晴れた休日の公園

  • たま〜に立ち読みするマクロビ・ヘルシー系の雑誌から得た知識によると、世間で言われる「健康な食生活は一日三食!特に朝食は必ずとること!」というのは実は神話で、本来、朝は排泄の時間なので、あえて栄養を摂取する必要はないのだとか。そもそも人が一日に三食とるようになったのはごく近代になってからで、それまでは一日一食、もしくは二食で十分だったんだって。だから朝は胃に負担をかけない程度の食事、果物や野菜ジュース程度でいいんだとか。マクロビ・ベジタリアンになる予定はないけれど、この理論はなんとなく説得力があるような気がしたので、もう1年近く我が家の朝食は果物か野菜ジュース、そのどちらもなければバランス栄養バーを1、2本つまむ程度になっている。健康上の理由というよりも、時間のない朝にバタバタ朝食の準備しなくていいというのが気に入ってるだけなんだけど。んなわけで今日の朝ご飯はライトミールを2本と黒豆茶トップバリュが出しているカロリーメイトのパクリみたいなもんだけど、実はカロリーメイトより安くて、種類が豊富で、味も好み。特にブルーベリー味はそんじょそこらのクッキーよりもしっとりしていておいしい。
  • めざましテレビ」のワンコーナーで「桃屋のラー油を探せ!」という企画。人気爆発のこのラー油。私も話題になりだした頃に買ったことがあるけど、その時も「最後の一本」って感じだった。いまじゃ、どこのスーパー行ってもぜっっっっっっったいに売り切れ。この品薄感はハンパない。またメディアでこのプレミア感を煽りまくるんで、購買意欲によけい拍車がかかるんだろうなあ。まさに幻のラー油。いや確かにおいしいけどね、桃ラー。特に冷や奴にのせて食べると一瓶くらいすぐなくなっちゃう。でもさあ、日本中でこんなに殺気だって買い漁ることないじゃんねえ? たかがラー油だよ? なんでそんなに熱くなる? なんか、最近の世間の「熱狂」っぷりって、タガがはずれているような気がしてならない。なにかに夢中になると、先を争ってそれに飛びついて、消費するだけ消費し尽くしてあっというまに飽きてしまう。食べ物関連だけでも、古くはナタデココにはじまり、ティラミスとか、パステルのなめらかプリンとか、バナナとか納豆とか。あの騒ぎはいったい何だったの? オリンピックとかワールドカップとかのりピーとか市橋容疑者とか、の騒ぎもこの流れにあるような気がする。あと、ちょっとニュアンスは違うけど、エドはるみとか小島よしおとかHGなんかも、吸いつくすだけ吸いつくされて無造作に捨てられている感じ。なんだかなあ......。そんな瞬間湯沸かしみたいなブームばっかり量産してないで、もっと冷静に深みと厚みのある情報を吟味しようよ。……なんてスカしてるけど、スーパーで見つけたらやっぱり買っちゃうだろうなあ、桃ラー
  • 玉置浩二バブル青田と4度めの結婚か?!というニュースにびっくり。玉置さんってほんとに懲りないというかなんというか、根っからの恋愛体質なのね。ふぞろいな彼女と破局したのはついこないだのことなのに。血気盛んな若者ならいざ知らずそろそろ還暦も視野に入ってくるお年頃だというのにまったく枯れないのがすごいわ。しかも、またヒトクセありそうなバブル青田。今度も長続きしないような雰囲気マンマンなんですけど。それにしても、玉置さんの周囲、とくに安全地帯のメンバーは「またかよ……」ってうんざりだろうなあ。ずば抜けて才能がある人なんだから、私生活以外でメディアをにぎわせて欲しいわ。彼が作曲した中森明菜の「サザン・ウィンド」は私のカラオケ18番なのよ。
  • バイト終えて帰宅してから、ささっと着替えてストレッチして洞峰公園でランニング。暑すぎず寒すぎず、空気がからっと乾いていて日差しも柔らかくて、「五月晴れ」という言葉がぴったりのすばらしいお天気。ここ洞峰公園は、つくばで一番大きな公園で、内周1km、外周1.6kmのジョギングコースがある。コースはゴムチップ舗装が施されていて足に優しいので、普通の道よりずっと楽に走れる。木々や草花が美しい公園で、今はカンヒザクラが満開。晴れた休日の公園って、集まる人すべてが幸せそうに見える。「平和」とか「家族」とか「愛」とか「人生の喜び」がこの光景の中にたくさんあるなあ......てなことを思いながら?7分ペースで5km。不安だった左足と股関節の痛みも今日は出ない。よかった! 
  • 帰宅したら、注文しておいたこれが届いていた

気温が上がってきて、長い距離を走るとのどが渇くようになってきたのでボトルポーチは必需品。いろんなメーカーがいろんな形のボトルポーチを出しているけれど、いろいろ調べて一番評判がよくて収容力がありそうなこれをセレクト。実際にボトルを入れて少し走ってみたけど、うん、しっかり腰に固定されてほんとうに「yurenikui」。明日はさっそくこれ持って走りに行こう。

  • 夕飯は昨日作るはずだった豚キムチ。走った後に熱いお風呂に入って、缶チューハイぐっと飲んで豚キムチ......。ああ至福......でもこれやると私腹に脂肪が......そしてまたしても女子力ゼロの食卓......。
  • 夜遅く、オットが福岡から帰ってきた。おみやげはめんべいちかえの明太子。明日の夕飯はおいしいご飯を炊かなきゃね。

