真夏の断食大作戦! 6日目 ばあさん!事件です!

8月2日(土) 6日目 退所前日
またも「ちりとてちん」DVD-BOXにはまってしまい、睡眠不足気味。こんなことではいかーん!せっかく健康になるために伊豆まで来てるのに! 早寝早起きは三文の徳! とわかっているんだけど、物語は前半の最大の山場、草々と喜代美の恋が成就するところだったので、どーしても途中でやめられなかったの......。草々の破門騒動から和解の回、見るのは10回目くらいだけど、相変わらず涙で視界がきかなくなるほど泣ける。除夜の鐘が鳴り終わった瞬間に草々が壁を蹴破って喜代美のもとに行くシーン、何度見ても胸が熱くなるわ......って、「ちりとてちん」見ていなかった人はなんのこったかさっぱりわからない話ばかりだな。


そんなわけで8時起床。今日も体操はなし。体重はスタート時から2.5キロ減。相変わらず肌の調子がいいし、身体が軽い。回復食が始まってから、食べ物に対する執着みたいなものがきれいさっぱり消えて、身も心もどんどん軽快になっていく感じ。


退所前日の朝食には手打ちうどんが出るらしい。これはいろんな方の体験記やリピーターの方から「すごくおいしかった!」という評判を聞いていたのでとっーーーっても楽しみにしていたのだ。
10時になるのを待ちかねていそいそと食堂に行き、壁に貼ってあるカロリー成分表を書き写していたら、厨房から調理スタッフとおぼしき初老の女性がニコニコしながら出てきた。
そして、今回の断食体験期間中、最大の事件が起こったのだった。


このとき、私はこのTシャツを着ていた。


その調理場の女性は私に向かって、
「あら、かわいいTシャツ着てるんですね。それ、お孫さんのあしあとをプリントしたの?」
とニコニコしながら話しかけたのだ。




は?

ま、孫??

孫って言ったの???

私が孫のあしあとをプリントしたTシャツ着たおばあさんに見えたの?




あまりのことに呆然として
「あの、私38歳なんですけど......。孫がいるような歳に見えるんですか?」
と低い声で聞き返した。人当たりの良さは私の数少ない長所のひとつだが、このときばかりは愛想笑いをする余裕もなかった。
その女性はあわてて
「あら、いやだ。ごめんなさいね。だってほら、最近はずいぶん若いおばあさんもいらっしゃるから」
......って、それ、全然フォローになっていないし!


確かに化粧っけもないし寝起きでヘアスタイルもいい加減だしTシャツにジャージという緊張感欠如しまくりの格好ではあった。だから「子持ち」と間違えられてもそれは仕方ない。慣れている。年齢も年齢だし。しかし、「孫持ち」には正直、参った。心身ともにダイエットして健康になろう、若々しくなろう! と思って高いお金払って伊豆まで来て、3日間も絶食したのに、「孫持ち」......。


あまりにショックで、同じテーブルに着いた人たちに
「いま、調理場の人に『お孫さん』って言われたんですけど、私って孫がいるような歳に見えます?」と聞いてしまった。みんなは口々に、「いや、それはありえないから」「100%見えませんよ。きっとTシャツのプリントだけ見て勘違いしたんじゃない?」「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と励ましてくれたが、私の傷心はなかなか収まらなかった。あの女性はとてもフレンドリーでみじんの悪気もなさそうだったし、みんなが言うように単なる勘違いかもしれないけど、それでもショック。なんのために3日間もつらい断食をしたの?


せっかく楽しみにしていたうどんだったけど、すっかりしょげてしまい、味がちっともわからなかった。そして、腹が立った。いやねえ、いくらなんでもそりゃないよ。だいたい女性に向かって「子どもがいること前提」「孫がいること前提」で話をするのはかなりリスキーな行為。人それぞれいろんな事情があるもんね。外見上でも「子どもがいるようには見えない」ということをビューティーの目標にしている女性は多いはず。特にこういう施設に来ている女性はみんな多少なりとも「キレイになりたい」「若々しくありたい」と思っているはずで、そういう女性(しかも初対面)に向かって「お孫さん」はないだろう。たとえそう思ったとしても軽々しく口に出して言うことか? だって、だって、私まださんじゅうはちなのに......こどももいないのに......(涙)


「いやあ、勘違いされちゃったよ〜。あははは」と笑い飛ばすことはどうしてもできずに、顔なじみになっていたフロントの女性に遠回しにクレームを入れた。フロントの女性も私から話を聞いて
「いやあ、それはショックだわ。とこりさんの気持ちわかりますよ。私だって『お孫さん』なんて言われたらそうとう落ち込んでしばらく立ち直れないわよ。お怒りは当然です。イヤな思いさせちゃってほんとうにごめんなさいね」と平謝りだった。


なまじ、昨日から「痩せたね」「肌がつやつやしてきたね」とほめられていい気になっていた分、ショックは大きかった。うどんの味も写真も、もうなにもかもどうでもいいわ。今すぐつくばに帰るうう〜〜!!

ほうれん草を練り込んだ手打ちうどん 青汁シャーベット 自家製ヨーグルト 340kcal


まあ、人間、誰しも勘違いはあるわよ。とようやく気を取り直して、センターの方の運転で川奈にあるステンドグラスミュージアムなどを観光。海の見えるテラスのある喫茶店に入り、お茶だけなら外食もアリだろうと無糖のアイスティーを頼む。運ばれてきたアイスティーを一口飲んで、茶の味の強さにびっくりする。一緒に飲んでいた断食仲間も「きつぅ〜」と口々に言っていた。鋭敏になった舌は紅茶の味にも敏感に反応するのだ。


ぶらぶら2時間ほど観光した後、センターに戻り、これが最後になるマッサージを受ける。入所期間中毎日毎日受けていたマッサージ。専門の鍼灸師の方は二人とも上手で、時間をかけて丁寧にほぐしてくれた。ほんとうに極楽だった。このマッサージのためだけでも伊豆まで来たのはムダじゃなかったわ。たとえばあさんに間違えられたとしても......とまだ引きずっている私(苦笑)


夕食

玄米七分粥 わかめたっぷりみそ汁 野菜の白和え 青汁シャーベット 210kcal


朝のうどんがかなり通常食っぽかったので、夕食時になっても全然お腹が減らなかった。茶碗に半分の七分粥を全部食べきるのに30分かかった。テーブル仲間と「このすばらしい状態の胃袋と食欲を、シャバに戻った後いかにキープするか」について語り合う。


さあ、明日はいよいよつくばに帰る。「お孫さん」事件にはそうとう凹んだけど、ま、それも含めてひと夏の思い出ってことで。