ついつい

バイト先の和菓子屋さんに、茨城放送の営業マンがやってきた。
近くに営業所ができましたので、以後よろしくお見知りおきを――という挨拶かたがた、お店の販売促進のためラジオCMはいかがでしょう? という営業活動。


時候の挨拶や「御社」とか「弊社」などのビジネス用語がいまひとつ流ちょうじゃないなあ、と思っていたら、今年4月に入社したばかりの新人さんだということ。そう言えば顔つきもまだあどけなく、背広姿も「着せられている」という感じでまだサマになっていない。しかし、このクソ暑いなか、黒い背広を着て、シャツのボタンもきっちりしめて、汗をかきかき「ラジオCMの時間帯による料金表」などを一生懸命説明してくれるその姿が、いかにもケナゲでかわいらしい。


「この暑いのに背広着て大変ね。上着脱いだら?」とか
「お兄さんは、もともとつくばの人なの?」とか
「麦茶のお代わりはどう?」とか、ついついいろいろ世話を焼いてしまった。


ただ「若いお兄ちゃん」というだけで、こんなにもほっこりした気分になるのは、私の母性本能をくすぐるからだろうか?
最初はコチコチ気味だったお兄ちゃんも次第にうち解けて、笑顔を見せつつあれこれよもやまばなし。ついつい
「ねえねえ、家どの辺? 一人暮らし? ご飯ちゃんと食べてる? 彼女いる?」とか訊いてしまいそうになる。いかんいかん。それじゃ「母性本能」じゃなくて「セクハラ本能」だっつーの。


若いコが一生懸命にお仕事している姿というのは気持ちがいいものね。
がんばれ新人。