力まず続けよ、web日記

5、6年前まであんなに夢中になって書きまくっていたweb日記なのに、ここ最近はどうしても継続的に書くことができない。webに興味がなくなったわけでも、書きたいことがなくなったわけでもない。相変わらず自己顕示欲は旺盛でミーハーだから、書きたい事柄はいくらでもあるような気がする。最近で言えば、エリカ様の離婚騒動とか「ちゃんこダイニング若」の破産とかね。しかしなあ、花田勝氏、思いの外転落が早かったなあ。元妻の美恵子さん、ハワイに移住して月300万円の養育費もらってるって聴いたけど、これから先どうなるのだろう。やっぱり最後の最後で笑うの貴乃花夫人だったってことか。


……んなことはどーでもよくって。
わりとまめに更新していた数年前に比べると現在のアクセス数は半減。自分で放置しておいてアクセスが少ないのを嘆くのも我ながらゴーマンだとは思うのだけど、やっぱり読んでくれる人が少ないと寂しい......。でも、今みたいに気まぐれな更新頻度じゃ誰だってついてこないわよねえ。
(´・ω・`)ショボーン


思うに、「おもしろいことを書こう」「読ませよう」と思うから毎日書くのがキツくなるんだよなあ。私ごときがどんなに力んでウケを狙っても空回りするだけなんだし、細く長く続けるためには、「誰かのために」とか思わずに、もっと淡々と力を抜いて、とにかく「継続」することが第一。毎日書くって大事よ。


私、せりあさんとかミソジさんとかクリタさんとか、毎日欠かさず、結構なボリュームでしっかりとした内容の文章を更新し続けている人たちってほんとうにすごいと尊敬しちゃう。毎日書くって、書き続けられるって、すごいことよ。やっぱり毎日書いている人は、文章もこなれていて読んでいて安心感があるし、その人の生活のリズムで自分の生活のリズムのペースメーカーになってくれたりするし。継続は力なり。見習いたい!!


というわけで、私も毎日!は無理だけどいまみたいに一週間続けて更新して半年放置とか、気まぐれきわまりない現在の状況を打破するために、とりあえず、この一週間だけでも、日常メモだけでもいいから極力毎日書こうと思います。……って、こーやって「宣言」してしまうあたりが自己顕示欲なんだよなあ。力みすぎなんだってば。もっと軽いノリでサクサクやんなきゃ。とりあえず、昨日の出来事を時系列順に書くことから始めてみよう。


朝、福岡に出張のオットを見送るため6時起床。オットは昨日まで原因不明の高熱が出ていてゆでだこみたいになっていたから、今回の福岡行きもかなり危ぶまれたけど、ツマの献身的な看病のおかげか、今朝はなんとか平熱。なんとか無事に乗り切ってほしいもんだ。


せっかく早起きしたことだし、さくっと早朝ランニングに行こうと思ったけど、こないだから微妙な違和感がある右の股関節と左肢のすねが不安なのでぐっと我慢。走ることが習慣になってくると、走れない日が続くと体力・体重がたちまち元に戻るような強迫観念がでてくる。健康的な自分を確認したくってついついオーバーワークになってしまって、故障してしまい、泣く泣くランニング休止……の悪循環の繰り返し。継続させるにはとにかく「力まないこと」だね。


お掃除して洗濯して、ちょこちょこ事務作業して、お昼は一週間ぶりにつくば市桜の「アンマーカリヤ」で。大好きなスリランカカリーのお店だ。最低でも10日一回はここのカリーを食べないと禁断症状が出てくる。バターたっぷりのインドカレーよりもさらっとしたスープカレーの方が好き。カレー大好きなので、東京の名店と言われる店にも何度か行ったけど、私の中では「アンマーカリヤ」がベスト。ちなみに我が街つくばはなぜかカレーレストランが異様に多い激戦区。カレー好きな人はぜひつくばでカレーはしごを。


昼食の後、介護施設の義父の様子を見に行って3時からバイト。連休明けの平日の夕方とあって、暇。この職場は基本的に一人5時間のシフト。つまり5時間、だあれも話し相手がいないということ。ぽつりぽつりと間遠な接客の合間に、掃除、包装、備品の整理、考えつく限りの仕事をやったけど、それでも時間を持て余した。退屈は苦痛だ。


8時半に退勤。今夜は一人の夕食。オットの出張が多いので一人夜ご飯の日が多い私。しかし、いっつもいっつもなにを食べようか悩む。一人でさっさと食べ終わってしまうのはむなしい。一人の夜こそ、夕飯はゆっくり楽しみたいので、なるべく時間がかかるものがいい。そうかといって、やたらと手間がかかるのはめんどくさい。お酒を飲むのでその分、食事のカロリーは控えたい。食べるのに時間がかかって、調理が簡単で、低カロリーで、酒のつまみになってというすべての条件を満たすメニューといえば、そう!湯豆腐ですね。ほんとにもう、私はこの冬豆腐を何丁、ポン酢を何リットル消費したんでしょうかっつーくらい食べまくったわよ。今年は4月の半ばまでだらだらと寒かったんで湯豆腐が長く楽しめたんだけど、さすがに5月に湯豆腐はきついよなあ。


さて、どうしよう……と悩んだ末にたどり着く結論はいつも一つ。安い材料ですぐできて絶対に失敗なくできあがって、お酒のつまみにもなる豚キムチ。夜遅い時間にお肉はやめといた方がいいような気がするからお肉の代わりに厚揚げを入れよう。仕上げにちょこっとめんつゆを入れるとおいしいのよん。
で、豚キムチを作るべくスーパーに行ったら、お刺身の3天盛りパックが半額だったので即買い。あとキャベツにこれかけて塩だれサラダに。調理時間は「冷蔵庫からしょうゆとわさびを出す」「キャベツをざく切りにする」だけ。この2品を用意して、DVDで「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」見ながらワイン。それにしても色気のない食卓だな。女子力ゼロといった感じ。世の中のおしゃれマダムな方々は、一人の夕飯としてどんなものをセレクトしているのかしら。やっぱりパスタとか?ピッツァとか?


