後は米粒も浮いていないような重湯が身体がしびれるほど美味しく感じられるのだそうです。これもある意味究極のグルメ旅ですね。


出発は28日。部屋にはネット環境も整っているそうですので、退屈しのぎに実況中継しようと思います。おしゃべりで食いしんぼな私が、6泊7日もたった一人でつらい断食に耐えられるかかなーり心配ですが、こないだ買ったちりとてちんDVD-BOXに慰めてもらいながら、リセットしてこようと思います。ううむ、楽しみなような、不安なような、複雑な気分......。