うっとりはぐったり

さてさて、自分で焼いたパンやお気に入りの雑貨、庭に咲いたハーブ、風に揺れるカーテン、お昼寝している野良猫などを被写体にして、おしゃれ系うっとり雰囲気写真を撮りまくろうと張り切っているワタクシ。
しかし、庭のハーブはもう何ヶ月も前に枯らしてしまったし、お昼寝している野良猫を探しているヒマはないし、とりあえず手っ取り早く自分で焼いたパンなんぞを「うっとり系」に撮影してみることに。


まず、被写体になる予定のパンを焼きます......ってそこからかいっ!
夕食の準備と平行して焼き始めたので、キッチンは大変な散らかりようになってしまいました。バタバタしたけど、まあなんとかいつもの丸パンが焼き上がりました。


さあ、ここからが「うっとり系」の本領発揮。焼き上がったパンをドアップに撮って「パンが焼けたよ」だけじゃ芸がなさすぎる。センスのいい器にかっこよく盛りつけて、かわいらしい柄の布を敷いたりして、「私なりの感性で、心地いい暮らし」的うっとりな雰囲気を演出しなければ。


で、今回パンを盛ったのは、沖縄の伝統工芸品の竹ザル。「沖縄の伝統工芸品」ですって。これ、ポイント高し。


それから以前アメリカの友人からもらったものの、使う機会がないままタンスの奥にしまい込んでいたテーブルクロスを引っ張り出してきました。


ダイニングテーブルの上を片づけて、いざいざ撮影開始したのですが......いやいやこれが大変でねえ。焼き色や形にムラがあるパンを一個一個点検してカメラ映えのするパンを慎重に選んで、ざるに盛りつけるパンの数は偶数がいいのか奇数がいいのかで悩み、さらに美しく見えるようにああでもないこうでもないと並べ替え、さあ、ようやく構図が決まったわと思ったら、変なところに影が出来てしまったので、オットから小型レフ板を借り(!)、レフ板借りたはいいもののよく考えたら私、レフ板の使い方知らないんだったと気がつき、とにかくこの変な影を消すのだ〜と躍起になって、またまたオットから懐中電灯を借りて照らしてみたり(逆効果だった)、しゃがんで撮ったり、踏み台持ってきて上から目線で撮ったり、テーブルに寝そべるようにして撮ったり、そりゃあもう大騒ぎ。



ひとり撮影会の後の様子。散乱する布、レフ板、懐中電灯。


いやいや、雰囲気写真って大変なのね。これ、パンだったからよかったけど、パスタとか麺類だったりしたら絶対伸びてるって。自分のblogにこういうおしゃれ写真を載っけているマダムの方々もこんなに苦労しているんでしょうか。毎晩、夕食の前にほかほか湯気を立てている料理を前に、ああでもないこうでもないとお皿の位置を変えたり、立ったり座ったり、電灯を付けたり消したり、レフ板使ったり、試行錯誤して撮影してるんでしょうか。その間、家族はお預けなんでしょうか。それともみなさんセンスがいいので、うっとり写真の一枚や二枚、あっという間に撮れちゃうんでしょうか。私に絵心がないだけ?


で、苦心惨憺の末、できあがったのがこんなうっとり写真。



あれだけ大騒ぎした割には、かなーりイマイチな出来ですねえ。やっぱり変な影ができているし、布の折りじわもバッチリ見えるし、なんといっても、雰囲気がほっこりしていない。もっとこう、画面全体が白っぽくて、ソフトフォーカスで、柔らかい光が差し込んできて、そよ風が吹いているのが見えるような、そんなうっとり写真が撮りたいのに〜〜〜。


でもまあ、さんざん苦労して、パンやお菓子や雑貨や犬猫を絵はがきみたい撮ったところで、「だから何?」というツッコミが入るのはわかっているのですが。うるさいわね〜、私の自己陶酔のジャマしないでくれる??