ほっこりがたっぷり

デジタル一眼レフを入手して、ハイセンスでナチュラルでうっとりな写真をバシバシ撮りまくってblogにのっけて、一躍カリスマブロガーになってやろうというのが、最近のワタクシの赤々と燃えたぎる野望です。今年のクリスマスには、さんたさんがこれを私の靴下に入れてくれる手はずになっています。

さんたさんが我が家にデジタル一眼レフを届けてくれるその日まで、とりあえず手持ちのコンパクトデジカメで技術を磨いておくことにしました。
何かを始める前にはとりあえず書籍に頼るのがとこり流。最新の撮影テクニックを習得するためカメラ雑誌でも買ってこようと、いそいそと近所の本屋に向かいました。

そしたら......
「LOVEカメラ」とか、「カメラ日和」なんていう、まさに私の狙っているうっとりおしゃれ写真を撮るための入門ムックがたーくさん出ているのね。びっくりよ。

いままでカメラ雑誌といえば、若いおねいちゃんがにっこりほほえんでいたり、海や山、鉄道など、銀行でもらってくるカレンダーみたいにクソ面白くない風景写真が表紙になっていて、いかにも男性向けという体裁だったのだけど、デジカメが暮らしにすっかり浸透したことに加え、昨今の「何気ない日常をほっこりていねいに暮らす」「シンプルあーんどナチュラル」という「暮らし系」の流行で、若い女性の間でこういう「おしゃれ雰囲気写真」がブームになっている模様。たしかに、最近の女性のブログには雑誌の切り抜きみたいにきれいな写真を載せている人が増えたもんなあ。みんなそこそこ上手だし。

てゆうか！　これって、私と同じく「おしゃれ写真満載のカリスマブロガー」を目指すマダムがたくさんいるって事？？？ライバルわんさか？？？　うかうかしてられないじゃない！

と鼻息荒く、さっそく一冊購入して熟読しましたよ。
掲載されているのは、「スタイリスト」や「料理研究家」「イラストレーター」「雑貨店オーナー」など、おしゃれ系職業の女性が撮影したスナップ写真の数々。今号の特集は「旅行写真」だったのですが、その旅行先がまたおしゃれ。「京都」「フランス」「北欧」「メキシコ」「ベトナム」ですよ。まちがっても「熱海」「清里」「グァム」じゃないんですよ。旅先のセレクトにもセンスが問われる時代。

そのほかには
「スイーツ（自作）とマグカップの珈琲が自然光の中でおしゃれにたたずむの図」
「飼っている猫がカーテン越しの光の中でまどろむの図」
「お気に入りの雑貨がアンティークのテーブルの上に無造作（風）に置かれているの図」
「丹誠込めて育てた庭の花の図」
などなど。

露出だとかホワイトバランスだとか、小難しいテクニックにはとらわれずに「私なりの感性で切り取った日常のヒトコマ」というヤツです。さすがにみなさん、おしゃれ系職業に携わる方々だけあって、どの写真も雰囲気があって愛らしくて、イイ感じ。

こんなかんじね。

でも、どれだけページをめくっても、似たような色調の似たような被写体が似たような構図で撮られていて、なんだか食傷気味。どこまで行っても「半径3メートルの私の日常」って感じなんだなあ。まあ、雰囲気写真なんだから、前衛的であったり強いメッセージがあったりする必要はないんだけど、どの写真も無味無臭でちょっと退屈。「これっておしゃれでしょ？　どうよ？私のセンス？」って言いたいだけじゃないの〜？　と思ってしまう。

......そんなあまのじゃくなことを言っていたらカリスマブロガーにはなれないわね。というわけで、わたしも「おしゃれ系雰囲気写真」に挑戦してみましたよ。

私の「夜のうっとりティータイム」のテーブル風景。わざとらしくスズランの花瓶を取り込んでナチュラルテイストを演出してみました。

自作のクッキーの図。不揃いのクッキーの無造作なフォルムが逆におしゃれ、と言わせたい。

今日の夕食。アスパラベーコンとポテトのキッシュの図。大胆に素材に寄ってパイ生地のサクサク感を臨場感たっぷりに表現したつもりだけど、見事に外している。

ううむ、全体的に「無理しちゃってる感」が否めない感じ。もっとこう、自然におしゃれな感じが出ないものかしら。

......考えてみれば「おしゃれに！おしゃれに！」って必死になっている私って、ものすごくおしゃれじゃないわよね。

ちなみに、こちら↓たまたま見つけたうっとりおしゃれ雰囲気写真満載の「暮らし系サイト」のリンク集です。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~simple-l/link1.htm
先述のカメラ雑誌の読者層はこういうサイトを作っている主婦たちなんでしょうね。んまー、どのサイトもどのサイトもほんとにきれいでおしゃれでセンスよくてナチュラルでこだわりがあってほっこりでゆったりでうっとりだわ〜。でも、これだけてんこ盛りだと、ほっこりも少々げんなりかも......(笑）