......こうやって読み返してみると、やっぱりおもしろくない。こんなしょーもない身辺雑記を「毎日」書いたところで、いったい誰が興味を示すというのかしら?という根元的なギモンが沸いてきますが、まあいいや。継続は力なり。力は力でも、力まず、サクサクと。

海の上の疾走?

会場の「あやはし海中道路」とは、沖縄本島中部の与勝半島から浜比嘉、平安座島、宮城島、伊計島へという島々をつなぐ全長約5kmの巨大な海の上に浮かぶ橋のことです。海の上にあるので眺望は360度海!晴れた日はこのように360度を海に囲まれたスバラシイ眺望。

その橋の真ん中を海風に吹かれながらいっきに駆け抜けるサイコーに気持ちのいいレースになる!......はずだったのですが、この日はひどい土砂降り。360度どころか、雨が顔中に当たりまともに目を開けてられません。スタートの号砲が鳴った後、雨はさらに激しさを増し、一般道路に出る前の陸上競技場をゆっくり一周する段階でもうドロドロのびちゃびちゃになってしまいました。最初は「まいったなー。カラダも靴もぐちゃぐちゃに濡れちゃうよ」とテンション下がっていた私ですが、ここまで思いっきり濡れるなんてすっごく久しぶり。むしろ気持ちがいい。


レースの時は周りの雰囲気に飲まれて普段以上のペースで走ってしまい、後半バテバテになることが多いらしいので、走り始めは「とにかくゆっくり、ゆっくり」と呪文のように言い聞かせていました。というか、雨が目に入らないようにうつむき加減で走っているので周りを見る余裕なんてない。例年なら沿道いっぱいに地元の人たちがにぎやかに応援してくれるのだろうですが、雨のせいか応援も少なめ。それでもエイサー太鼓やかちゃーしーなどで「ホレホレホレ、がんばれがんばれ!」と声援を送ってくれる地元の小学生やボランティアスタッフだち。こんなひどい雨の中、私のためにずぶぬれになって応援してくれてありがとう......とうるっと来てしまいました。


3kmほど走ったところで給水所がありました。おおっ、これがテレビのマラソン中継などで見かけるあれか。走りながらさっと紙コップを取って一気に飲み干してそのままパッと横に投げ捨てるのよね、かっくいーー!Qちゃんみたい! とミーハー心がわき上がり、大してのども渇いていないのに紙コップをさっと取り、一口飲んで、パッと投げ捨てました。かっこいい、いま私、かっこいい! といい気分になっていたのですが、周囲をよく見ると、みんなは少し離れたところにあるゴミ箱まで紙コップを持って走り、そこに捨てています。「さっと取ってパッと捨てる」なんてホンモノのアスリートがやることであって、普通はゴミ箱に捨てるのよね。あとで片づけるのはボランティアスタッフさんなんだもん......
ごめんねごめんね〜としょんぼりしながら、それでもどんどん走ります。


いつもは音楽プレイヤー起動させているのですが、今日はなし。こんなに長い距離を音楽なしで走るのは初めてです。少し雰囲気になれてくると、周囲のランナーたちの会話などが聞こえてきます。
「きつい〜。先行ってていいよ」
「雨が顔に当たる〜」
「せっかくの海上道路なのになんも見えないね」
前後を走るランナーの足音、息づかい、すごくクリアに聞こえます。


今回、私はある決意をしていました。それは絶対に歩かないこと。なんだ当たり前だと言われるかもしれませんが、一人で練習してるとちょっとキツかったり、プレイヤーの操作に手間取ったりしてで2,3分歩いてしまうことが多かったのです。キツイのに無理して走ってケガしてもしょうがないし、歩いたところで誰に怒られるわけでもないのですが、毎回歩くたびに小さく「負け」た気がしていたのも事実。でも今日は練習じゃなくて「マラソン」で、私が目指しているのは「完走」であって「完歩」じゃないんだもん。少しでも長い距離を「走り」通したい。ほんの数ヶ月前まで10kmどころか100m走りきるのさえおぼつかなかった私がここまで頑張って練習してきたんだもん。どんなにきつくてもどんなに遅くても絶対に歩かないぞ!


周囲のランナーたちの声や沿道の声援に励まされながら、顔にかかる雨をぬぐってぬぐって、せっせと走ります。それにしてもひどい雨。Tシャツの裾を軽く絞ったらじゃーっと雨水が絞れました。雨水をたっぷり吸い込んで、重く感じられます。でも走る。走る。歩かない。


ようやく折り返し地点が見えてきました。あと5kmか。折り返し地点からスタートした陸上競技場を見ると、ずいぶん遠くに見えます。これからまたあそこまで戻るのかあ。大丈夫かな。でも走る走る。ゆっくりでもいいからとにかく走る。雨がひどくて距離表示がよく読み取れません。後どれくらい走ればいいんだろう。ゴールの陸上競技場はまだまだずっと遠くに見える。


「あとどれくらい?」と思いながら走るのは苦しい。でも、沿道の小学生たちとハイタッチをすると気分がリセットされて「おしっ!」という気持ちになれました。「人と触れあう」てこんなにうれしいことなんだ。スキンシップって大事だなあ。給水所の水も、エイサー太鼓もかちゃーしーもうれしかったけど、一番励まされたのはこのハイタッチです。


あ、ようやく海上道路が終わり、陸上競技場に向かう一般道になりました。会場のアナウンスも聞こえる。ゴールが近づいてきた、ゴールが見えてきた、ゴーール!! やった! 人生で初めて、一度も歩かずに10kmを走り通したぞ! やればできるじゃないか! 自分で自分をほめたい!


