「この香りに触れることができたとしたら」

「この香りに触れることができたとしたら」
ある「触常者」(視覚障碍者)の女性が、バラの花の香りを表現したときに使った言葉です。視覚以外の感覚で、花や植物を認識し感じ取るのに、視覚以外の感覚をとぎすましているからか、私たち「見常者」には思いもつかない発想が出てきます。
「香り」に「触れる」。彼女は、彼女の世界の中で、私たちには触れられない何かにたくさん触れているのでしょう。

樹木や草花を愛おしむ、彫塑を作る、音楽を作る、写真を撮る(!)、「私の好きな色」について語る......それぞれのやりかたで、自分なりの「美」を感じ取り、表現している「触常者」である彼・彼女たちへのインタビューが繊細で冷静な映像で描かれます。
フォトグラファー・田嵜裕季子さんによるビデオ作品eight invisible storiesつくば市民大学にて。