メロメロエアロ

お風呂上がりにおっかなびっくり体重計にのったら......(以下略)。


というわけで、眉間に縦じわをよせつつジムへ。んもう、死ぬ気で!死ぬ気で!運動しないと! いつもより気合い入れて10分ほどストレッチしたあと、マシンでみっちり筋トレ。その後は、とにかく有酸素運動で脂肪をバンバン燃やすのだ!と鼻息荒く「わくわくエアロ」というスタジオプログラムに参加しました。


「わくわくエアロ」はいくつかあるエアロビクスのプログラムの中では一番易しいレベルです。しかも日曜日とあって参加者の多くは、普段運動とはあまり縁のなさそうな体脂肪率高めのお父さんや、農閑期になまった体をひきしめるべ、とやってきたとおぼしき筑波山麓のおばあちゃん、ママとパパについてきました、という感じの小中学生のボーイズ&ガールズなどなど、いかにもビギナーという面々ばかりです。


開始前にインストラクターさんが*1、「はーい、エアロビクスに参加するのが今回初めてという方は手を挙げてくださーい!」と呼びかけると、5人ほどの手が挙がります。
「あ、けっこういらっしゃいますね。じゃあ今日のクラスはゆっくりめでいきましょう」とインストラクターさん。


ああ、よかった。今日はなんとかついていけそう。実は子どもの頃から最悪のリズム感を誇る私、エアロビクスはものすごく苦手なのです。小学校の頃、フォークダンスの「マイムマイム」もクラスの中で最後まで私一人が踊れなかったのです。そんなウンチな私、平日のプログラムでは全身ナイキのウェアでキメキメにきめてるベテランに囲まれてうろうろしているだけで、コンプレックスにうちひしがれているばかり。けど、今日はビギナーばっかり。私はこれでも5回目の参加だし、なんとなく勘もつかんできたし、少しは先輩風吹かせそうだわ。少なくともばあちゃんには勝てる! と、微かな自信と余裕。


さて始まりました、わくわくエアロ。曲はビリー・ジョエルの「uptown girl」うわーい、好きな曲♪ とノリノリでステップを踏み始めました――



申し上げます! 隊長! 自分は、やっぱりついていけないであります!
・゜・(ノд`)・゜・



生来の方向音痴が災いしているのか、
「右、左、右、左でサイドステップから、ボックス踏んで、ぐるっと回って、踏み込んで、反対側からクロスでシャッセ」という一連の流れの、
「ぐるっと回って」という箇所で、絶対に、これはもう必ず、みんなと反対の方向にぐるっと回ってしまうのです。「ぐるっと回って」、隣の人とばっちりお見合いしてしまい、あ、ヤバイ、また間違えた! と思っても軌道修正はきかず、そのままみんなと逆方向へどんどん進んでしまい、そのうちに手も足もぐだぐだに。思わず同じ手と足が一緒に動いてしまいます。焦るやら恥ずかしいやら。それでも健気についていこうと一生懸命「右、左、右、左」とリズムを取っていても、なかなかみんなと同じ方向に進めません。あわあわおたおたしていると、初心者として手を挙げていた体脂肪率お父さんとガツンとぶつかってしまい、あろうことか、この体脂肪率父さん、私に向かって忌々しそうに「ちっ」と舌打ちするではありませんか!


ガ━━(゚Д゚;)━━━ン


なんなの? 初心者のくせに5回目の私に舌打ちだあ? いったいナニサマ? だいたい今日のステップはやけに難しくないかあ? 今日は初心者だらけだからゆっくりめでいくんじゃなかったの?ほらみてごらん、農閑期ばあちゃんだって困っているじゃない! とばあちゃんを見ると


ガ━━(゚Д゚;)━━━ン


ばあちゃん、完璧......。ばあちゃんだけじゃなく、小中学生も、お父さんも、お母さんも、みんな完璧......。どっからどう見ても、この集団の中で一番ダメぽなのは私......。


衝撃の事実に呆然としていると、インストラクターさんが私の横にぴったりついてきて、
「わかんなくなったら足踏みだけでいいですからね、はい、右、右、右、右♪」と丁寧に「足踏みの仕方」を教えてくれました......○| ̄|_


私が一人寂しく「足踏み」している間も、軽快なビリー・ジョエルに合わせて楽しそうにステップを踏む一同。宴もたけなわの頃、インストラクターさんが
「はい、じゃあここから声出していきましょう!」と合図すると、待っていましたとばかりに
「ハイハイハイハイ! ハイハイハイハイ!」とみなさん、大声を上げながら手を打ち鳴らしてステップです。


みんな「ハイハイハイハイ! ハイハイハイハイ!」
私「右、右、右、右」
みんな「ハイハイハイハイ! ハイハイハイハイ!」
私「右、右、右、右」


くっそー、ちーっとも全然楽しくないんですけど?! なによ、みんなだけで盛り上がっちゃって。ハイハイハイハイってうるさいのよ! そりゃあ確かに私はエアロビクスはへたっぴいだけどさあ!それでも強力粉と水とイーストがあれば生地をこねて発酵させてパンにすることもできるし、鍋でご飯を炊くこともできるし、小1の時には校内写生大会で金賞もらったこともあるし、生徒会の副会長になったこともあるし、大原麗子の最初のダンナが渡瀬恒彦だったことも、その次のダンナが森進一だったことも知ってるんだから! チェッカーズのメンバーの名前も全部フルネームで言えるんだから! 中山ミポリンと田原の俊ちゃんが付き合っていた過去も知ってるんだから。そうよ、とこりはダメ人間なんかじゃない、ほんのちょっと、すこおし、のんびり屋さんなだけだもーん。


と、ムリムリ自分を鼓舞しつつ、結局ほとんど足踏みだけで60分のプログラムが終わってしまいました。私のリズム感がひどいのは毎度のことだけど、今日はいつにも増してひどかった。ちっとも「わくわくエアロ」じゃないよ。メロメロだよ......。


( ´・ω・`) ショボーンとしながらスタジオを出ようとすると、インストラクターさんが
「気にすることないですよ〜。最初はみんなできませんから」と声をかけてくれました。ひょっとして気を遣われている?私?


久々にどっぷりと落ちこぼれ感に浸った地獄の60分。こんな気持ちは高校の頃数学の追試を受けて以来です。まさかばあちゃんに負けるとは。


あんまり悔しいので、帰宅してソッコーでこれをカートにいれました。これでひみつとっくんを重ねて、いつか足踏みから脱却してやる。愚図でのろまなタートルの私だけど、そのうち大空に羽ばたくんだから。見てろよ、体脂肪率父さん!農閑期ばあちゃん!

*1:ねえ、インストラクターってどうやって略するの?イントラさん? インストさん?