真夏の断食大作戦! 3日目

7月30日(水) 3日目。
7時起床。朝方はやはり涼しい。相変わらずやかましいほどの鳥の声。
完全断食は今日まで。今日一日乗り切れば明日から食事ができる!......といっても重湯だけどね。

8時に「練功十八法」。そのあとゆっくり2時間くらいかけて物理療法&マッサージ。
物理療法をすませた後、ちょっくら散歩にでも行くかと思ったけど、あまりの日差しの強さにまたも断念。日暮れ頃まで部屋で読書をしたりして過ごす。


それにしても時間を持てあます。主婦になってからは、家で主婦しているときは、買い物〜調理〜食事〜後かたづけと「食事」を中心に一日が回っている状態だった。日々の家事のほとんどは食事に結びついていたし、現在のパート先も食べ物屋だ。日常生活から「食事」というパートがなくなったときの欠落感がこんなに大きいとは思わなかった。


ロビーで職員の方とおしゃべりをしていて
「テレビ見るのがつらいです。どのチャンネルも必ず食べ物が映るんだもん」と言ったら、「ほんとですよね。食べ物の情報って多すぎますよ。だから現代人は食べ過ぎちゃうんでしょうね」と言っていた。テレビをつければ一日中グルメ番組でCMは半分くらい食べ物関連。世の中は「食」に関する情報の洪水だ。そう、美味しい食べ物があふれているのは豊かで平和でけっこうなことなんだけど、情報の波に追いまくられるように「もっと美味しいレストラン」「もっと美味しい食材」と走りつづける生活。情報はあとからあとからやってくるから「もっともっと」に終わりはない。私が突然「断食」を思い立ったのも、「食」に振り回される生活をここらあたりで小休止させたかったのかもしれない。


それでも、空白の時間に考えることといったらやはり食べ物のこと。
テレビで「きょうの料理」を見ていたら、ケンタロウが奄美で油そうめん(沖縄で言うところのソーミンチャンプルー)を作るシーンが出てきて、ハッと気づくと、胸元にリアルよだれがたれていた。「よだれが出そうに美味しそう」って比喩かと思っていたんだけど、ほんとうにほんとうに「食べたい!」と思ったら出るのね、よだれ。


夕方になって涼しくなってきたので、徒歩20分ほどのところにある八幡野港という小さな漁港までお散歩。「行ってきま〜す」と窓口の人に声をかけて出かけようとしたら、「とこりさん、帽子は? 日傘は?」と声をかけられたけど、そんなもの持ってませんから。日焼け止めさえ塗っていないし。



ほんとうに小さなのどかな漁港。夜、線香花火でもしたらきれいだろうな。
このあたりの海は波が荒いのか、岩場に白い波しぶきがざっぱーんとたっていた。まるで東宝映画のオープニングみたい......って、確か昨日も同じようなことを思ったんだった。波しぶきは全部「東宝映画のオープニング」かよ。


1時間ほどぶらぶら歩いてきて、すぐお風呂。髪を乾かしてながら鏡に映った自分の顔を見てびっくり。明らかにお肌のつやが違う! シミが薄くなっている! 目もキラキラしている! 首筋や腕に出ていたアトピーもよくなっているし!
なんか、なんか、ちょびっと美人になっていない?  ねえねえそうよね? 私きれいになっているわよね。これがいわゆるデトックスってヤツ? いやあ、空腹の3日間はムダではなかったのね。やっぱ効果あるんだなあ。「美人になった」って言ってもあくまでも(当社比)だけどさ。でも、効果が実感できるってうれしいじゃない?


体重は昨日よりさらに1kg減。断食中は1kg減のペースらしい。となると私は3日断食だから3kg減になるのかな? お金かけてわざわざ伊豆まで来て3kg減量っていうのは割に合っているのかどうかビミョーなとこだけど、とにかく「身体から毒が出た!」という確かな実感があるだけでもよしとしよう。


さあ、明日から回復食が始まる。日常生活から切り離された「食事」のパートが戻ってくるのだ。戻ってきた「食事」パートを、これから自分の生活にどんなふうに組み込んでいくのか、それは私次第。