ゴールの瞬間、感動のあまり涙が出るのかと思いましたが、とにかく雨と泥がひどいのでそそくさと簡易テントに行き、チップを外してその場でプリントアウトされる完走記録証をもらいました。タイムは1時間9分37秒。計算したらだいたい1kmを6分50秒くらいで走っていました。これは今までの最高ペース。あれだけの雨と泥だったのに、「本番になると普段よりずっと速く走れる」っていうのはほんとうだったんだ。


一人で走って、一人でゴールして、一人で帰るのかなあ、寂しいのう......と思っていたのですが、スタート直前に連絡の取れた高校時代の同級生が車で拾ってくれて、プチ祝賀会を開いてくれました。となりまちにあるスーパー銭湯に連れて行ってくれて、超有名なタコスのお店「キングタコス」で祝杯(といっても、その店には私が飲めないビールしか置いてなかったのでジンジャーエールで)。



「あのとこりが10km走るなんてねえ〜」とつくづく驚かれました。そりゃそうだ。私だってびっくりよ。


twitterで完走したことを報告すると、たくさんの人から「完走おめでとう」のメッセージ。ケータイにも親類や友人たちから「どうだった?」「完走?おめでとう!」のメールがたくさん。ううう......みんなありがとう。私、「孤独なランナー」じゃなかったのね。


この日、4月4日は私の40歳の誕生日のちょうど1ヶ月前でした。たかが10kmだけどこの10kmだけは、誰の力も借りず、自分だけの力で最初から最後まで頑張って「走った」10kmです。自慢できる距離やタイムじゃないけど、誇らしい。このゴールは自分から自分へのバースデープレゼントです。これまでいつも誰かに寄りかかって、もたれかかって、楽な方に楽な方にと、のろのろと歩いていた私ですが、30代の終わりに、10km走り通すことができて、ほんのちっぽけでも確実な達成感をプレゼントされたことはほんとうにラッキーだったと思います。こんな充実感は久しぶり。走ってよかった!


この達成感と充実感にすっかり味を占めて、帰省後、さっそく6月のレースにエントリーしてしまった私です。このレースはいまや「ラン友」であるketket夫妻と一緒です。次回はもう少しいいタイムでゴールしたいなあ。もっともっと速く、もっともっと長く走れるようになりたい。小さいけど、「目標がある生活」っていいもんだ。せいぜいケガしないように、身の丈にあったペースで、これからもえっほえっほ走るぞ〜。


というわけで、おわり。はー、やっとおわった!


ひとがみな、我より速く見える日よ――

「つづく」と書いて10日以上も経ってしまった......もはや誰も読んでいないと思いますが、このまま尻切れトンボになってもアレなので、とにかく完走、じゃなかった、完成させよう。


「とにかく完走!」だけを目標にした「あやはし海中ロードレース」出場のため、いよいよ決戦の地・沖縄へ。ホントならレース当日までは調整に調整を重ね、体力・気力とも万全のコンディションで臨みたいところですが、なぜか今回の帰省はこれまでにないハードスケジュール。


1日目 那覇着 実家泊
2日目 石垣島へ。沖縄最高峰のオモトダケ登山 石垣島
3日目 石垣島から高速艇で西表島へ。マングローブの森の中をカヌーで下る。西表島
4日目 西表島石垣島那覇へ 実家泊
5日目 実家にて興南高校の応援 実家泊
6日目 あやはし海中ロードレース
7日目 フェリーで幼なじみが住む伊平屋島へ 伊平屋泊
8日目 伊平屋島から那覇
9日目 那覇から羽田へ


8泊9日の滞在中に3つの島を渡り歩き、山に登ったりカヌー漕いだり、といういつになくアクティブなスケジュール。要所要所で母の手料理や親戚・友人たちとの酒宴のおかげで食べ過ぎは必至。楽しいんだけど、今の私は大事なレースを控えた身……。ケガなんかしたらどうしよう。それより、こんなハードスケジュールじゃ調整どころじゃない、ジョギングする暇あるのかしら?


石垣島や西表に渡るときも、ランニングシューズやウェアは持っていって、時間を見つけて走ろうと思ってはいたのですが、とてもそんな余裕はなく。かろうじて石垣島で早起きしてホテル周辺を軽くジョギングしましたのですが、run&walkでデータをみてみると、ペースが格段に落ちていて愕然。しかも、ほんの4kmほど走っただけなのに、足はガクガク心臓はバクバク。スタミナも落ちています。やばいよ、これはやばいよ。

結局、沖縄に渡ってからはろくな練習もできずにいよいよレース前日。とりあえず2日ほど禁酒して、夜寝る前のスクワットと腹筋だけはしておきましたが、そんなの気休めにしかなりません。頭の中は石垣島をちょこっとジョギングしたときの格段に落ちたペースのことばかり。しかも、お肉&油たっぷりの沖縄料理をたらふく食べたおかげで、体重が2kgも増えていました。ランニングの時は、1kg体重が増えるとペースが2分遅くなるときいたことがあります。しかも、大会当日の天気予報は雨。いままで雨の中を走ったことはない。ずぶぬれで走ってどんどん体温が奪われて心筋梗塞と低体温症で死ぬかも?......あああっっっっっ、もうだめだ。完走、無理無理〜〜。知り合いという知り合いに「今度10km走るからね!」と吹聴しまくってきただけに、いまさら「制限時間オーバーでした。えへへ」なんて恥ずかしくてとても言えない。やっぱり最初から10kmなんて高望みしないでおとなしく3.8kmにしておけばいらない恥かかなくてすんだのに……。不安と後悔でどよーーーんと沈んでしまいました。


