充実の実情

手術を機カフェでのバイトはにしばらくお休みしていたのですが、なんと私の退院と同時に閉店が決まってしまい、行き場を失ったさすらいのプータロー主婦のワタクシ。
まあ、カフェでの仕事は思いのほか力仕事で体力的にもきつかったし、あまり要領のいい方ではない私にとっては何かとストレスになることも多い職場でした。閉店してしまったのは寂しいけれど、一息つけて少々ほっとしたのも事実。いい機会だからしばらくのーんびりして、有閑マダムを気取ってみようと思っているのですが、のーんびりも2ヶ月を過ぎるとただのぐーだらです。


金になる仕事はしていないけれど、せめておうちのことくらいはきちんとこなそうと、毎日掃除機かけてぞうきんがけして、2週間に一度はワックスがけもして、天気のいい日は窓ガラスを磨いて、パンやお菓子を焼いて、大嫌いなアイロンがけもなるべくためないようにして、積極的に雑事をこなしています。子育てやお仕事に忙しくしている人たちからはユーガでいいわねえと皮肉のひとつも言われるかもしれませんが、自分の時間を持てあまさずに有意義に使うってなかなか大変です。


お部屋がきちんと片づいて、窓ガラスがぴかぴかで、オーブンからは焼きたてのパンの香りが漂って......って、確かに心地よく楽しいことではありますが、そんな「ささやかな日々の幸せ」も毎日続くと単調なルーティンワークのように思えてきます。パンをこねて紅茶を淹れてぴかぴかの窓ガラス越しの景色を見ながらティータイム♪と気取ってみても「だからどーした」というつっこみの声がどっかから聞こえてきます。


2ヶ月前、バイト先のカフェの厨房であたふたと走り回っていた頃は、「憧れていたカフェでのお仕事だけど、実際に仕事になるとイメージと全然違うのね。私は家で自分のペースで家事をしたりお菓子を焼いたりしている方が断然気楽でいいわ」なんて思っていたのですが、いざ「自分のペース」の日々になると「単調な日々......こんなんでいいのかしら?」なんて思っているんだから勝手なもんです。つくづく「充実」とは難しい。


「充実」って何だろうなあ。私は「充実」を外的要因に求めすぎているのかなあ、中身が空っぽな人間がいくら外で働いても家事に専念しても、いつまで空っぽなままなのかもなあ......などと思いながら伊藤園「充実野菜」を飲んでみるのでした。少なくともビタミンくらいは充実させておこう。


というわけで、今日も今日とて
パンを焼いたり、


お花を生けたりして


空白の時間をせっせと埋めています。すっかり皮下脂肪が充実してきました。