「好き」が増えると楽しい

先月、山登りの帰りにウイスキー工場に立ち寄りました。そこで生まれて初めてウイスキーを飲んだのですが、いやあびっくり。ウイスキーっておいしいね! ふわあっと甘くてのどが静かに熱くなって何ともいえないスモーキーなまるい香り(この場合「薫り」としたほうがいいのかしら)がして。ワインや日本酒はなにかつまみがないと飲めないけど、ウイスキーならウイスキーだけでおいしい。これは新発見だ。


オットも同じようにウイスキーに「目覚めて」しまったらしく、出張中のホテルでニッカウヰスキーのポケットボトルを買ってきてちびちびやって「俺ってオトナ〜」と悦に入ってたらしい。


昨夜遅くに帰ってきたオットと、その飲みかけのポケットボトルをお湯割りにして飲んでいたんだけど、小さなチャイグラスで一杯飲んだだけでトロンとして体が温かくなって実にセブンイレブンいい気分です。ヘンに頭がさえることもないのでこのままぐっすり眠れそう。なるほどこういうお酒をナイトキャップというのか。


聞けばこのポケットボトル280円だとか。安!そんなにガブガブ飲むお酒じゃないから280円で3日くらいは楽しめるわね。こりゃあいい。ほかにはどんな種類があるのかしら。今度酒屋さんでじっくり研究してみよう。


それにしても、ほんの4、5年前までの私は、お酒といえば甘いカクテルとチューハイくらいしか飲めず、お歳暮にすんごく高そうなワインをいただいたのに、興味ないもんだからカレー煮るときにどぼどぼ入れたり、実家から送られてきた泡盛の古酒で豚の角煮作ったり、「もらって?もらって?」と人にあげたりしていた。あああああ、なんてもったいないことをしてたんだろう! あの頃の私のバカバカバカ!! もったいないといえば、新婚旅行で東欧の国々を回ったとき、ちょうどワインの新酒が出回るシーズンで、田舎町のワイナリーで新酒飲み放題というイベントがあったのに、当時はぜんぜんお酒飲まなかったもんだから、ずっと葡萄ジュースを飲んでいたんだった。あああああああ、なんてもったいないことをしてしまったんだろう! もうあんなチャンスは二度とないかもしれないのに!タイムマシンにお願い、あの時のあのワイナリーにもう一回私を連れていって。今ならそれこそ腰が抜けるまで飲んでやるのに〜!


飲めなかったお酒が飲めるようになるだけで、ずいぶん世界が広くなったような気がするなあ。ワインが好きになったら、かわいいワイングッズを集めたりワインに合う料理を勉強したりするし、焼酎を飲むようになったら、近所の焼酎専門居酒屋でいろんな土地の焼酎を飲み比べる楽しみができる。こんどはウイスキーを山登りに持っていくためのボトルを探してみよう。わくわく。山で体を温めるのはウイスキーが一番いいらしいからね。


「好き」が増えていくと世界が楽しくなりますね。私はものすごく好き嫌いの多い人間で、外食しても旅行してもあれこれ食べられないものがあってずいぶん苦労するのです。でも、飲めなかったお酒が飲めるようになっただけでこんなに楽しいんだから、すべての食材をなんでもおいしく食べられるようになったらどれだけ楽しいだろう。食べ物だけじゃないわね、人間もそう。嫌いな人が多いより、好きな人が多いほうが、きっとずっと人生が豊かになる。だいたい私は食わず嫌いが多すぎる。もっともっと積極的に「好き」を増やすように努力せねば!イシハラシンタローも和田アキ子小林麻耶をはじめとするすべての女子アナも、きちんと向き合ってみればいい人かもしれないし!


私が嫌いなものってみんなが何の疑問もなく受け入れているものが多いんだよね。


キュウリ
なす
ビール
コーヒー
あんこ
納豆
メロン
ガンダム
イチロー
オリンピック
女子アナ
サザンオールスターズ
ミスチル
○○党


こういう「国民的大好物」に嫌いなモノがあると割といろんな場面で困りますよ。
なんとかして好きになりたい。どうすればいいかしら。
でも、1年間お茶を続けていても、和菓子のあんこがちっとも好きになれないように、どんなに努力しても決定的に嗜好にあわない、ものっつーのは在るんだろうなあ。困ったなあ。