が、ちょうどその日、春の選抜で地元沖縄の興南高校沖縄県勢としては○年ぶりに決勝戦に進出。息詰まる熱戦の中、延長10回で日大を下し見事優勝したのです。父や母とテレビの前で応援しながら、どんなピンチが訪れてもうろたえず平常心でベストなプレーを続ける彼らの姿に胸がジーン。優勝旗を抱えて晴れ晴れとした顔で甲子園球場に立つ球児たちを見て、「彼らのプレッシャーにくらべたら私の不安なんてちっちぇえちっちぇえ。気持ちが先に負けてちゃアカン!とにかく楽しく、精一杯走ればいいんだ! 


そう考えて気持ちをリセットしたものの、大会前夜は緊張のためほとんど眠れません。天気予報は相変わらず雨。窓の外の夜空はどんより曇って今にも降り出しそう。一緒に帰省したオットは、私の初レースを応援することもなく、大会二日前に仕事のためさっさと帰京。当日は父が会場まで送ってくれる予定ですが、その父も用事があるとかで私をおろした後すぐ家に帰ってしまうそうです。せっかく地元でレースに出るっていうのに誰も応援に来てくれないという、なんとも寂しい事態に。


そして迎えた大会当日の朝。眠れないまま4時頃起床。カーテンを開けて外を見ると、予報通りしとしと雨が降っていました。スタートまでに止むといいなあ......と思いながら、ウェアに着替えて勝負タイツをはきます。いつもなら、「こんなにたくさん食べられないってば!!」とキレてしまいそうになるくらい大量に料理を作ってくれる母ですが、なぜかこの日は寝床に入ったまま。キッチンを漁っても料理らしい料理はない。仕方ないので持ってきていたSOYJOYをかじります。それにしても母ちゃん......いつもは「いらない!」って言っても必殺カメーカメー攻撃してくるくせに、なんで肝心なときに作ってくれないかなあ。謎だ。


いっそう強くなり始めた雨の中、父の車で会場に向かいます。ナンバーカードの受け取りのため、2時間前くらいには会場に到着してください」とのことでしたが、せっかちな父のおかげで、到着したのはなんと6時50分! スタートまで3時間もあります。すっごく待ち遠しいひとみたいじゃないか。
ナンバーを受け取って、総合受付でひたすらスタートを待ちます。といっても、おしゃべりする相手も居ず、本も雑誌もない。軽くジョギングでもしてウォームアップしようにも、そとはざあざあ降りでびしょぬれ必至です。チームで参加する人々は独自に簡易テントを設営してその中で着替えたり談笑したりしています。レース慣れしてるんだなあ。楽しそう。終わった後はみんなで打ち上げか。いいなあ......しかし、私はひとりぼっち。総合受付のトイレの前でひたすらひたすら待ち続けました。


屋台で地元の少年野球チームの父兄が作ったおにぎり(一個50円ででかくておいしかった!)を食べてパワーチャージ。友人にメールしたり、twitterでつぶやいたりしているうちに、出場者がぞくぞくと集まってきます。みんな超速そう。スタイルもいいし、ウェアもバッチシ。特に土地柄かアメリカ軍関係者とおぼしき外国人の姿が目立ち、この人たちはもう圧倒的に手足が長くて筋肉質でオリンピック選手みたいです。こんな人たちと一緒に走るの?私? なんか完全に浮いてるよね......。とにかく、目に入るひとすべてが自分よりはるかにアスリートっぽくってヨユーな感じ。私はと言えば、前日からの睡眠不足もあって、タダでさえ重い体がいっそう重く感じられます。スタート時刻が近づくごとに高まる不安。ますまする雨......。どうしよう、ほんとに完走できないかもしれない。ダイジョブか?私?

ひとがみな、我より速く見える日よ おにぎり買いきて ひとりもぐもぐ

そしていよいよスタート時刻15分前。アミノ酸を飲んで、塩飴をなめて、泥でびちゃびちゃになった陸上競技場のスタートラインまで歩きます。さあ、いまさら心配してもしょうがない。チバリヨー自分!


しつこくつづく。てか、もう次は終わらせたい......

まずはカタチから

レース出場が決まって以来、私ってこんなにスポーツ好きだったのか!とびっくりするくらい、こつこつ走りました。週に3、4回、5kmずつ。時間のある日は家からチャリで15分ほどのところにある洞峰公園の一周1kmのランニングコースをぐるぐるまわってLSDっぽいこともやってみました。


ぐーだらな私が飽きずに練習を続けられたのは、走るのを助けてくれる様々なグッズのおかげです。なかでもauのケータイに入っているrun&walkというアプリは大活躍。このアプリを起動させて走ると
走行距離/走行時間/平均時速/平均ペース/消費カロリー/GPSによる走行地図 が表示されるのです。しかも音楽プレイヤーと連動しているので、音楽を聴きながら走行データがとれ、しかも電話も受けられるというスグレもの。


