三点セット


夏の定番、ゴーヤーチャンプルーの三点セット(ゴーヤー・豆腐・ランチョンミート)です。


本家本元のゴーヤチャンプルーには、固くて味の濃い「島豆腐」を入れるのが原則なのだが、本土の豆腐では、どんなに水切りしても、炒めているうちにボロボロと崩れてしまい、「炒り豆腐」状態になってしまう。昨今の沖縄ブームで、ゴーヤーやランチョンミートはかなり入手しやすくなったものの、この「島豆腐」だけは、さすがに見あたらず(豆腐を空輸すると高くつくしね......)、私はこれまで苦肉の策として、すき焼きなどで使う焼き豆腐を代用していた。しかし、最近、近所のジャスコに「チャンプルとうふ」なる商品が置かれているのを発見。以来、チャンプルーの時にはこの豆腐を愛用している。


この「チャンプルとうふ」、お味の方は本物の「島豆腐」には残念ながら及ばない。なにより、島豆腐特有のあの強い大豆の香りがしないのがイタイ。けど、思いっきりジャカジャカ炒めても崩れないし、見た目や食感はかなり「島豆腐」っぽくなる。チャンプルー好きにはおすすめの商品だと思う。


しかし、沖縄の食文化も全国区になったなあ。チャンプルー専用の豆腐が本土で製造・販売されるんだもの。シミジミ......。


今回使ったこのゴーヤー、実家の庭で取れた無農薬有機栽培モノ(母談)ということだ。さすが、色つや・イボイボのごつさが違う。そして忘れちゃいけないポークランチョンミート。沖縄ではSPAMとTULIPがシェア争いでしのぎを削っているが、実家は断然TULIP派だった。沖縄の県民食と言ってもいいくらい定番の食材であるが、長寿を誇っていた沖縄県人の平均寿命をジリジリと縮めている、恐ろしいジャンクフードでもある。しかし、チャンプルーにはこれを入れないと味が決まらない。


......なーんてしたり顔で書いているが、実は、私は沖縄県人のクセしてゴーヤーがものすごーーーく苦手なのである。沖縄では、誇張抜きに夏はほぼ毎日ゴーヤーチャンプルーを食べるので、私は小さい頃から夏が大嫌いだった。夕食の支度をしている母が、スプーンでゴーヤーの種をくりぬいている姿を見ると、「ああ......今夜もゴーヤーか......」とブルーになったものである。


先日も母が段ボールにごっそり送ってきたのを持てあましてしまい、あちこちに配りまくったのだ。さすがに一回くらいは自分で料理しないと母に悪いしな〜としぶしぶ作ったのが今夜のゴーヤーチャンプルー。多分、今年最初で最後のゴーヤー料理である。料理の間も、私は一切味見しなかった。ごめんよ、お母さん......。オットと義父がもりもり食べていたのがせめてもの救い。