走るのが趣味になったら真っ先にほしくなるのがランニングウォッチなんだそうですが、あれって、高機能のものになると5万円位するんですよね。だけどこのアプリを起動させていれば「ケータイ・ランニングウォッチ・音楽プレイヤー」の3つの機能がひとつにまとまります。画面も大きくて見やすい。自分で好みのペースを設定すれば(たとえば「5kmを35分で走る」とか)、距離/時間ごとにきれえなお姉ちゃんの声で「ペースより遅れてます♪」「ペース通りです♪」「ペースより進んでいます♪」と優しくアナウンス。見事設定距離を走りきると「ワークアウト終了です。お疲れさまでした♪」と優しくねぎらってくれるのもうれしい。


データのログはPCとケータイの両方で保存されるので「今日はこれくらい走ったんだ」「お、昨日よりちょっとだけ速くなってるぞ」「今月はもう○○カロリーも消費したのか」など、運動後に確認するのがすごく楽しみになりました。


レーニングのお供として、run&walkの次に活躍したのがスポーツ用イヤフォン。音楽を聴きながら走ると、ふつうのイヤフォンではすぐにずり落ちてしまって気が散ることこの上ない。ネットでいろいろ調べて、amazonでの評価が高かったこれを買いました。

スポーツイヤホン・イヤーフック RS Earphone #02 White / RSEP02W

スポーツイヤホン・イヤーフック RS Earphone #02 White / RSEP02W

確かに装着感は格段によくなりました。でも、コードが長すぎてとり回しに不自由します。やっぱり走りながら音楽聴くにはワイヤレスがいいなあ。ちなみに聴いている音楽は70年代〜80年代のディスコミュージックが中心。「サタデーナイトフィーバー」とか「ジン、ジン、ジンギスカーン」などのチャカポコリズムで走っています。


イヤフォンと同じで、「もう少し何とかならないかなあ」と思っているのがポーチ。

走るときはケータイと家の鍵と500円玉くらいしか持たないのですが、ランニング用のウエストポーチは、軽量化するためとゆさゆさ揺れるのを防止するために極端に小さく作ってあるので、この3つを入れただけでぱっつんぱっつん。腰の低い位置につけているのでイヤフォンのコードがぶらぶらしてひっかかったりします。


それならばと買ったのがこのアームポーチ。

サンワサプライ PDA-MP3C5G アームバンドスポーツケース グリーン

サンワサプライ PDA-MP3C5G アームバンドスポーツケース グリーン

マジックベルトで腕に巻き付けるのですが、走っているうちにずり落ちてきちゃうんですよね。それに、走りながらデータを確認するときに、腕からはずしてケータイ取り出して、という作業がけっこうめんどくさい。両手が使えないから当然なのですが。
収納力があって、ずれたり揺れたりしないで、開口部の開け閉めが楽なポーチ、どっかにないかなあ。


あと重要なのはこのタイツ。

もともと登山用に購入したものですが、本来はランニングで使用されることの方が多いのだとか。もうね、このタイツをはいているときとはいていないときでは疲れ方が全然違います。ぴっちりしているから私のようなたぷたぷお肉でも揺れないし、適度な着圧で膝や腰をガードしてくれ、ケガや故障の防止になります。寒いときは防寒にもなります。私、もうタイツなしでは走れません。値段が高いのが玉にきずなんだけど、毎日のように酷使するんだからすぐもとはとれるはず、と洗い替え用にもう一枚購入して、2枚を使い回しています。


あと、これは分不相応だなと自分でも思うのですが、オーダーメイドでインソールを作ってしまいました。
走りはじめてすぐ鵞足炎になって、ものすごく痛い思いをしたので、ケガには敏感になっていました。時折伴走してくれる元陸上部の女の子が「とこりさんは扁平足気味だから膝に負担がかかりすぎるんですよね。もともと歩くときに内股になるクセがあるからよけいに。インソールで調整するとだいぶフォームが安定しますよ。私も現役時代は使ってました」と言ったのです。その晩のうちにネットで調べて、翌日このお店に行きました(笑)。


お店では、スポーツシューズ専門のシューフィッターの人がいて、左右の足の型を取られて、走っているところを高性能カメラで撮影されて、その映像をなにやらハイテクっぽいソフトで解析して、一週間後には「この世に一つしかない、あなたのためだけのインソール」ができあがりました。オーダーメイドのインソールなんて贅沢も甚だしいとオットにはあきれられましたが、お店の人が言うには、ケガや故障の防止のためにむしろ初心者にこそインソールを作ってほしいのだとか。せっかく走り始めたのにしょっちゅう足を痛めてたんじゃ走るのが嫌いになっちゃいますもんね。値段もランニングシューズをもう一足買ったと思えばそんなに高くない。一回作ればずっと使えるし、時間がたてば調整し直してくれるし。
装着して走ると、いままでより膝が軽く感じます。土踏まずのところに出っ張りができたので扁平足気味のため足裏全体にかかっていた負担が分散されているのがわかります。元陸上部にフォームを確認してもらったら「膝が内側に倒れ込む癖が直っている」と言われました。


それにしても……。走りはじめてからゆるみっぱなしの財布の紐……。バイト代の大半がランニング関連グッズで消えていきます。これくらいの勢いでお肉とと脂肪も消えてくれればいいのですがそちらは遅々として進まず。


何かを始めるときの私のモットーは「まずはカタチから」。へっぽこランナーのくせに生意気なのは百も承知です。どうせやるならできる限り楽しく、快適に。勢いであれこれそろえたのでますます気分は高まります。けれど気持ちとは裏腹に、5km走るのに30分以上かかるのは相変わらず。せめて30分切りたいんだけどなあ。そんなわけで、実力はともかく、身の回りだけは何となく充実した感じで4月4日の本番を迎えます。


つづく(長いよ)。

うれし恥ずかし初レース

走ることが習慣になってきて、「走るって楽しいな」と思い始めた2月の終わり。ランニング雑誌やランナーたちのブログを読んでいると、イヤでも目に入ってしまうのが「レースにエントリー」という言葉。


私の乏しいスポーツ知識ではレースっつったら、「オリンピック」「世界陸上」「東京マラソン」「つくばマラソン」「ホノルルマラソン」以上! という感じだったのですが、調べてみると、日本中のあちらこちらでほぼ毎週のように大小いくつものレースが行われているんですね。ニッポン人って走るのが好きなんですねえ。べっくらこきました。

一人で地道に走ってきて、5kmくらいならなんとか完走できそうな自信もついてきました。「レースにでる」という目標があれば、走ることへのモチベーションはさらに高くなるはず。なにごとも挑戦だ! と、まずは5kmのレースに出てみることにしました。

私の初レース、希望は3つ。
(1)4月に沖縄に帰省するので、沖縄で開催されるレースがいいな(帰省ついでにリゾート気分も味わえるしね)
(2)距離は5kmがいいな(なにせぴっかぴかの初心者だからね)
(3)ゆるめの制限時間、もしくは制限時間なしがいいな(完走できる確信はまだないしね)
(4)沿道にたくさんの応援団がいるといいな(お祭り気分で楽しく走れそうだしね)


しかし、私の帰省中に沖縄で開催されるのは「あやはし海中ロードレース」という大会のみで、種目は3.8km、10km、ハーフの3種。狙っている5kmがないっ! 困った! 


しょうがないので一番初心者向け(と思われる)3.8kmでエントリーしようかとも思ったのですが、はるばる茨城から遠征してきて挑む初レースが3.8kmっていくらなんでも物足りないよねえ。3.8kmならたぶん20分くらいで終わっちゃうだろうし……。


となると、10kmか? 10km? 10kmて!! つくばから土浦くらいまであるじゃない! しかも1時間半の制限時間つき。
そのときの私のタイムは5kmを40分前後。単純計算しても10kmで80分。当日の天候やコンディションによってはもっと遅くなるかも。制限時間内にゴールできるかかなり微妙な感じです。うーん、どうしようかなあ……。


周りのマラソン経験者に聞くと、「5kmを40分前後で走れてるんだったら大丈夫だよ!」「ヨユーだよ!」「最悪、後半歩いても制限時間以内には完走できるよ」
と口々に言ってくれるのですが、スポーツの「会」に出るのなんて、学生の頃の運動会以来。その運動会でも毎回毎回どじでのろまなカメっぷりをさらしていた私です。10kmなんて気が遠くなるような距離、一人で走りきれるのか? 考えれば考えるほど無理なような気がしてきます。


3.8kmか10kmか? それが問題だ……ハムレットのごとく悩むこと数日。そのとき読んでいた
この本

マラソン100回の知恵―サブフォーをめざす市民ランナーへ (平凡社新書)

マラソン100回の知恵―サブフォーをめざす市民ランナーへ (平凡社新書)


「初レースは少しくらい不安のある距離の方がいい。大丈夫、心配しなくても本番ではいつもよりずっと速く走れる」という言葉が。
よし! 生まれてこの方10kmなんて距離を自分の足使って移動したことないけど、なせばなるなさねばならぬナニゴトもナセルはアラブの大統領。レースは4月、まだ時間はあるさ!うりゃうりゃ〜!と「エントリーする」のボタンをクリックしてしまったのでした。


クリックした瞬間から怒濤のように押し寄せる不安と緊張の波。大丈夫だろうか?10km、つくば〜土浦間、ほんとに1時間半で完走できるんだろうか? 途中で心筋梗塞とか起こしたりしないだろうか?致命的なケガとかしてランナー人生(←大げさ)が終わってしまったらどうしよう? 運良くゴールできたとしても、ギリギリのヨレヨレのヘロヘロで沿道の見物客に指さされて笑われるんじゃないかしら?......考えれば考えるほど3.8kmにエントリーすればよかったような気がしてきましたが、もうエントリーしてしまったのはしょうがない。とにかく完走!なにがなんでも1時間半以内で完走する!ということだけを念頭に、今まで以上にきちんとトレーニングしようと心に決めたのでした。


「きちんとトレーニングする」と決めたものの、私のような初心者にとって怖いのは練習不足よりむしろ練習のしすぎによる故障なんだそうで。私も走りはじめて1ヶ月目くらいに、急激に負荷をかけたことによって起こる鵞足炎という故障をしてしまい、3週間くらい走るのはおろか歩くこともおぼつかなかったという痛い経験があります。


「休養もトレーニングのうち」と肝に銘じて、3日走ったら1日休む、ちょっとでも違和感を感じたらすぐに運動を中止する、筋力アップのためにスクワットやダンベルをがんばる。レース本番までにゆっくりでもいいからとにかくいちど10km走ってみる。と自分なりの「作戦」をたて、手帳の4月4日のところに赤いボールペンで大きく「あやはし海中ロードレース」と書き込み、ドキドキ半分、わくわく半分で、せっせと走り続けたのです。

つづく。

「走る」にハマる

ちょっと奥さん聞いてくださいよ! ランニングに始めたんですよ、この私が! ハマってるんですよ、この私が!


体育の成績は常に3か2。跳び箱も跳べず逆上がりもできず、縄跳びの二重飛びもできない、ウルトラスーパー運動音痴の私。もちろん、走ることなんて大嫌い。かけっこはぶっちぎりでビリ。年に一度の長距離大会は仮病でバッくれていました。


そんな私がですよ、この世でゴーヤーとキュウリと中山ヒデと同じくらいだいっきらいだった長距離を走るようになり、のみならずお金払って遠くの街のマラソン大会に出場するようになったっていうんですから、ホント、人間ってわからないもんです。


走ってみようかなと思い始めたのは2年前。子宮筋腫の手術を受け、いままでになく「健康」について強く意識するようになった頃です。ちょうど入院中にこの本

走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること

を読んだこともあり、「お金がかからなくて」「長く続けられて」「体と心の健康によさそう」なランニングを始めてみたいなあと漠然と思っていましたが、興味はあるものの、実際の行動には結びつきません。やっぱめんどくさいし、キツそうだし……。


ところがしばらくして、ご近所に住む友人・ketketさんがランニングを始め、しかもけっこう長続きしていると聞いたのです。なんですと? あのインドアっぷりでは私と引けを取らないketさんがランニングですと? 彼が続いているんだから私も続けられるはず!そうよやらなきゃ!とおおいに発憤。とりあえず近くのアディダスショップに駆け込み、ウェアとシューズを買って、走り始めたのが去年の11月24日のことです。


それから約5ヶ月。最初は1km走るのもやっとだったのに、毎日こつこつ走り続けているうちに、1kmが2km、2kmが3kmと少しずつ距離が伸びてきて、いまでは週に4、5日、コンスタントに5km走っています。3月の走行距離は100kmを超えました。


最初はオットに「シューズ買うなんてもったいない。どうせ長続きしないんだからアベベみたいに裸足で走れば?」なんて笑われていたのですが、ウェアをそろえ、スポーツ用イヤフォンを買い、ランニング用ウエストポーチを買い、アームポーチを買い、「ランニングパフォーマンスが飛躍的に向上!!」というタイツを買い、姿勢を矯正するためにオーダーメイドでインソールを作り、いままで立ち読みすらしたことのなかったビギナー向けのマラソン入門本を買い、ランニング雑誌を購読し、某所で知り合った元陸上長距離選手の女の子にランニングコーチを頼んで週イチで伴走してもらうという大騒ぎっぷり。これで三日坊主だったらただの無駄遣いオバンですが、もう半年近く続いているのでオットも文句を言わなくなりました。


「きつい、苦しい」というイメージしかなかったランニングが「楽しい!」と思えるようになったのはなぜでしょう? 単純に外の空気が気持ちがいい、適度な運動の後の心地よい疲労感、ダイエットに役立つ(ような気がする)、健康になれる(ような気がする)などなど、いろいろ理由はあるけれど、一番大きな理由は「確実な達成感」を感じることができるから、なんです。


近所の公園を3.5周で5km。単調な息づかい、単調な景色。毎日地道に走ってはいるものの、いつまでたっても足は重いし息は切れるし、昨日と全く同じ今日を走っているような気がします。でも、ケータイのアプリでログをとってみると、一ヶ月前は1km走るのに8分近くかかっていたのが、7分30秒になり、20秒になり、6分台になっている。5km走るのに小一時間かかっていたのが、最近はよっぽど疲れていない限り30〜35分前後で走れるようになっています。実感はないのですが、数字は確かに私の体力が向上してきていることを教えてくれます。



「できなかったことができるようになる」って楽しい!! 私のようなぬるい生活をしていると、こういう「達成感」からどんどん遠ざかってしまいます。そりゃあ、たまった洗濯物を一気に洗って干したときとか、家中の窓ガラスをピカピカに磨きあげたときとか、日常の生活の中のこまごました達成感はありますが、地道に努力してナニゴトかを成し遂げた達成感、というのは、受験勉強以来、忘れていたような気がします。


あと、たった30分でも外を走るのは単純に気持ちがいいのです。晩秋の頃、走り始めた頃は、舗道いっぱいの落葉を踏みながら走り、冬になれば水たまりが凍り、霜柱がざくざくたってて、やがて花粉が舞うようになって桜のつぼみがふくらんできて、いまは満開の桜中を走っています。


真冬、窓の外を北風がぴいぷう吹いていて、「寒いから今日のランニングはパスしようかな」とうだうだ迷っても、いったん外にでて10分も走れば体が温まってきて、汗が流れてきます。5km走って、家に帰って、ストレッチして熱いシャワーを浴びていると、「私ってばこんなにヘルシー!こんなにポジティブ!」と思いっきり自己陶酔できます。


最初の頃にオーバーワークで膝を痛めてからは筋トレの重要性を思い知り、寝る前にダンベル体操を20分。バランスボールを使った腹筋運動を50回。そろそろプロテインでも飲み始めようかしらと思案中。んもう、いったいどこの部活の強化合宿ですか。


でも、走ることが習慣になってから、ほんとにいいことばっかりなんですよ。体も気分も調子いいし、肩こりが緩和されたし、夜ぐっすり寝られるし、朝の目覚めもいい。いままで家の中でだらだらネットやDVD見ていた時間に比べるとはるかに充実した濃い時間を過ごせていると思います。今はより速く、より楽しく走れるようになるためなら何でもします買います、という感じ。変だなあ、「ランニングはお金がかからない」はずだったのになあ……。

たったひとつ解せないのは、これだけのワークアウトが体重にはあまり反映されないこと。いったいなぜ?酒?やはり酒なの? 


そんなこんなで、春のランニング祭り絶賛開催中の私。ついには4月4日に帰省先の沖縄で開催された「あやはし海中ロードレース」で10km走ってきました。いーーーやーーー、よかったよおお!! 行ってよかった走ってよかった。レースの詳細はまたのちほど。


今朝も小雨の中、6kmほど走ってきました。今月の走行距離はいまんとこ40km。月末には最低でも100kmを超えるようにがんばりたい。もちろん明日も走るぞ。お天気になるといいな。